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生徒会が夢を語れる場所に:日本生徒会大賞2017受賞者プレゼン


8月3日、日本生徒会大賞2017 大賞並びに特別賞の受賞者による記念発表を行いました。今回の受賞者記念発表は「高校生徒会リーダー夏合宿2017 in 松下政経塾」の特別プログラムの一環として行いました。

【日本生徒会大賞2017 大賞<個人の部>】 栗本 拓幸(くりもと・ひろゆき)さん=浅野・高3

昨年度まで浅野高校の生徒会長。学校外の活動として、全国高校生徒会大賞の実行委員長や日本生徒会大賞の企画、由比ガ浜の清掃などを実施していた。

そもそもなぜ生徒会に興味を持ったのかというと、両親の仕事の関係で海外を行き来していたが、その出張先から当時3歳の彼に毎回電話がかかってきて、出張先のことをいろいろ教えてくれ「世界の国図鑑」を開きながらその話を聞いていた。それを何度も経験するうちに、自分で国旗や国を作ってみたいという衝動に駆られて、5歳の時に日本から独立した「ひろ国」という国家を作った(もちろん国ごっこで架空)ということが原点。

小学校入学後に、小学生新聞を読んでいたが、祖父や父親が読んでいた日刊紙を眺めて、そちらのほうが情報量も多いし面白いと感じた。それからは日刊紙をずっと読み続けている。また、国ごっこの発展形のような形で、起業ごっこを始めていた。その内容は、資本金を適当に決めて遊んでいたのが、小学校時代の話。

中学校入学後、ほぼ登校初日に『生徒会室』の前を通った際に面白そうなものがあるな、と関心を持ち、生徒議会と呼ばれる生徒総会の下部機関の議員にクラスから立候補、無事当選。中学1年の終わりに次年度生徒会役員選挙に立候補、ここから本格的に生徒会生活が始まる。

学校は中学・高校一貫校で、中学2年から4年間活動を行ってきた。最後の年度で実施したことは、(1)生徒会会則の改訂、(2)情報公開、(3)保護資料の整理と保存。生徒会を運営していくために「生徒会を生徒が夢を語れる場所にしたい」と考えているが、その理念を達成する前に行わなくてはならない事業として3点を行い、理念に通ずるところは引継ぎ事項としながら実施してきた。

神奈川県高校生徒会会議の代表も務めており、「神奈川会議から未来のリーダーを育成する」ということをビジョンに掲げ、生徒会に限らず社会貢献事業なども実施してきた。また、全国高校生徒会大会の実行委員長も務め、今年は114名56校が参加し開催された。これと同時に行ったものが、日本生徒会機構でここにある問題意識は「今までの内向きが多かった生徒会活動で、高校生が高校の中で話し合いを行う」という物だった。この視点も重要であるが、その視点のみだと解決しにくいという課題がある。例えば、根本的な制度改革が必要であったり、学習指導要領の改正であったり。そのような場合に、文部科学省であったり全国校長会に働きかけをしよう、という目的で立ち上げたのが、日本生徒会機構にあたる。今回提言した内容は10点である。

そもそも、生徒会活動は何をするべきなのかというところを考えたい。4年間の生徒会役員任期があったが、一番最初は組織って面白い、という直感から始まっていたが、中学3年の時に「生徒会ってすごい可能性があるのではないか」と感じた。例えば、生徒総会を開催する、報告書を発行する、固定化しているというと感じたときに、何を本質なのかを考えると、一番考えなければいけないのは会員である生徒全員のことのはず。例えば、コミュニティを運営するときに、だれのために運用するのかを考えることは大変難しいが、生徒会の場合においては生徒が何をやりたいのかという点に尽きると考えなければならない。例えば、生徒会本部が「文化祭で花火を上げる」といった場合においても、生徒会の会員がやりたくないものだとしたら、やる意味がないということになる。そのような意味で、役員と会員のどちらを重要視するのかを考えた場合には、会員に重きを置く、ということにいなる。その上で、役員は何をするべきかという点だが、それはコミュニティをいかにうまく発展させていけるか、そのための下地づくりをすることが役割というのが、考えであり理想である。

大賞を受賞した栗本さん(右)と特別賞の遠藤さん(左)

「生徒会を生徒が夢を語れる場所」という点においては、意外と生徒側も興味を持ってもらえた。例えば生徒会の不信感や関心を持ってくれない部分はあったが、この一言で「おもしろそうだ」と感じてくれる。その上で、少しでも関心を持ってもらえると、生徒会の情報を自ら気にしようとする。現在は、生徒会室の前に掲示板を設置してあるが、現在進行形の企画や議事録、週間予定、月間予定などを掲示している。これにより、目安箱に入る質問の質が格段に上がった。これまでは「これやれ、あれやれ」という一方的な意見が多かったものが、「この進捗はどうなっているのか」「こんな企画をやってほしいが、既存の企画と一緒にできないか」などといった風に変化した。

生徒が関心を持ってくれない、関心を持てばもっといい生徒会ができる。ということがよく聞こえてくるが、そうではなく努力しなくてはいけないのはむしろ役員側であり、本質を忘れてはいけない。同様の事例で、広報紙を読んでくれない、生徒会役員選挙でまじめに投票してくれないなどという問題もあるが、広報にせよ何にせよ、本質はそこではなく、広報は生徒会活動を知ってもらうこと、その先に生徒会の会員が自分の所属しているコミュニティが全体で何をしようとしているのかを認知してもらうこと。広報紙を読んでもらう、という視点でとらえるとすれば、漫画を入れればいい、というところなどになると思うが、それ以外の方法もあるということも知っておいてほしいと感じている。

今までの経験を通して得たこともあり、一番最初の経験はすべて生徒会活動であった。そこから興味が広がり、生徒会や若者の政治参画(日本シティズンシップ教育フォーラム)などの学校外の活動にも活動を広げたが、これらの経験をすべて通じても生徒会というものは価値がある。

盲目的に「生徒会はいいよね、可能性あるよね」と思うだけではなくて、別の視点で考えると様々な方法が発案されることがある。例えば「世の中を一気に変えること」という話があるが、先の全国高校生徒会大会というものも「全国の高校をもっとワクワクする場所に」するために、生徒会を使って動かすことが自身のテーマとなっていた。これを考えたときに、様々な経験を通して考えたときに、生徒会が一番効果的なツールであると考えた。それは、日本全国に5千を超える高校があるが、ほとんどの生徒会が存在しているためだ。

生徒会長の退任挨拶の際に「生徒会が面白いと感じることが出来れば、学校も日本社会も変えられる」と述べた。そういった意味で、生徒会というものはすごい力が秘められていると感じているので、今後より一層の努力をお願いしたい。

【写真】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長

荒井 翔平
1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、一般財団法人国際協力機構理事などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。