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活動のレビューと生徒会のあるべき姿を再考する:多摩協


2月9日、昭和第一学園高等学校(東京・立川)にて、多摩生徒会協議会定例会が、多摩地域に限らず東京都内全域から20名を超える生徒会役員を迎えて開催された。今年度最後の定例会ということもあり、1年間の振り返りを行い今後の生徒会があるべき姿について議論する形式となった。

参加者は4人から5人のグループに分かれて、議論を行った。いずれのグループも1年間の活動に関する、成果・今後の課題のどちらにも情報伝達の実施方法や状況を挙げた。この後の改善方法については、コミュニケーションツールのSlackやGoogleのサービスを用いて、タスク実施順の明確化や役員全員への周知徹底が確実に行われるような仕組みを作ることなどの改善案が提案された。そのような中でも、学校側に対して校則改正の申し入れを行い、学校生活を少しでも改善するべく活動を行った生徒会の事例も共有された。

今後の生徒会があるべき姿について議論が移ると、あるグループでは“生徒の意見を集約し、教員への提案意見の引き渡し、それの学校生活の反映”と定義した上で、反映を目指して活動する内容や方法がその時によって変化していくものだとした。ただ、生徒と教員・学校側の関係性が安定していない状況であれば、学校生活の改善にはつながらないと結論付けた。また別のグループでは、現状の問題は、生徒会役員内部の連携不足や生徒の代表に役員がなっていないということ。つまり、教員の言いなりになってしまっている現状であるとした。その代の生徒会役員によって、革新型か保守型なのかで考え方も、活動も方向転換してしまっていることも問題であるとした。その上で、学校生活改善に向けた教員側に対する圧力も時には必要であり、それに向けては生徒が生徒会員の一員であることを自覚し、根拠のある意見をもらうことが重要となると結論付けた。最終的には、学校全体を巻き込み、生徒会役員と生徒の意見交換を実施し、偏りがないように注意しながら学校への提言を行う必要が生じているとした。

高校1年生の片山由菜さん(目黒学院・高1/写真左)と雷はつ菜さん(目黒学院・高1/写真右)は、二人とも今回が初参加だという。片山さんは、今後に向けて「情報系サービスと生徒会活動をリンクさせた取り組みに挑戦してみたい」と答えてくれた。同じ学校に通う二人だが、今後相談してみたいことを尋ねると、校則の変え方だという。その理由を尋ねると雷さんは「校則の捉え方や指導の仕方、ルールの理解度合いも教員一人一人によって大きくことなることへの不満や疑問が存在しているため」とのことだ。その上で「多摩協のように生徒会役員が一堂に集まって、いろいろなアイディアを共有できる場は非常に重要」だと今後も多摩協が持つべき役割に期待を示した。

第12期の多摩生徒会協議会は4月から任期が始まる。次回以降、代表にあたる協議会議長を務める、章子昱さん(桐朋・高1)は「多摩地区にある生徒会が自身の問題解決を図れるように、さらなる努力を惜しまない。」とあいさつして締めくくった。

【文・集合写真】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長
【文・写真】菊池 隆聖/多摩生徒会協議会 第11期議長団

投稿者プロフィール

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荒井 翔平
1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会代表理事、一般財団法人国際交流機構理事、私立大学環境保全協議会運営委員などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。