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「校外プログラム大全」に協会に関して取材を受けました


「校外プログラム大全」http://kininarukotomatome.com/ というサイトをご存知だろうか?このサイトは坂本雅大さん(海陽学園・高2)が自主的に運営しているサイトである。昨今多く実施されている「高校生が学校外で参加できる様々なイベント」に関して、そのイベントのOB・OGに直接インタビュー等を実施し、紹介を行う「パイセンに聞いてみた!」というコーナーが人気を博している。

運営を行っている坂本さんは『この度は生徒会活動支援協会について栗本拓幸理事にお聞きする機会をいただきました。 生徒会の活動をより良いものしたい、高校生が活躍できる場を増やしたい。 活動自体は違えども、私と全く同じ考えをお持ちであったことに感激しております。 生徒会活動に関心のある方や自分の成長の場を探している高校生、どなたにとっても意義のある記事になったと思います。 ぜひ一度ご覧ください!』と意気込みを語る。

【元サイト:進化してる?!高校の『生徒会事情』について「生徒会活動支援協会」で理事をやってる高校生に聞いてみた。

皆さんの通っている高校にもある「生徒会」、どんなイメージをお持ちですか?
つまらない、仕事してくれない…等々。とんでもない、世界にも日本にも「生徒会にまつわるすごい話」が沢山あるんです!簡単にまとめると…
・世界には日本にない「生徒会」のシステムが??
・学校現場も大変、主権者教育の現実と解決方法
・可能性しか無い!?生徒会活動の今後

インタビューアー:坂本雅大
インタビューイー:栗本拓幸さん(一般社団法人生徒会活動支援協会 理事)


坂本(サイト管理人):それでは今日は栗本拓幸さんにインタビューしたいと思います、よろしくお願いします。

栗本:よろしくお願いいたします。

坂本:今日は一体何に関してのインタビューなのでしょうか?

栗本:今日は僕が理事を務めている一般社団法人生徒会活動支援協会に関して紹介できればと考えています。ちなみに生徒会活動支援協会のメンバーは、上は40代・30代、下は高校生と幅広い年齢層になっています。高校生と大人が対等な立場で何か一緒にやるという選択肢もあるということをお伝えできればと思っています。

坂本:年齢層幅広いですね…。高校生ながら、大人の方と一緒に活動されている方はなかなか珍しいと思います。実際雰囲気はどんな感じなのですか?

栗本:正直年齢差を感じることは余りありません笑 むしろ互角に議論をし、活動を行っている様な印象があります。雰囲気はとても良いです。

坂本:なるほど、因みに一般社団法人という表記、よく見ますけれども、一体何者ですか?

栗本:簡単に言ってしまえば、非営利(≠利益を出さない)目的で活動する”法人”です。権利を行使することができる、法律上では「人」として扱われる団体です。

坂本:一般社団法人生徒会活動支援協会はどのような活動を行っているのですか?

栗本:一般社団法人生徒会活動支援協会(以下:支援協会)では活動に3つの柱があります。順を追って説明すると、第一に「新しい生徒会像の発信」、第二に「日本各地で行われる生徒会関係団体のアドバイザリー・サポート、取材」、そして「支援協会としてのイベント等の開催」となっています。

坂本:いろいろ聞きたいことばかりなのですが、まず新しい生徒会像と言うのは一体…?

栗本:大きく分けて2つあるのですが、「新しい生徒会」とは何かという話をしたいと思います。坂本くん、例えば日本国内の学校でグラウンドに何か設置をする際に、設置について最終決定権を持っているのは誰だと思いますか?

坂本:それはもちろん校長先生ですよ。

栗本:普通はそうですよね、ところがどっこい、例えばヨーロッパの国々では名前は様々ですが「学校会議」というシステムがあります。この学校会議のメンバーは校長先生、生徒代表(生徒会長等)、父母代表、そして地域の有識者から成っています。そしてこの会議が学校に関わる全ての物事について最終決定権をもっているんです。

坂本:つまり、学校が何か決める時に生徒が過程に関わることが出来るという事ですか?
栗本:その通りです。地域によっては校長先生の任免だったり、生徒の成績評価方法だったりにも関わることが出来るんですよ。

坂本:へぇ…。進んでいるというか、なんか凄いですね。

栗本:別な例を出すと、スウェーデンには全国生徒会(SVEA)があります。

坂本:全国生徒会…?

