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我々が“今”出来ること:第1回ISCO討論会


9月24日、成城高等学校(東京・新宿)にて第1回ISCO(国際生徒会機構)討論会が開催され、運営を含め中高生39人が参加した。テーマは「意識改革~今のグローバル社会を生き抜くには」。

国境なき医師団日本の広報部であるベヒシュタイン紗良さん(写真)が、国境なき医師団の活動、世界の医療問題について基調講演を行い、その後“医療・教育・性差別・貧困”の4つのテーマに分かれたグループディスカッションを行った。そして、4名の参加者になぜそのテーマを選んだのか、討論を終えて自分の考えはどうなったのかインタビューを行った。

小林大晟さん(成城・高1/写真)「医療的な知識はあまりないけれども、国際的な命の問題に関して興味があり、医療のテーマを選びました。参加してみて、自分の意識の足りなさに驚きました。今までもたくさんのボランティアなどに参加してきたのですが、具体的に命の問題は考えられていなかったので、積極的にボランティアに参加することや、他の人たちの意識も変えていけたらいいなと思いました。学校で企画委員という企画専門の委員会に入っているので、そこから自校の生徒たちにも知ってもらうことができるのではないかと考えています。」

藤本悟史さん(慶應義塾・高1/写真)「一番身近なトピックだと思ったことと、中学校での3年間、インターナショナルバカロレア(IB)教育というものを受けてきたこと、高校に入って日本の教育を受けてきて、教育には多くの種類があると思ったため、教育のテーマを選びました。今までは自分の教育のことしか考えていなかったので、貧困層・他国の教育を意識することになりました。貧困層となると、普通の教育だけでなく、最低限の教育を受けられないこともあります。お金を稼ぐためにも、教育は必要です。そういうことを考え、教育支援をしていかなければならない。」

田中厚好さん(逗子開成・高2/写真)「学校で模擬国連という活動を行っていて、先日、性差別の問題を取り扱い、この問題に少しだけ詳しくなっていました。今回の討論会でより理解を深められたらと思い、性差別のテーマを選びました。普段、生徒会で国際問題を扱わないため、学生たちがどのような視点で国際問題を考えているのか学ぶことができました。結論は、討論会前の私が持っていた意見とは違い、内発的な意識の向上、具体的な行動以前に意識改革が大切であるということになりました。これからは、意識の向上を念頭に置いて生徒会活動を行っていきたい。」

鶴谷陵さん(文化学園大学杉並・高1/写真)「貧困は教育問題、児童労働問題、地理的な問題などの様々なテーマに関係が深いので、他のテーマに関しても理解が深められると思ったため、貧困のテーマを選びました。もともと私は世界の貧困問題をより優先して解決していかなくてはという心持ちはあったものの、その意識は自分だけに留まっていました。この討論を終え、自らが啓発活動を行い、多くの人々にその意識をより深くもってもらいたい。」

この討論会の主催者で、事務総長である小倉琳さん(成城・高2/写真)は討論会を終え、「普段の生徒会活動から貧困問題に関わっていて、もとからこういうテーマに興味がありました。この団体の最初の目標は海外の人と連絡を取って国外の状況を知るということだったのですが、それを達成するには、まずは日本国内のことから考えるべきだということに気づき、この会を開催しました。開催してみると、様々な学校から多くの参加者にお越しいただきました。テーマが難しいので話し合うことが難しいと思っていたのですが、それぞれの議長からは『うまくいかない点もあったけれど、もともと関心があった人たちの集まりであったのでたくさん話ができた』と聞き、嬉しかったです。これから第2回の開催や海外との電話会談とかもあるので、いい基準づくりができたのではないか」と語った。

【文・写真】酒井 美希/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事

投稿者プロフィール

酒井 美希
酒井 美希
1999年東京都生まれ。2016・2017年度に一般社団法人生徒会活動支援協会理事を務めた(任期満了)。私立拓殖大学第一高等学校卒業。東京医療保健大学医療保健学部看護学科在学。高校時代に多摩生徒会協議会第8期議長を務めると同時に、2017年に開催された「第1回日本生徒会」において実行委員も務めた。