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新春特別鼎談「生徒会×お金」第2回



生徒会.jpの新年特別企画として『新春特別鼎談「生徒会×お金」』を執り行いました。今回の鼎談は話が盛りだくさんだったため、3回に分けてお送りしています。まずは第1回よりご覧ください!


出演者プロフィール

現役高校生

井村 大希
立教池袋高等学校2年。
学校生徒会執行部では企画部長を勤める。
校外では、ISCO(国際生徒会機構)の渉外局長や、各種生徒会団体のイベントの議長として活動している。
好きな作家:村上春樹(作品の世界観が読了後に残す不思議な違和感が好き)

橋本 彩夏
青山学院高等部3年。
学内では2018年度の文化祭実行委員長を務める。
校外では、首都圏高等学校生徒会連盟、ISCO、生徒シンポジウムにて運営として活動を行う。
好きな戦国武将:直江兼続(自身の精神を素直に出しているところがすごく好き)
好きな歴史的偉人:源頼朝(戦い方が好き)

勝又 一照
本郷高校2年。
2018年11月で生徒会役員の任期を満了。
校外で、首都圏高等学校生徒会連盟と生徒シンポジウムにて運営として活動している。
好きな文化:韓国文化(ファッションや食、アイドルなど様々な分野に関心を持つ)

支援協会スタッフ

司会:荒井翔平(一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長)
コメンテーター:楠瀨 千尋千島 洸太(一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員)


生徒会活動予算の決定方法

(第1回からの続き…)
荒井:事務費だったり備品費だったり、お金の動きは多いですね。年間の使用頻度が高いものにお金がかかっているのだろうなぁという印象がありますね。皆さん、ありがとうございます。それで、先にも予算の決定法について少し触れてもらったんですけれども、例えば部活動だったりとか文化祭実行委員会だとかいうところのお金の決め方は如何でしょうか?これまでの話だと完全に先生方に拠っているような印象を受けたのですが。予算全体のみならず中身の決め方についても如何でしょうか??井村さんの学校は100万円を完全に自分たちで自由に使って良いという話でしたが、その使い方はどのように決めているのでしょうか。執行部メンバーの中で相談して決めているのか、それとも誰かが「これやるぞー!」という感じで決めるているのか。

井村:週に1回の定例会があるので 就任するに際して生徒会長が掲げる公約がお金に関するものであったとき、まずその公約に即してどのように使っていくのかを執行部役員で話し合います。そこで決まった必要な額を会計が先生に提示し、交渉してお金を頂くという形です。

荒井:部活動や文実に関しては予算の枠組みを決めているのは先生なのでしょうか。情報として入ってきているのであればどうかなぁと。

井村:文化祭費は例年足りないということでもう少し増やしたいという話もあがってきています。しかし生徒会は企画をしなければ毎年6万円くらいしか使わないんですよ。備品だけなので。毎年94万くらいあまるんですけど、だからその余りを文化祭費に移行してほしいという声もあります。だからこのへんはあと何年かすれば変わらないかもしれないし変わるかもしれないです。

荒井:橋本さんの学校はどうですか。

橋本:私の学校もほぼ同じ例年通りという感じで毎年やっていて、生徒会費とかクラブの予算とか文実のお金も毎年大体全部同じ問い風に決まっているので、引き継ぎを受けた時にこれがいくらだよと聞いて使う感じになっています。クラブの予算に関しては、部長物申したいというようなことがあればそれを生徒会役員に言ってくれたら会計委員の人から先生に話してそこからお金が調整されたりします。意見を言っても先生が決める形になっています。あまり生徒会だからと言って生徒がお金を触れるような感じではないですね。

千島:何か物申したいという時は、生徒会の役員に相談するというよりも、顧問に直接言って調整してくれという感じですか?

橋本:明確に規定というものはありませんが、大体の場合、クラブの人は「去年ここの費用が足りなかったからこうして欲しいです」などと話して不足物の購入依頼を会計委員長や顧問の先生にしている状況です。また、生徒総会でも意見を聞く場はあります。

荒井:そのような場で手が挙がることは多いですか?