栗本:全国生徒会というのは、スウェーデン国内の高校生徒会の共同体です。そしてこの共同体が社会的に高い地位を得ているのです。例えばスウェーデン全土の生徒会から何か要望が出たとします。その際、SVEAは要望を実現する為、直接政治家や教育行政の役所にロビー活動をしているのです。

坂本:へぇ…。直接政治家かぁ。

栗本:もちろん、こうしたロビー活動も全国生徒会の重要な活動ではあるのですが、「生徒会役員の研修会実施」もまた重要な活動になっています。この研修会はNational Gatheringと呼ばれていて、全土から300名を越える生徒会役員が一同に会します。
余談ではありますが、この全国生徒会のさらに上部組織として「LSU:全国若者協議会」という組織があり、スウェーデンの若者政策に関して大きな影響力を持っています。

坂本:SVEAの運営は誰が行っているのですか?

栗本:SVEAに関しては日本の高校生相当の学生です。端的にまとめれば”高校生が社会的に活躍している”。所詮高校生だろと足蹴にされているわけでもないんです。僕もかつて文部科学省に生徒会に関する提言を出した経験があるのですが、正直な所、かなり胡散臭く思われていたなという印象があります。そういった経験からも、SVEAの様な社会的に地位を得ている高校生団体があるということの意義を物凄く感じます。

坂本:大人と対等に活動できていると言うのは本当に凄い社会だなと思います。

栗本:地方自治に地域の生徒会役員が生徒代表として参加する等、他にも様々な例があります。ただ私達は海外の先進事例をそのまま輸入せよ、という事が言いたい訳ではありません。高校生を中心とする若者がもっと社会で活躍できるシステムがあるのではないか、その核となるのが「生徒会」ではないか、日本国内で「生徒会の価値」を更に高めようという事で様々な活動をさせていただいています。

坂本:生徒会を核としたシステムが仮にできれば、物凄く面白そうです。生徒の意見が直接国にも反映されるかもしれないわけですからね。

栗本:それでは次に新しい生徒会像の中の「主権者教育としての生徒会」に関して背景から詳しく説明したいと思います。2015年初夏に『改正公職選挙法』という法律が成立しました。(詳しくは栗本が別途理事を務めるNPO法人Rightsのコラムをご参照下さい: http://rights.or.jp/archives/813 )
この法律が成立したことによって全ての日本国民に満18歳になると自動的に選挙権、つまり全ての選挙で投票する権利が与えられることになりました。

坂本:選挙権を得る年齢が下がったのは戦後初めてのことだったんですよね?

栗本:そうなんです。そして、18歳で選挙権が与えられるという事は、高校3年生の中に選挙権を持つ人がいるということになりますよね?

坂本:確かに。

栗本:そこで総務省や文部科学省が「主権者教育」というものを推し進めることになりました。物凄く大雑把に言うと「選挙にいく際の基礎知識を身につける教育をやりましょう」という事です。

坂本:主権者教育というのは、例えば公民の授業とは違うんですか?

栗本:例えば、ですけれども、衆議院の定員は何人か分かりますよね?

坂本:475人ですよね。

栗本:その475人はどうやって選びますか?

坂本:それは勿論…選挙ですよね?

栗本:そう、選挙です。では、選挙に行った際にどうやって候補者を選んで投票するか、という事を公民の授業で習いましたか?

坂本:確かに、どうやって候補者を選ぶかというのは習った事が無いかもしれないです。

栗本:主権者教育、というのは「どうやって候補者を選ぶか」などといった、政治への関わり方を学校で教えましょうという話なんですね。政治の枠組みに関して習うのが公民科、政治にどのように関わるかを習うのが主権者教育、といった形です。

坂本:なるほど、この話が「新しい生徒会」に繋がって来るんですね?

栗本:そうです、この主権者教育を行う際にキーワードとなるのが”政治的中立性”です。

坂本:特定の政党やイデオロギーによった内容をしないという事ですね?

栗本:まさにその通りです。ただ、現実問題として、”政治に関して具体的な話をする”のに、どこかの党派に拠らずに話をするのって物凄く難しいんです。

坂本:というのはどういうことですか?

栗本:例えば主権者教育の一貫として授業内でディベートをしようとなったとします。Aという命題に関して議論を行う際に、先生が司会をすることも多いわけです。ただ、先生も人間ですから何かしらの信条があるわけですね。

坂本:それはそうですよね。

栗本:ただ、今の学校内で先生が特定の主義主張を表明するのって(本当は)ダメなんですよ。だから、その先生が中立的な立場を取らざるを得ない、先生からしても難しい部分がある訳です。そして論拠として授業などで用いられる新聞等に関しても何かしらの主義主張を持っている訳ですから、真の意味での「両論併記」は難しいんですね。

