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新たな出発と活性に向けて:倉敷市内5校高等学校生徒会交流会(寄稿)


3月18日岡山県立倉敷青陵高等学校(岡山・倉敷)にて「倉敷市内5校高等学校生徒会交流会」が開催され、倉敷市内を中心に31名が参加した。(市内県立3校、市内私立1校、市外県立1校)

開催目的

目的1 各高校の生徒会役員が集まり、各校の現状や課題を共有する。
目的2 様々な議題について活発な議論を行い、よりよい活動に活かす。
目的3 学校を越えた生徒会のネットワークを構築する。

議題

議題に関しては複数の候補が挙げられたが、1日という短い時間の中で、より深く、有意義な議論とするため、「今後の学校祭の運営をより良いものにするためには」の1つに絞って議論をした。
この議題が選ばれた理由は、コロナ対策で時短となり効率的になった部分や盛り上がりに欠ける部分など、コロナ以前とコロナ禍の運営について、良い点と悪い点を明確にし、今後、運営方法を戻すのか、このまま続けるのか、はたまた新しい方法を考えるのかなど、感染症対策に関する規制が解除されてから初の学校祭を迎える今年だからこそ、勘案すべき議題であると考えられたからである。

リモートでの活動紹介

オンライン参加した升氏

まず最初に、岡山県立真庭高校落合高地(県北部)の生徒会長 升 輝生(ます ようせい)氏からリモートで活動紹介をしていただいた。升氏は自宅から参加し、会場にいる参加者も一人一台端末とイヤホンを使用して参加した。このことにより、資料をはっきり見ることができ、声もしっかり聞き取ることができた。また、質問・感想があった際にはマイクをオンにしてその場ですぐに発言ができたことも、活動紹介が活発な意見交換の場となったことの大きな理由の1つであると考えられる。

各校の学校祭運営の紹介

各校がGoogleスライドなどを用いて自校の学校祭の運営について紹介した。
参加者からは、「どの学校も同じような運営をしているのかと思っていたが、同じ県立高校同士であっても全く異なることを知って驚いた」などという意見が聞かれた。

グループディスカッションに向けて

グループディスカッションに先駆けて、テーマ「今後の学校祭の運営をより良いものにするためには」についての説明がされた。さらに、グループによって想定する感染症対策に違いが出て、最終的な全体での議論の場において矛盾が生じることを防ぐために、文部科学省が発表している情報を元に、今回の議論ではインフルエンザと同様の「手洗い・うがい・アルコール消毒・咳が出る場合はマスク」という感染症対策を行うものとする、と定義づけた。

また、議論を活発かつ円滑に進めるために、議論や話し方のコツをまとめた資料を配布した上で紹介した。このことによって議論は活発化し、相手の意見をすべて否定するのではなく、賛成できる部分は賛成であると伝えた上で自分自身の意見を伝えたり、相手の話を引き出すような議論が多く見られた。

グループディスカッション

4〜5人ずつのA〜Gの7班に分かれ、ホワイトボードや付箋などを用いて非常に活発な議論が交わされた。議論がまとまった班から一人一台端末を用いて各班1つずつのGoogleスライドを共同編集し、発表資料を作成した。

 

 

 

 

 

 

全体への発表

生徒のメイクについて、前夜祭の開催について、スマホ利用について、オンライン配信について、準備期間の時間、模擬店の食べ歩きについて、コロナ禍での学校祭の楽しみ方が分からない、各委員会との連携、新型コロナウイルス感染収束後の新しいルールづくりなど、各グループで話し合われた内容は多岐に渡った。自校と他校の取組を十分に理解した上で、現状における課題とその原因を分析し、その解決方法を考えた。質疑応答では、解決案の質を高め、より現実的なものにするべく更に議論が展開された。各グループ内において、一人ひとりがしっかりと意見を持ち、それらを言葉にして相手に伝え、伝えられた側はそれらを受け入れた後に互いの考えをより深め、高め合う議論が活発に行われていた。そのため、どのグループも堂々とした発表で、根拠などもはっきりしている論理的な発表であったのに加えて、今年からすぐに始められるような非常に現実的かつ実践的な解決方法が多く考え出されていた。そしてそこには、全員が楽しめる円滑な運営をするのはもちろんのこと、生徒会だけではなく、生徒一人ひとりが輝ける学校祭にするという強い意思が感じられた。