橋本:あまりないです。なので基本的には生徒会ではなく部活の顧問を通して意見が届けられるようになっています。生徒会は会計担当者がお金に関わっていますが、そのほかの人はクラブ予算なども含めて全く関わっていません。

千島:予算の編成について、生徒はある程度満足している状況なのでしょうかね。

楠瀬:部活動の予算も、年度ごとに定めなおすというよりは何かあれば変えていく流れなのでしょうか。

橋本:そうですね。例年広報誌を作っていますが、その際予算の変更希望があるか尋ねても全く反応はありません。

千島:ある学校では通常予算ではなく、生徒会執行部が50万円以内という範囲内で特別予算を組んでいるという例もあります。予算折衝の実施はもちろんですが、加えて判断基準の1つとして設けられていたのは、申請クラブに対し、例年行われるクラブの部室検査(適正に部室が使われているかどうかの検査)時の評価が加味されるというもので、絶対ではありませんが、評価が優良だったクラブから優先的に特別予算を配分していくという形です。

楠瀨 千尋 運営委員

楠瀬:毎年予算金額が変わっていく学校では、その差額について生徒総会で意見を出されることもありますよね。予算折衝を行うかどうか、国公私立で違ってくるのかもしれないですね。

勝又:うちの学校は部活動が盛んでクレームが飛んでくることがあります。ラグビー部は今年度全国大会まで行ったので、強化の為にもっと部費がほしいという要望が来ましたが、その類の要望に対する判断は先生でなければできないというのが現状です。クレームを裁くのは先生で、生徒会的には例年の生徒会予算で出すしかありません。ところで、生徒総会で生徒が積極的に意見するイメージがないのですが、それはどこの学校も一緒ですか?

橋本:意見を述べる人の方が少ないですね。

井村:質疑応答の時間を設けると3~4人くらいが出てきてふざけて終わる感じですね。

千島:僕の学校は、前もって学級委員に意見を集約してもらい、答弁書を作成していました。最後は投票をしてその場で開票する流れでしたね。

楠瀬:私のところも同じ感じでした。

橋本:異論がなければその場で拍手でした。結構曖昧なやり方ですね。

千島:デジタル騒音計などで測らないと正確には判定できないですね…笑

橋本:投票となれば関わっている感が生まれると思いますが、拍手となると同調圧力がかかると思います。

楠瀬:周りがしていないと、ちょっと・・・というのはありそうですね。

井村:そもそも、うちの学校には執行部が出した予算案の採決を採るような場がありません。質疑応答の場は別にはありますが、予算は全く変わりません。総会では決算の承認だけが行われて終わります。

橋本:最近、拍手による承認はどうなんだ?という話もあり、反対の人に起立してもらうことになりました。各クラス1名くらいは起立するので、クラス運営の人がそれをカウントして賛否を確認しています。

千島:逆に賛成が起立しても面白いかもしれませんね(笑)。ただ、人数を数えるのであれば、正確にカウントは難しくなるけど…。

楠瀬:私の出身校では賛成と反対が両方起立していました。賛成はやはり雑木林のようになりましたが、反対はあまりいませんでした。予算折衝を事前に行っているので基本的には反対されることはないのですが、予算折衝の際に同種目の男女別クラブの予算折衝の内容が異なっていると、その不平等性に対してクラブの会員全員が反対に立つことはありました。それでも、それは意思表示のレベルでしかなく、予算決定に対する強い効力を持つことはありませんでした。

生徒の生徒会予算への関心度合い

千島:予算の内訳が先生たちの中で毎年ある程度定められた上で、それを先生から生徒へ提示する形だと、生徒にとっては「どうせ金額も例年通り大きく特に変動しない」などと、予算に対して関心が十分に湧かない中で予算案が流れて通ってしまうのかなという印象がありますね…。

荒井:当事者意識が持てている学校とそうでない学校とで対応の違いはありますけどね。

千島:予算が提示されても結局「ああ、例年通りね」と簡単に話が終わってしまうという状況は、予算についての議論の余地というものが無い、そもそも議論生む環境が存在していない点が課題に挙がるのでは無いかと思います。やはり生徒の意見が反映されているものかと言われると、難しいものがあるのかなと。

荒井:確かに。その中で予算を決めていくにあたって、「駆け引き」みたいな要素が無いような印象だったのですが、お三方ははっきり思うところはありますか?

井村:多分、本当に生徒は予算に関して興味がないというか、部活同士ですら顧問の先生もどのようにお金が出ているのかも知らないし、賛成反対が通らなくても全員が納得しているので、もはや賛成反対という概念は無いのかなと思います。生徒会執行部予算として割り当てられた100万のうちの4万ほどしか使わないので、足りないと思ったことはなく、現状に満足している感じだと思います。

千島:橋本さんの学校もそういう感じでしょうか…?

橋本:私の学校もそんなに不満がある人はいない印象です。生徒会や文化祭の予算に関しても、足りなくて困ったことはないので大丈夫だと当時の文化祭実行委員会側は思っている矢先、各クラス(文化祭で各クラス単位で出し物をするとのこと)に割り当てられる予算が少なくクラスは切羽詰まっているということを聞くのですが、毎年上手く抑えています(笑)部活予算に関しても特に大きな変動はなく、頻繁に改善の要望が出ているわけではないですね。

荒井:勝又さんどうですか。部活に大半もってかれてしまっているという話がありましたが。

勝又:生徒からの不満は多いですね。運動部に予算分配が偏ってしまうところがあったので、予算の可決を行なった生徒総会の半年後に文化部から「なぜ運動部予算の占める割合が高いのか」という質問が来たのですが、勿論もう変更することはできないので、対応に困ってしまうこともありました…。

千島:生徒の不満の矛先は生徒会なのでしょうか?

