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“2020”の先を見据えた議論をはじめる:生徒シンポジウム2018


4月29日、成城中学・高等学校(東京・新宿)で「生徒シンポジウム2018(主催:生徒シンポジウム2018実行委員会/協力:一般社団法人生徒会活動支援協会)」が開催された。このイベントは、2009年から毎年継続して開催されており、高校生が生徒会に限らずさまざまな属性を持って議論に参加し、自分の社会的意識を向上することを目的に企画されている。今回のシンポジウムは、目前に迫った「東京2020」の先を見据えて議論することを捉え、“漕ぎだそう、私たちの未来 ~2020のその先へ~”をテーマとし、首都圏地域に限らず全国から82名の中学生・高校生が参加した。

初めに行われた開会式では実行委員長を務めた、森下亜子さん(桐光学園・高3)が挨拶した。「記念すべき10回目の開催となった。東京2020大会の議論は、様々なところで開催されているが、その先までを範囲とした企画はまだ少ない。今回のシンポジウムでは、その点も見据えていきたい。」と、シンポジウムに対する意気込みを話した。

参加者は6つの議題に分かれて議論が展開された。その中の1グループ、日笠裕貴さん(本郷学園・高2/写真)が議長を務めた「Culture’s Consequences:文化の違いはどうして生まれるの?」では、様々な価値観の違いから、どのような関係性を見出すことが出来るのかを考えたという。実際に価値観の違いを「権力格差」「宗教文化」「女性・男性」「個人と集団主義」「不確実性の回避」という5つのテーマから考えたという。

また、その後は全員が参加する形で議論が展開された。「高校生の時にバイトは要るか否か」をテーマに、将来社会において各々の理想的なお金の稼ぎ方を実現する為の一つの手段として『アルバイト』は高校生の時点で要るのかという点を主軸に置き、いくつかのターンが設けられた。中でも、「お金を稼ぐことが意味すること」を議論したターンでは、貨幣経済の歴史的観点からの意見や、人生の時間を売ることだという意見、新たな生存競争である、といった興味深い意見も多く挙げられた。最終的に、理想のお金の稼ぎ方(働き方)を実現するにあたり、「高校生の時点から取り組むべきことは何か」という問いに対し、多くの人が優先的に、社会進出に要する知識を体得するべきという意見を出し、アルバイトという手段は少数となった。傾向として、社会経験の方法としてアルバイトという選択はあるものの、優先されるものではなく、必ずしも要るものではないことが見て取れた。

社会進出にあたり必要な知識の中に英語を習得するという意見が多く挙がった。今の高校生は、世の中のグローバル化を捉えながら、各々がこれからの人生を考えているようである。なお、今回の議論内容については、後日生徒シンポジウムのウェブサイトやSNSなどで配信され、閲覧できるようになるとのことだ。

【文・集合写真】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長
【写真】栗本 拓幸/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事

投稿者プロフィール

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荒井 翔平
1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会代表理事、一般財団法人国際交流機構理事、私立大学環境保全協議会運営委員などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。