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一人一人が生徒会の“プロフェッショナル”になるために:第38回神奈川県高校生徒会会議


4月21日、横浜市白幡地区センター(神奈川・横浜神奈川区)にて第38回神奈川県高校生徒会会議(以後、KS)が行われ、18名が参加した。午前中は「役職プロフェッショナルとは」という議題で討論が行われた。午後は、午前に話し合った内容を各班でまとめ、プレゼンテーションを行った。また、終了後は本協会の常任理事栗本による「生徒会の起源と生徒会団体の可能性」というテーマで講演も行われた。

5役職に分かれ、それぞれの役職等のプロフェッショナルについて討論した。各班で各校の現状を共有したり、各役職での理想を出し合い、最終的にはプレゼンを行なった。まず、会長班では必要な能力として統率力・企画力・想像力の3点を挙げた。また、それだけでなく、後輩の育成等も会長が率先して行うべきだという結論に至った。次に副会長班では、副会長というポストが生徒会内でどのような役割を果たすべきなのかを討論した。その中で興味深かったのは、「副会長という役職は、副会長にしかできないことがあまりない。」という意見があった。その上で、副会長は役職の垣根を超え、オールラウンダーに活躍することが求められるという結論に至った。書記班は、定例会などで出席しない人が多いという問題について話し合った。その中で、有効な案として、出席率を測るという案があった。出席率を測ることで、誰がどのくらい出席しているのかしていないのかがはっきりと可視化する事で出席していない生徒にも「出席しないと。」という気持ちを持たせる効果があると考えた。また、議事録を作成する時に「会議に参加していない人誰もがわかるような議事録にする」ことが大切だと考えた。他の班では、「生徒会の起源」を調べることで、本来生徒会が出来ること・やらなければならないこと(権利と義務)やできないことを探した。一方、プロフェッショナルの意味を確認してから、生徒会に求められていることを出し合った班もあった。

<各役職ごとのプロフェッショナル>

  • “会長”―「学校全体を巻き込み、広い視野を持ち責任感を持って仕事に取り組む人」
  • “副会長”―「会長2号に!生徒会の遊撃手」
  • “書記”―「参加できなくてもわかる議事録作成者」
  • “生徒会”―「正しく権利と義務を理解して実行できる人」
  • “生徒会”―「個人が目標を持ち、公約の達成をする人」

参加してみて

今回、初参加だった朝倉翔さん(鵠沼・高2)は、生徒会の先輩に誘われて参加したという。今回の会議の良かった点を聞くと「会議の環境づくりが素晴らしく、初参加でもやりやすさを感じた」という。会議で学んだことをどのように自身の学校に生かしたいか尋ねると、「まずは、個人の目標を各自、立てるようにしたいです。目標を立てるのは誰でも出来るし、どうしたら達成できるのかを周りの仲間とも話し合うことで仲間との信頼が生まれるだけでなく、生徒会全体の質も上がると思います。」と述べ、今後の生徒会活動に具体的に生かすように努力するという。

2018年度代表の不二山七海さん(森村学園・高3)は、2018年度全体を振り返って次のように述べた。「初回の方は、参加人数の問題で開催することも難しかったです。なのでまずは、地域により密着して、出来るだけ多くの人にKSのことを知ってもらうように役員とともに頑張りました。徐々に参加者も増えて、参加者の討論を楽しむ姿を見ることができて嬉しかったです。」また、今後のKS運営をはじめとして、日本各地にある生徒会団体ないしは学生団体の運営の人達に「中高生が中心となって運営・広報をするのは限界があります。そんな時はぜひ、支えてくださる大人や団体に頼って、やりたいことをやってください。」とエールを送った。また、不二山さんはこれで引退するが、大学生になったらより地域にコミットした団体も作りたいと今後への抱負も述べた。

まもなく平成から「令和」へと改元され、時代が移っていく中でいろいろな場面で代替わりがある。前年度まで行っていたことをそのまま行うのものが「伝統」ではなく、前年度行った内容を十分反省をして、今年度も活動していくことが「伝統」ではないだろうか。そうすることで前年度よりもよい生徒会・生徒会団体になっていくだろう。今日、話し合ったことを学校に還元し、一人一人が「令和の生徒会プロフェッショナル」になることを期待する。

【文】川名 悟史/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員
【写真】栗本 拓幸/一般社団法人生徒会活動支援協会 常任理事
【写真】川名 悟史/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員

投稿者プロフィール

川名 悟史
川名 悟史
2002年埼玉県生まれ。一般社団法人生徒会活動支援協会専務理事。埼玉県立春日部高等学校卒、上智大学総合人間科学部教育学科に在学。高校在籍中は、生徒会会計、文化祭実行委員会会計局・ホームページ局長として活動。第8回全国高校生徒会大会経理部長を務めた。現在は、教育社会学や教育行政学を領域に研究している。