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データ調査をしたら「生徒会長選挙実施はわずか7%」だった。千葉市の先導的取り組み


教員からの立候補要請が83%、役員経験者は全体の1/4

役員選挙の際の教員の働きかけについても調査を行なった。中学校ということもあると思うが、83%もの学校で教員がなんらかの形で立候補要請を個々の生徒に行なっており、立候補に関する教員からの働きかけがないという学校はわずか9%だった。生徒が生徒会役員に立候補した理由についても見ると、「人の役に立ちたいと思った」と「活動している先輩を見て自分もやって見たいと思った」が62%と最も多く、次いで多かったのが「先生に勧められた」の45%と、実際には教員からの働きかけがなければ立候補者すら集まらない現実も見えてくる。以下、「入学前から生徒会活動に興味があった」36%、「進路選択の際に有利になると思った」と「昨年も役員をやっていた」が23%、「先輩や友人に誘われた」17%、「その他」10%だった。

役員総選挙の際の教員の働きかけ

<ア.立候補の要請>

全体に呼びかけと個別の呼びかけ。1・2学年担任学年職員による個別の声がけ。学年会で立候補させたい生徒を挙げ、声かけをした。一学年は全体での呼びかけのみ、二学年は学年の生徒会担当、担任からあり。立候補者がいない時に、生徒から推薦をさせてその票に応じて学年で声がけした。仕事内容の説明。3者面談で保護者にも相談。2学年と生徒会担当が要請。声かけをした。選管長の放送、委員の学級での昨びかけ。全校生徒ヘ声がけ、個々に声がけ。学年主任が希望している生徒や能力のある生徒と面談。声がけ。学年の職員(2年1年)を中心に候補者になり得る又はやる気がある生徒と話。声がけ。学年職員からの声がけ。やってみないかという声がけ。未経験者への声がけ、2学年職員。生徒会役員をしてみないかを打診した。役員への打診など。アンケート調査。1、2学年職員。生徒会担当、担任、学年主任らによる呼びかけ。集会等での呼びかけ、少ない時は個別に声かける。学年職員。対象学年(1、2年生)の生徒全員にアンケー卜を行う。各学年から呼びかけ選出。リーター性のある児童への声がけ。各クラスでアンケー卜を実施し、少しでも希望のある生徒には声をかける。クラスでの全体への昨びかけ、各学年担任。声をかける。生徒会役員経験者に立候補するか確認。各学年職員の声かけ。前にアンケー卜を2回行った。学年で立候補を把握し、いない揚合、個別に話をする。立候補者がいなかったため、教員側から声をかけた。学年生徒会を中心に呼びかけをした。該当する学年職員より声がけ。

<イ.立候補者の役職調整>

担任から声をかける。1・2学年担任生徒会担当が学年ごとに集めて調整。立候補希望者を締め切り前に集め、生徒同士で調整させた。一学年はなし、二学年は学年会などで検討。1、2年で競争にならないよう配慮した。2学年と生徒会担当が要請。担任より声かけ。個々に声がけ。公示後立候補締め切りのまでの問、希望者を集めて現状を共有した。学年主任が希望している生徒や能力のある生徒と面談。確認。役職なども調整。生徒との話し合い。担任が把握後情報交換。どの役職で立候補を考えているか確認した希望聞き取り。生徒同士の話し合い。1、2学年職員。生徒会担当、学年主任らによる呼びかけ。候補者の希望を聞きながら調整する。アンケー卜で立候補を希望すると同時に役職の希望ち記させる。学年の生徒会担当の教員を中心に行う。各学年から呼びかけ選出。立候補者に希望を確認、生徒会担当、各学年。生徒会役員経験者に立候補するか確認。立候補者を呼び、それぞれの思いを確認し調整。選挙前に集まり候補者数を確認。

<ウ.その他>

リーダー研修の実施、学年評議会 立候補を考えている生徒にアドバイス

教員による働きかけの実態

また、選挙の際には立候補者の役職調整を行なっている学校が65%もあることも分かった。立候補者不足から欠員にならないようにするための事前の調整などだが、こうした教員の働きかけが、競争選挙を減らしていることにもつながっており、実際には「教員が役員を決めている」といった印象を生徒に与えている可能性もある。継続して生徒会活動をやる生徒の割合についても見ていこう。全生徒会役員の中で、生徒会役員経験者の割合は27%だった。経験者の割合は、役職によって異なり、会計では10%、書記13%しかいない一方で、副会長になると39%、会長は67%と、役職が高くなるにつれ経験者の割合が急激に増えることも分かった。

一方で、生徒会長であっても33%もの学校で生徒会経験のない新しい人がやっていることになり、新規参入の可能性が開かれていることも見える一方で、継続して生徒会役員をやろうという生徒が多くないことも見える。

投稿者プロフィール

高橋 亮平
高橋 亮平
1976年生まれ。明治大学理工学部建築学科卒業。一般社団法人日本政治教育センター代表理事、事業創造大学院大学国際公共政策研究所研究員、株式会社メルカリ経営戦略室政策企画参事、神奈川県DX推進アドバイザー、熊本市生徒会・校則見直しアドバイザー。中央大学特任准教授、明治大学世代間政策研究所客員研究員、市川市議、松戸市政策担当官・審議監、千葉市アドバイザーなどを歴任。国民投票法改正案につき衆議院法制審議会で参考人を務めるなど18歳選挙権実現の第一人者。AERA「日本を立て直す100人」や米国国務省から次世代のリーダーとしてIVプログラムに選出。著書に『世代間格差ってなんだ』(PHP新書)、『20歳からの社会科』(日経プレミア新書)、『18歳が政治を変える!』(現代人文社)ほか。