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高生連が10周年記念祭でパネルディスカッションを開催


12月18日、世田谷学園中学・高等学校(東京・世田谷)において、「首都圏高等学校生徒会連盟(高生連) 10周年記念祭」が開催された。今回のイベントでは、10周年事業としての新しいロゴマークの発表や、記念のパネルディスカッションが開催され、首都圏地域の中学生・高校生40名が集まり、議論した。

パネルディスカッションでは、芳賀達也氏(初代代表/早稲田実業学校出身)と猪股大輝氏(7・8代代表/桐朋高等学校出身)と現代表の都丸穣さん(保善・高2)の3名が登壇してディスカッションが行われた。本記事では、その内容を抜粋して掲載する。

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都丸)団体設立のきっかけとなった理由を教えてください。

芳賀)2003年に首都圏中学校生徒会連盟(現在の首都圏中学校生徒会連盟懇談会)を設立、その流れで2005年に団体を設立しました。設立時は、5校が参加する形でキックオフ。きっかけという点においては、団体への参加を個人参加という形ではなく、加盟校という形で、顧問が参加を承認する形にしたかったということが理由です。当時を思い出すと、全国各地にいろいろな団体があり、現在も生徒協議会などは残っていますね。

都丸)2年間代表でいらっしゃということですが、団体が拡大した要因をどのように考えていらっしゃいますか。

猪股)首都圏中学校生徒会連盟の代表もやっていたこともあり、そのまま代表をやる運びとなりました。当時は20人前後が参加して運営を進めていました。当時は、加盟校から2000円の連盟費をいただいて、連絡も郵送を用いて1週間前に資料送付をしていました。当時、携帯電話を一般の中高生が持ち始めて、SNSサービスが浸透し始めたころ。郵送制度を廃止して、スマートフォンが普及したこともあり、SNSをツールに広報活動を始めていきました。
細かいところでは、配布資料のフォーマットを統一することや、1週間前には資料配布して事前に確認してもらう制度、団体の規約を整理して団体の概要をわかりやすくすること、会の後には1週間以内に議事録を作成する、そのようなことを地道にやりながら、SNSを駆使しながら活動を広げていった。また、様々な高校生のイベントに自ら出向いて、どの団体にも参加したことがない学校に参加を呼び掛けていった。

都丸)様々な団体があるのにもかかわらず、多くの団体と共同開催となった生徒会大会を始めるきっかけとなった理由はあったのですか。

猪股)理由は簡単で「首都圏」といいながら、神奈川県生徒会会議・多摩生徒会協議会・高校生徒会懇談会など様々な団体があった。実際に首都圏高等学校生徒会連盟と首都圏中学校生徒会連盟との合同で連盟会を開催していました。今回(2011年)も開催するのならば、首都圏の団体に参加している皆さんも呼ぼう、ということになり運営メンバーに加入してもらったのがはじまり。初回の生徒会大会には、120名程度が集まりました。その際にモデルにしたのは、2009年から始まった生徒シンポジウムをロールモデルとして見ていました。

都丸)内務活動でどんなことをやっていたのでしょうか。

芳賀)早稲田実業学校で、中学と高校の生徒会が別々な組織体となっていた。ただし、部活動も学校のカリキュラム自体も中高一体となっていた。つまり、引き継ぎも活動も大変やりにくい状況でした。そこで、40年ぶりに校則の改正に踏み切ることにした。ただ、教員からは抵抗も大きく、とても大変だった記憶があります。中学3年の時に提案して、高校2年の時に生徒会組織の中高統合して一つの組織体にすることができた。
具体的には、中学・高校統一選挙を開始、つまりだれでも立候補ができるようになった。組織体系も変更し、中学校から4名、高等学校から4名の副会長8名の体制を構築。中学1年から参加できるシステムにして長期間活動ができることが利点でした。外務活動でほかの学校の規約を参考にさせていただきながら、他はこうなっているのでうちもこうしましょうという形がとれたことが一番の成果だと思う。

猪股)当時、新校舎への建て替えに伴って、食堂の業者切り替えが行われたのですが、提供時間・量も含めてサービスがとても悪かったことが問題視されていました。それに伴って、アンケートを全生徒に配布して、評価する仕組みを導入しました。また、消費税の8%へ増税に伴って、生徒会費の増額を図ることもできました。生徒会の内規を整理し、改正することによって、運営の改善を行ったことも記憶に残っています。

都丸)内務活動と外務活動の両立の工夫はあるか。

猪股)手際の良さをどう求めていくかが自分のテーマでした。なるべく事前準備にかける時間を少なくし、内務活動に時間を費やすことが重要でした。なるべく、情報をダイレクトに共有できるようにしてきた。

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都丸)最後にメッセージをお願いいたします。

芳賀)安定感を持って活動している団体はそこまで多くないように思うので、議論を持って帰ってもらえるような取り組みをしてほしい。

猪股)この議論が、何が役に立つかを考えながら活動してほしいと思います。学校が抱えている、本当の悩み事を持ってきてもらって、質問を出してもらえるような雰囲気をお互いに作ってほしい。桐朋高校では、180ページの記録と引継ぎを兼ねた資料を毎年作っていて、記録を残している。
そして、生徒会を引退した後に考えてほしいのは生徒会の活動体験はなんだったのかを体系的に考えてほしい。例えば、文部科学省が配布している、指導要領を読んでみる。生徒会は「特別活動」という科目に割り振られていることなんて、多くの方が知らないことだと思います。つまり、大人が考えていることをのぞいてみるということですね。

都丸)本日はありがとうございました。

【文・写真】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長

投稿者プロフィール

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荒井 翔平
1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会代表理事、一般財団法人国際交流機構理事、私立大学環境保全協議会運営委員などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。