坂本:どの新聞を持ってくるかによって全く論調も変わってきてしまいますからね。

栗本:だからこそ、主権者教育の一貫としてよく行われている”模擬投票”も、ものによっては不思議なものになってしまうんですよ。例えばこんなのとか。
http://www.sankei.com/region/news/170518/rgn1705180016-n1.html(兵庫知事選 18歳も投票を 姫路市選管、高校で出前講座/産経新聞)

坂本:確かに中学生とかであればこれで良いかもしれませんけれども、リアリティという意味では少し欠けますよね…。

栗本:これは実施した選挙管理委員会が悪いわけでもなく、がんじがらめの制約の中で模索をした結果なわけですが、ともかく、リアルな政治は物凄く主権者教育の題材としては扱いづらいものなのです。

坂本:だからこそ題材として「生徒会」が良いのではないか、という事ですね?

栗本:その通りです、生徒会には役員選挙も予算決算も生徒総会もあります。主権者教育の題材としては非常に優秀です。実際の政治システムに当てはめて考えることが出来ますからね。イデオロギーも無いし、何より生徒にとって身近な題材です。主権者教育だーと言っていきなり「政治」を直接扱うよりも、かなりハードルは低いのでは無いかと思います。

坂本:ものすごくしっくり来ました。政治にいきなり関心を持て!と言われても、なかなか難しいですよね。

栗本:そして生徒会活動は主権者教育の題材としても有益ですが、生徒会活動に参加することが結果的には何よりもの主権者教育になると考えています。

坂本:参加する、と言うのは生徒会長になるとかという事ですか?

栗本:生徒会長等になることも重要ですが、例えば役員選挙に投票をする、文化祭の運営をするという事も「生徒会活動に参加をする」という事です。主権者教育は「社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる」人材の育成を目指しています。これらの力は決して教室の中だけで養われるものではありません。座学だけではなく、実践を通して養われるものであると考えています。

坂本:主体的な姿勢をいわば受身の授業で養うというのも変な話ですからね。

栗本:その実践の場が”生徒会”なんだよ、という事です。最も、この話は学校の先生などの教育者側の方々に聞いて頂きたい内容でもあるんですけれどもね笑

坂本:「日本各地で行われる生徒会関係団体のアドバイザリー・サポート、取材」に関してお話を伺ってもよろしいですか?

栗本:日本国内では、多くの高校生有志が「自校の生徒会をより良い物にしたい!」と団体を組織して活動しています。僕自身がかつて実行委員長を務めていた全国高校生徒会大会、神奈川県高校生徒会会議などをはじめ、首都圏・多摩・千葉・浜松・東海・関西・兵庫・九州・鹿児島など様々な地域に”生徒会団体”が存在しています。

坂本:そうだったんですね、初めて知ったという方も多いと思います。

栗本:それらの団体に関して取材を行ったり、アドバイスをしたり、例えば全国高校生徒会大会などは宿泊を伴うので「社会人の責任者を出す」という形でサポートをしたりしています。(取材例:https://seitokai.jp/archives/1702 )

坂本:結構沢山の高校生が参加しているんですね…。

栗本:そうなんです。僕自身も中高一貫校で計4年間生徒会活動に携わっていましたが、「生徒会」に関わっている高校生ってかなりいるんですね。学外で「生徒会団体」の運営をしている・参加しているという高校生も多い。

坂本:「サミット」みたいな感じです、皆さん学校を代表して来られている訳ですよね?

栗本:まさに。だからこそ僕自身は生徒会団体の活動には物凄い”潜在的価値”があると考えています。この枠組みを使えば、学外で得た”モノ”を学校内に持ち帰り、学内で“モノ”を開花させる、逆に学内のアイデアを学外に持ち出し、様々な学校がアイデアを基に協力した取り組みができる。

坂本:確かに面白いですね、学校内でも何かアクションを起こせる可能性があるというのは、他の校外プログラムとは違う面があります。

栗本:僕自身、“生徒会団体”には長い間関わってきましたが、実体験として堅苦しい様なイメージを持たれてしまうことが多いんです。だからこそ、取材などを通して「これだけ多くの高校生が関わっている、いい意味で普通の高校生が中で活動をしているんだよ」という事を発信できればと考えています。

坂本:生徒会というとどうしても「先生の言いなり」みたいなイメージをもってしまいます。記事を見ていると、参加者の皆さんが「自分の学校を良くしたい」という思いを持っているという事が伝わってきて、生徒会そのものに対する印象も変わりますね。

栗本:話は少し逸れますが、「生徒会.jp」https://seitokai.jp/ という支援協会のサイトは「生徒会のポータルサイト」という意味合いも持たせています。インタビュー冒頭に述べた『新しい生徒会』に関する話は勿論のこと、生徒会団体の取材記事、生徒会の歴史に関するコラムなども掲載していますので、ぜひご覧ください。

坂本:「支援協会としてのイベント等の開催」に関しても教えて下さい。

栗本:イベント等、と一口に言っても多岐にわたります。(1)『新しい生徒会』を発信するイベントの開催、(2)『日本生徒会大賞』等のコンテスト開催、(3)学校と連携した企画の開催などがあります。

坂本:新しい生徒会を発信するイベントの開催とは?