勝又:そうですね。顧問の先生に直接言いづらい環境があったので、生徒会に不満がやってくるんです。生徒会は生徒と先生間の中継ぎ的存在として機能している感じですね。

橋本:だから、より不満の矛先が生徒会だと感じるのかもしれませんね。私の学校では予算関係の話は顧問の先生を通して話が行くので、生徒会執行部に不満等がくることはあまりないですね…

千島:不満の矛先によって、生徒の予算に対する認識が見えてきますよね。生徒の不満が先生に向いていれば、先生たちが予算を組み立てているという認識を持っているのだろうし、生徒会執行部に不満を向けているのであれば、生徒会執行部が予算を組み立てているという認識を持っていることになるのかな…?でも勝又くんの学校の場合は不満対応の部署という印象を受けてしまう…苦笑

勝又:生徒から「どうなっているんだ」と言われても、先生が予算の組み立てを行なっているので、生徒会役員に聞かれても適切に答えることはできないのが実態です…。あと、顧問の先生同士の連携もあまりうまくいっていないという話もあるようで…。

橋本:私の学校は以前意見箱を設置していたのですが、あまり効果が無く取りやめてしまいました。しかし、それでは良くないので、年に1度「生活懇談会」という、生徒の意見を生徒会執行部が受け付けてとりまとめ、生徒の意見を生徒会執行部が生徒の代表として先生側に質問・提案し、対する回答をいただく対談を行なっています。中で、テニス部が「テニスコートをいくつか増やしてくれ」と設備増強の要望がありました。…まあそれは厳しいですが苦笑

千島:首都高速の上ですもんね(笑)

橋本:そうなんですよ(笑)首都高速のすぐそばに学校が立っていているので厳しいんですよ。他には、グラウンドを芝にして欲しいといった要望も挙がっていたこともありました。「生活懇談会」の場が、現状は唯一生徒の意見を生徒会執行部が聞く場面なのかなと思います。

荒井:なるほど。

橋本:でもそんなに積極的に意見が来るわけではないですね…

荒井:けれども、そのような場は存在しているんですね。井村さんの学校はどうですか?

井村:うちの学校は定期的にアンケートを実施していて、「その他」の項目の中で生徒に何か不満があれば書いてもらうようにはしていますが、実際のところあまり挙がってくるときはないので、生徒の皆さんは現状に満足しているのかなと認識しています。

勝又:僕の学校でも「自動販売機機を増設して欲しい」などといくつか要望は挙がってきていました。その中でも部活関係の話もきていて、内心直接各クラブの顧問の先生に相談して欲しいのですが、きっぱり受け付けないとなると生徒会への信頼の問題にも関わってくるのかなと…、いま話があがった、青学の「生活懇談会」のような機会はうちの学校でもできたらいいなと感じました。青山学院さんは、「生活懇談会」をどのくらいの人数で行われているのですか?

橋本:生徒は20~30人くらい集まります。1年に1回なので、先生もあいていれば全員集まります。先生がもうお金を扱う先生だとかを割り振ってくれていて、生徒の方も1年に1回なので来てねというのを結構宣伝して、不満がある生徒とか色々提案したい生徒とかがそこに来る感じです。意外と面白いです。

生徒会活動の質は「お金」の規模に比例するのか

荒井:お金がある学校だったりお金と生徒会活動の関係性というのはどのように考えますか?比例すると思いますか?例えばお金が100万あるという状況の中で生徒会活動の活動的なクオリティは比例するのか否かというのは直観的にどうですか?

井村:僕は比例しないと思います。うちの学校は活動で使われなかった予備費が年々蓄積されていて、例年生徒会費として使っても、予算が不足するです。しかし、そのお金を使った企画が通らない場合が多いのです。僕の学校の場合、企画立案から実現までの過程がかなり複雑で、最も苦労するのが、生徒部(生徒の学校生活を見守る、一部の教員で組織された部署)を説得しなければならない点です。先生たちからすれば、新しいことに取り掛かるのは手間もかかるだろうし、抵抗もあるでしょうし…。校舎の4階に自動販売機を設置したいと要望を出しても、「化学実験室が近くて飲み物の持ち込みが禁止だから科学の先生が否定的だ」とかで通りにくくて。自分たちが直接先生に説明する場もないんですよ。結局「通さなくても良いんじゃない?」となり実現できず、僕たちにその理由もあまり聞かされず…。理由はわからないけれどとりあえず通らなかったという事実だけを聞かされるんです。

荒井:なるほど。事実だけが降りてくるんですね。

井村:お金があっても企画が通りづらいので、うちの学校で言えばお金の規模は生徒会活動のクオリティにはあまり比例しないかなと思います。

荒井:橋本さんはどう思いますか?

