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生徒会の在り方について、これからを考える:生徒会大会2018


12月26日、成城高等学校(東京・新宿)にて生徒会大会2018(首都圏高等学校生徒会連盟 主催、関西生徒会連盟 協力)が開催された。今回のイベントは前回同様関東地域以外からの参加もあり、関西生徒会連盟からも数名参加した。議題は会長・副会長・内務・広報・外務・文化祭の役職ごとに6分類、合計10議題が用意され、普段の定例会とは違った視点の意見交換を目的に企画された。それぞれの議題進行には議長の個性が随所に発揮され、ディベート形式で行っているところもあり、自分の意見を発信する場が設けられている印象であった。

議題リスト(順不同)

  • 会長議題
    • 生徒会は生徒の代表として機能しているのか
    • 役員内での不穏を無くそう
    • 現代における理想のリーダーシップ
  • 副会長議題
    • 十人十色の存在
    • 向日葵へ
  • 内務議題
    • 理想の生徒会のあり方を考える
  • 広報議題
    • 理想の広報とは?
  • 外務議題
    • あなたは外務に何を望みますか?
    • なぜ連盟に参加していますか? 還元の実践方法を通して
  • 文化祭議題
    • 高校の文化祭とはなんだろうか

議論報告

会長議題「生徒会は生徒の代表として機能しているのか」では、はじめに生徒会が生徒の代表であることを確認した。ただし、生徒会は生徒の模範である必要はないが、模範的なことをしなければ生徒の意識が遠のいてしまう。そのために生徒会役員は自覚をもって行動する必要がある。また、生徒会が無くなっても学校行事などの運営が行える、すなわち生徒会組織の存在なしに機能する学校は「生徒会」の存在意義を失っていることになる。自分たちが実際にすべきことは委員会や人をハブとしてつなぐことや、生徒会がそれらの中心としていることである。

副会長議題「十人十色の存在」では、客観的に見て副会長という役職は責任などに縛られにくい傾向があり、指示が出せることから比較的自由に行動できるからこそ、色々な存在として役目を全うできると考えた。副会長は行動に移す力、冷静な判断能力を持つことにより適切に会長を補佐することができる。また、視野の広さ、聞き上手、話し上手という力も相手の意見などを聞き取り、うまく伝えることで各役員とのコミュニケーションをはかり親しみやすさを持ち、会長とつなげる役割を果たす。これらを実行することにより生徒会組織がまとまりやすくなると共に、運営が容易となる。したがって、多様な意見を生徒から受け取り、様々な意見にかかわることで生徒と生徒会の間に信頼関係を築くきっかけになる。その結果、より良い学校環境を築けるとの意見が出た。

他議題でもリーダーシップについて考え、リード力、交渉説得力、広い心と人望、マネジメント能力、自信とオーラ、見た目、だれに対しても平等に接するなど、自分が行動する力から、部下の相談、自信を出させるなど、相手の力を引き出すことので各々のやるべきことを明確にした。

参加してみて

大浦理愛さん(自修館中等教育学校・4年(高1))に今回参加の理由を聞いてみたところ、「様々な討論会議に参加させてもらっていて後輩への継ぎのために参加した。定例会とは違い、多くの人と関われる場であり、関西の方の意見も聞くことができたため、生徒会活動をより深くどのようにしていこうかを考えることができた」と話す。また今後、学校で今回の議論をどう生かしていくかと尋ねると「今までやっていなかった行事や、面白いものがあったので校長先生などと積極的に話し合っていきたい」と話した。

杉本修嗣さん(高槻・高2)は、全国高校生徒会大会で議長を務める予定があり、その勉強のため、さらには3月の任期満了までに自分の中で一回整理をつけるとともに後輩のレベルアップのために参加した。また、首都圏の連盟会に参加したことがなかったということも、今回参加した大きな理由。前回の生徒会大会よりも人数が少なかったがその分濃い議論となり、ディベートを行うことができた。普段ディベートをする機会は少ないが、プロセスなどを再確認することができ、自分の意見を口に出すことができた。今回のことを自校に持ち帰り、これからの短い3か月間ではあるが最大限自分のできることをやっていきたいと話した。

書記として参加した、小西姫奈さん(東京都立三鷹中等教育学校・3年)に参加した理由を聞いてみた。この会のことを前から知っており、前回の生徒会大会が初めての外務活動参加であり、多くのことを学べたこともあり、2018年も参加してみたかったと話す。今回参加して、最近の生徒会団体は目的意識が明確になっておらず、「議題ありきの団体」ではなく「団体ありきの議題」になっていて最近の生徒会団体のマンネリ化が多くなっているが、目的を持って、自分のやりたいことができる団体に入ることが重要であると結論づけた。そこで今、外部で活動している団体で話し合うだけでなく、実行できるようにしていくべきだと考える。今のマンネリ化によって無尽蔵に団体ができているのではないかと考え、意欲が無くなったり、目的意識がないのにやることが目的になったりしている現状を解決していきたいと話す。

最後に

今回のイベントを開き参加者は前回大会に対して少なかったものの、多くの得るべきものがあったようだ。例えば生徒会組織のあるべき姿や、目標の再確認、役職ごとの仕事の明確化などがある。今回は関西からの参加もあり、地域間での交流や意見交換がなされた。首都圏においては、他地域との交流をする機会は少ないので、貴重な経験にもなったのではないだろうか。また、今回の経験を自校に持ち帰り、これからの生徒会生活に活かし、さらなる発展につなげていきたいところだ。任期が満了となった、もしくは任期満了まで残り僅かの役員は経験と知識を後輩に引き継いでいってほしい。今回、企画し実行に移してきた運営の方々には参加者が討論しやすいよう工夫する点が随所に見られた。参加者が持ち帰るポイントとして運営方法などを改善することによりさらなる発展が望めるだろう。

【文】飯塚 一輝/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員
【写真】千島 洸太/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員

投稿者プロフィール

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飯塚 一輝
2001年東京都生まれ。一般社団法人生徒会活動支援協会運営委員。東海大学菅生高等学校在籍。現在、生徒会長の任期中。2018年度多摩生徒会協議会広報担当。