栗本:昨年9月に東京大学で『新しい生徒会シンポジウム』というイベントを開催しました。パネリストとして当時文部科学大臣補佐官で東大・慶大SFC教授の鈴木寛先生や、東京大学教育学部学部長の小玉重夫先生などを招き、“生徒会がこれからの時代に求められている”ことをテーマにパネルディスカッションを行いました。

坂本:メンバーが豪華ですね…。

栗本:これは僕自身もかなり圧倒されました笑。ただ言い換えれば、こんな方々も「生徒会」の重要性について説いているということなんです。

坂本:確かに。

栗本:ただ、かつては生徒会に関して扱う団体というのは存在していなかったんですね、教育者側もその重要性は分かっているものの、現場の高校生は本来の活動で手一杯、生徒会活動の重要性に関して発信することができる団体が存在していませんでした。そのような部分にも支援協会の存在意義があります。

坂本:生徒会に関する“業界団体”的な要素もあるという事ですね?

栗本:そうです。支援協会としては高校生と先進事例、高校生と大人など、上手く橋渡しができればなという様に考えています。直接高校生にアプローチするという意味でも、今年の7月には神奈川県高校生徒会会議と協力をしてイベントを開催しました。
(取材記事:https://seitokai.jp/archives/1725 )

坂本:現場の高校生ともタッグを組む、と。

栗本:このイベントの企画調整を行っている中で、現役の生徒会団体運営からも「他の国の生徒会を知りたい」という声が聞こえてきました。そういった際に上手く支援協会を利用して頂ければと考えています。また8月には公益財団法人松下政経塾のご協力を頂き、「生徒会リーダー夏合宿」を開催しました。

坂本:コンテスト、というのは何ですか?

栗本:これは僕がいつも言っていることなのですが、『2・6・2』が大切であるという事です。

坂本:???

栗本:働きアリの法則とも言われるものですが、“優秀な2割、凡庸な6割、上手く行っていない2割”に世の中の構成が分かれているという話です。

坂本:なるほど??

栗本:この法則自体はあまり信憑性があるものでもありません。ただ、何が重要かというと、上位2割が存在するという事なのです。僕が現役の生徒会長だった際に、他校の取り組みを沢山目にしました。それらの取り組みは決して同じカテゴリに分類できないものでしたが、とりあえず凄いな、というものも多くありました。コンテストは「とりあえず凄いな」という生徒会・生徒会団体の取り組みに関して表彰しましょう、そして生徒会の先進事例を作りましょうという取り組みです。生徒会の取り組みに光が当てられることは余りないことなので。

坂本:上位2割の取り組みを明らかにしましょうという事ですか?

栗本:そうです。先進事例を明らかにしていくことで、他校生徒会を刺激し、日本全国の生徒会活動を活性化していく狙いがあります。更に言えば生徒会に関わる高校生が褒められる賞を作りたかったのもありますね。

坂本:褒められる賞…?

栗本:生徒会役員OBの立場で言うのも変な話ですけれども、生徒会本部が行っている仕事って実は大変なんですよ。学校によって広報が上手くいっている学校、いっていない学校ありますが、基本的に先生と生徒の“板挟み”になって辛い思いをすることは多々あります。

坂本:生徒からしてみても、何かやってくれるんじゃないかと期待している部分もありませものね。

栗本:だからこそ、頑張っている生徒会を第三者が評価するシステムを作りたかった訳です。自分たちで「頑張っています」と言った所で、説得力の欠片もないですよね。本当に頑張っている生徒会はきちんと第三者として評価する事が出来る賞になればと思っています。

坂本:学校と連携した企画の開催というとどういうことですか?

栗本:これは支援協会としても課題としている部分なのですが、学校と連携をした企画の実施、という事がまだ余り出来ていません。もちろん、学校の先生の中には私たちが持っているビジョンに共感してくださる方は多いんですね。僕自身、これまで自校含め、多くの先生方にお会いしてきましたが、大抵の方は「生徒会いいよね」とおっしゃいます。ただ、多くの学校は、学校組織に外部の人間が入るのに物凄く厳しいですよね。だから、先生も共感してくれている、生徒会役員も共感してくれている、ただ学校の制度的に…という問題があります。

坂本:硬直的、なんですね。固い感じなのはなんとなく分かります。

栗本:ただ、現在いくつかの学校で学校内での企画実施に向けて調整をしています。8月下旬には都内の高校で実施が決まっています。

坂本:それは良かった、やるからには現場の高校生まで下ろしたいですよね。

栗本:まだまだ生徒会を外部からサポートする事へのご理解を頂けていないのが現状です。

坂本:それでも外部からのサポートが必要だ、と?

