生徒会.jp
  1. TOP
  2. 記事
  3. トピックス
  4. “らしさ”を追求する。:神奈川会議第31回生徒会会議

“らしさ”を追求する。:神奈川会議第31回生徒会会議


4月30日、神奈川県高校生徒会会議(KS)主催の第31回生徒会会議が平沼記念レストハウス(神奈川・横浜中区)で開催された。神奈川県高校生徒会会議は2009年に発足した団体であり、神奈川県下の生徒会役員を中心としたディスカッションイベントなどを定期的に開催している。

今回の第31回生徒会会議は年度が変わってから初めて実施されたイベントであり、新体制の下運営された。会の冒頭、今年度代表に就任した千島洸太さん(獨協・高2)から挨拶があり、続いて今回会議のプログラムが発表された。第31回生徒会会議は午前と午後の二部制で、午前は役職ごとにグループを分け、意見交換を行う企画、午後は全体を4つの班に分け、班ごとで「生徒会と部活動の付き合い方」をテーマとした”企画づくり”を行う企画となっていた。

午後の企画は、KS学園という架空の学校を舞台にし、運営側から提示された参考資料を基に各班が工夫を凝らした企画を立案し、プレゼンテーションを行った。

プレゼンのスライド例: https://www.slideshare.net/secret/dzroqjjz5qvyFQ

参加者の西田さん(サレジオ・高2)は前日に開催された第7回集まれ文実でこの会を知り参加を決めたと言う。「狭い世界にいた事を実感した。自分の学校で当たり前だったことが他校では当たり前でない、その逆もあり、とても新鮮だった」と話す。自校の生徒会では会長を務める西田さんは特に午前企画で『生徒会長としてなすべきこと』を話し合うことが出来たことが何より有意義だったそうだ。

同じく参加者の平野慎之介さん(浅野・中3)は1月に開催された第29回生徒会会議がきっかけで今回第31回会議にも参加した。「普段の学校生活では接さない他校の人と話すことが出来る、この事が楽しい。もっと多くの人と(生徒会に関する)話をしてみたい」

運営側にも話を聞いた。今回会議が初めてのファシリテーター経験だったという宮原知哉さん(浅野・中3)は今後に繋がる多くの事を得ることが出来たという。「先輩に誘われたことがきっかけで入った団体。ただそれでも参加者として参加することとファシリテーターとして参加することが全く違うという事を実感した」今後の抱負を尋ねると「今日頂いた多くのアドバイスを活かして『神奈川といえばKS』と言われるような団体を作っていきたい」と語ってくれた。

神奈川県高校生徒会会議役員として運営に携わり、ファシリテーターも務めた橋本菜央さん(横浜雙葉・高2)は午前企画で副会長議題を担当した。「副会長という微妙な立場をどう伝えるかに苦心した。」その上で「(副会長は)細かい明示された仕事がない。企画等々を自由にやれるということをあらためてできるということを再確認した。自校でもそのように伝えたい。」と話す。

役員である山田美遊さん(成立・高2)と岡崎七海さん(横浜女学院・高2)にも話を聞いた。神奈川県高校生徒会会議(KS)の良い所は、という問いに対して山田さんは「アットホームに議論に臨めるこの環境」、岡崎さんは「(KSでは特に)価値観の違いに気付かされることが多い事」と言う。午後の企画でプレゼンテーションを行った際に如実に実感したそうだ。「企画案に自主退職システムを盛り込んだ。決してウケを狙った訳ではなかったが、会場では笑いが起き、価値観の違いを知った」

最後に参加者が神奈川県外からも増えていることに関しても尋ねてみた。東京都内在学の山田さんは「お金を払ってでも行く価値がある」と断言する。「(他団体では)アバウトな議題が多い中、KSでは具体的な問題に関して議論が出来る。この様に具体案を話し合う会議を今後も開催していきたい。」

首都圏に存在する生徒会団体の中でも異彩を放つ神奈川県高校生徒会会議。今後も活動に注目していきたい。

【文】栗本 拓幸/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事
【写真】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長

投稿者プロフィール

アバター画像
栗本 拓幸
1999年生まれ、東京都出身。浅野高校卒、慶應義塾大学総合政策学部在学。統治機構改革、若者の政治参画、憲法改正などが主たる研究・関心領域。他、キャリアに関する授業登壇、AO入試対策など多数。Podcast「この○○の片隅から」配信。2019年度限りで理事を辞任。