橋本:比例はしないと思います。お金が増えたからと言って生徒会活動が活発になるかと言うとそうではないかなと思います。これは生徒会活動以外のことにも通ずる話なのですが、予算が少なければ少ないほど綿密に順序を立てる一方で、余裕があると「こういうことに使いたいよね」というふわっとした話になる傾向があるのではないかと思います。私の学校は予算がそんなにカツカツではないので、この企画を通したいからここを頑張るという意思を全員が持っているような気がしません。だからと言って予算を減らせと言う話では無いのですが、生徒会活動を活発にするために予算を増やそうとはならないですね。

荒井:勝又さんは如何ですか?

勝又:結構比例するかなと思います。やっぱり立教池袋の場合で言うと自販機であったりだとか、より多くの生徒から渇望されているものを実現出来たら理想的だと思います。学校では自習室を改装する企画が一度通ったんです。それまで自習室の換気が出来ていなかったのですが、それはみんなが嫌だと思うじゃないですか。それで観葉植物を置いたんです。

荒井:今まで何も置いてなかったんですね。

勝又:そうです。それと、意欲を高めよう!みたいな感じで辞書を置いたりしました。やっぱり生徒の望みを実行したいじゃないですか。そうしたら、生徒会執行部としても「こういうことやったんだぜ!」と誇りに思えるじゃないですか。そうなるとお金は活動に比例するんじゃないかと思います。

橋本:実績は大事ですよね。

井村:お金があれば出来ることも増えるよってことですね。

荒井:コメンテータの方々、財源が多いと生徒会活動のクオリティが上がる、つまり比例するかどうかについてはどうお考えですか。

千島 洸太 運営委員

千島:経験上、比例しないと考えています。私の学校では生徒会執行部活動費85万で、お三方の生徒会執行部活動費よりも少ないものの、その中で十分な活動が出来ていたと感じています。結局、生徒の期待に応えられた活動が展開できているかどうかという点が重要だと思います。生徒会活動は執行部だけのものではないし、生徒が居心地の良い環境を作る出すこと、つまりより良い学校の環境づくりを推進することが第一のミッションです。それを考えたときに、たくさんの「お金」が必要かと言われれは、要望に応えていくという点については、必ずしもそうではないと思う。いかに生徒の需要に応えた企画にするのかどうかがポイントになるのかなと。財源が増えたから、もしくは財源が多くあるからといって、企画が効果的に運営されるのかどうかはまた違う話です。逆に(予算が限られている中で)切り詰めたほうが、念入りな企画が出来上がるという見方も出来ます。

橋本:予算が付いたからと言って、生徒会活動のクオリティが上がるということはないということですね。

荒井:直接的因果関係よりは間接的因果関係のほうが強いということですね。

千島:財源が足りなくて困ったこともなく、十分な活動が出来たと思います。あくまで経験としての話、ですが。

楠瀬:年度の中で新たな活動が発案され、そこに財源が必要になったというようなことは起こらないのですか。

井村:起こりません、というのも100万円という金額が決まっている中で活動しているので基本はそこから捻出することになりますが、予備金から活用することも可能な環境だからです。例えば音楽祭で著名人を呼ぶくらいのことは考えられます。

橋本:どこかの予算を切り詰めて、新たな活動に充てることは考えられると思います。ただ、自校では行事が多くあるので、新たな企画が出てくることがないのが現状です。もし新企画が出てくるとしたら既存企画の予算が切り詰められると思います。

荒井:なるほど。今「比例する」という意見と「比例しない」という意見双方が挙がりました。では最後に、もしもたくさん「お金」があったら何に充てたいのか、「比例する」側と「比例しない」側でどのように考えるのか、聞いていきたいと思います。


鼎談はまだまだ続く!『新春特別鼎談「生徒会×お金」第3回』をお楽しみに。

【文・構成】千島 洸太/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員
【写真】飯塚 一輝/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員

投稿者プロフィール

千島 洸太
千島 洸太
2001年東京都生まれ。一般社団法人生徒会活動支援協会運営委員。獨協高等学校在籍。高校生徒会長の任期中に「生徒会組織改革」「受動喫煙防止施策」などに取り組む。2017年度神奈川県高校生徒会会議代表や首都圏高等学校生徒会連盟副代表を務める。第6回全国高校生徒会大会広報部長の在任中には、専門番組『NSCC-TV』の放映に尽力。