栗本:高校生とは言え、生徒会が扱う金額や業務内容は社会人顔負けの部分があります。そういった部分のノウハウであったり、考え方であったりというものを外から上手にサポートできればベストだと思います。生徒会役員の任期は原則1年、学校によっては半年という学校もあります。その中でルーティンワークや学校から依頼された仕事に加えて何か成果を出すというのは至難の技です。任期も短いですから「当たって砕けろ」の様になってしまう事がある。だからこそ外からノウハウの部分をサポートして、少しでも現場負担を軽くし、上手く生徒会が回るようになってくれれば良いのかな、と。何より生徒会役員の為にも、生徒会会員である生徒の為にもなりますからね。

坂本:最後はやっぱり生徒の為、なんですね。

栗本:それはもちろんです。

坂本:栗本さんが生徒会にこだわるのには何か理由があるんですか?

栗本:まあ基本的には生徒会が好きなんでしょうね笑 一方で、日本全国には5,000校を越える高校がありますが、それらのほとんどに生徒会や類似する組織が存在しています。一から制度設計をしなくても、基盤となる制度がある、後はそれをどう動かしていくか、という部分ですね。その方法を探ることができれば、とてつもない可能性があるからこそ、生徒会にこだわっています。

坂本:思いが伝わってきます。栗本さんは今後、生徒会に関してどのような活動をされていくのですか?

栗本:実は今、複数の地方議員の方から生徒会活性化に関するお話を頂いています。「次の一手は生徒会だと考えている」ということで、例えば地域の教育委員会主催の生徒会サミットが開催できないか、生徒会サミットに予算を付け、地方自治の一端を担ってもらうことができないか等、構想を練っている所です。

坂本:地方自治にも、生徒会なんですね。地方創生にも繋がりそうです。

栗本:鋭い!例えば地方創生であったり、グローバル人材の育成であったりが話題ですが、そのような分野においても“生徒会”という枠組みは活きてくると考えています。グローバル関連ですと、先日『純粋学』という台湾の生徒会団体とも連携を取っていて、年度末には台湾から数名が来日されます。

坂本:世界中に生徒会があるんですね…。

栗本:可能性を感じるでしょ?笑 グローカル、なんて単語が流行っていましたが、生徒会はグローバルな視点から自校の生徒について考えることが出来る枠組みでもあるんですよ。
話を元に戻すと、僕自身は現役のサポートはもちろんのこと、生徒会の可能性を探っていくことができればと考えています。

坂本:支援協会の活動に興味がある、という方がいたとしたら…?

栗本:もちろん大歓迎です、是非一度お話を聞かせてください。運営委員という制度であれば、より気軽に支援協会の活動に参加して頂けますよ。

坂本:面白そうです、ぜひ興味がある方は支援協会のホームページhttps://seitokai.jp/ の問い合わせフォームに連絡してみて下さい!最後に何かありますか?

栗本:生徒会というと固い、つまらなさそうなどといった印象を持たれている方も多いと思います。しかし面白くしようと思えばいくらでも面白く出来る、それが生徒会です。何か分からないことがあれば気軽に連絡してください!

坂本:ありがとうございました!


インタビューイー情報
栗本 拓幸(くりもと・ひろゆき)
1999年東京都生まれ。一般社団法人生徒会活動支援協会理事として生徒会発展を目指し活動中。ほか、特定非営利活動法人Rights理事、一般財団法人国際交流機構理事を務める。
Facebook: http://fb.me/hiroyuki.kurimoto.988

この様な取り組みは先例はあるものの、今回の「校外プログラム大全」に関してはそのクオリティ・情報量共に段違いのレベルである様に感じる。生徒会活動支援協会としても、一個人としても、今後継続的に「校外プログラム大全」が発展していくことを心より期待している。

投稿者プロフィール

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栗本 拓幸
1999年生まれ、東京都出身。浅野高校卒、慶應義塾大学総合政策学部在学。統治機構改革、若者の政治参画、憲法改正などが主たる研究・関心領域。他、キャリアに関する授業登壇、AO入試対策など多数。Podcast「この○○の片隅から」配信。2019年度限りで理事を辞任。