サブテーマ:今後の開催について

全体への発表の後、今後の生徒会交流会の開催について意見交換がされた。
もともと倉敷市内(県立の多く)、岡山市内(県立普通科の一部)、それぞれで生徒会交流会が開催されていたが、新型コロナウイルスが蔓延し始めてからはどちらも開催されていなかった。復活に際して壁にぶつかることもあったが、複数の高校と連携・協力することで今まで見えてこなかった課題の発見や問題解決につながると考え、学校間はもちろん、生徒間でも密に連絡を取り合い、実現した。
今回は、その生徒会交流会を復活させる第一回であったことを踏まえ、次回は倉敷市内の公私立高校、その次は岡山市内を含めた公私立高校へと参加校を広げ、将来的には県内全域へと参加校の規模を拡大していく方向で全員一致した。
また、運営についても、「ホスト校・サブホスト校制度」が提案された。一度サブホスト校として運営を経験した学校が次回はホスト校になり、中心となって運営を行うというもので、この制度が導入されれば、各校が持ち回りで運営をすることになり、参加校拡大や参加者の意欲向上、ホスト校による特色ある運営が大いに期待できる。次回のサブホスト校は交流会の中で決める。

インタビュー

倉敷翠松高校(私立)高1 福武拓実さん

〈参加のきっかけ・理由〉

青陵高校生徒会の皆様の活動内容をインスタで拝見させて頂き、とても感銘を受け、自校へ活動内容をアドバイスして下さいとDMさせて頂いた所、今回の生徒会交流会の方へ参加しませんか?と、もちかけて頂き、自校が良くなるには必要な事であると考え、私立高校で唯一自校が参加させて頂くことが出来ました。

〈参加して学んだこと〉

文化祭・体育祭では、公立高校と私立高校とでは感染症対策に違いがあり、同じ公立高校でも、スマホの取り扱い、メイクに対する受け止め方の違いがあること。今後、どの様にしてコロナ前の盛り上がりのある学校祭に戻していけるか。

〈感想〉

青陵高校生徒会の皆さんが、素敵な会場を用意し、会を円滑に進行して頂いたことに感謝しています。今回の話し合いを元に、自校の学校祭をより良い物にしていきたいと考えています。

〈今後の自分と翠松の目標について〉

今後、自分は生徒会長になり、新しいことにチャレンジをし、翠松の魅力を伸ばしていきたいと考えています。
翠松としては、生徒全員が自分の能力が発揮でき、それを伸ばしていける様な学び舎にしていきたいです。

参加者へのアンケート結果

学んだこと

学校によって取り組みは違うが、問題視する点は似ていることです。また、話し合いをしたり、一緒にスライドを作って発表したりすることで、言葉を形に変えることの大切さも学びました。(倉敷天城・高1)

感想

校則や学校祭で行うことが異なる学校が集まることで、同じ問題でも考え方が異なり、学校内では出ないような解決策を得ることができた貴重な機会でした。ありがとうございました。是非今後ともこのような機会があれば参加させていただきたいです。(倉敷天城・高1)

初めてこのような交流会に参加して、改めて自分の着眼点が大きく変わったのでいい刺激になりました。学校によって重きを置いている点が違ったり、逆に共通している部分もあり一緒に話し合いをしていく中で考えをより深めていくことが出来ました。他の学校との繋がりもでき、素晴らしい経験になりました。(倉敷南・高2)

他校と関われる機会は本当に貴重で滅多にないことなので、今回この会に参加できて本当に嬉しかったです!今回は4校だけでしたが、更に高校の数を増やして大規模に開催しても必ず良い話し合いができると今回の会で確信しましたので、参加校数を増やしていきたいです。(倉敷南・高1)

最後に

開催前は参加者が緊張してしまって、議論が硬直してしまうのではないかと懸念されたが、実際に開催してみると活発な議論が交わされ、休憩時間のたびに所属など関係なく集まり、様々な話題で盛り上がっていた。全体的にも、各グループでも、格式張った会議のようではなく、笑顔が絶えず、非常に話しやすい雰囲気が常に保たれていたことは特筆すべきことである。交流会後には互いに連絡先を交換する様子が会場中で見られた。開催後2週間が経過したが、LINEで予算折衝のやり方を相談し合ったり、もう一度直接会ってアドバイスをし合ったりするなど、交流会をきっかけに各校の間で協力関係が築かれていることから、今後、さらに各校で連携して活動できる関係性が広まると共により強固なものになることを期待する。

社会には対応が追いつかないほど様々な問題が溢れ、私たち高校生にはそれらの問題を発見し、どのような解決に向けたアプローチをしていくかが問われる新たな時代を迎えている。そのような正解の見えない暗闇を手探りで前に進んでいるような状況の中であっても、一人ひとりが問題解決能力や幅広い知識・経験を持ち、自ら周りを明るく照らし、輝ける人間にならなければならない。そのような力を身につけるためには、今ある状況に満足するのではなく、新たな課題発見やより良い解決方法を求めて、自校はもちろん、より多様な価値感・考えを持つ他校の生徒たちとも交流することが非常に重要であると考えられる。参加者のみなさまには今後も自校はもちろん、今までのフィールドを飛び出して、新たな経験を積み、全校生徒に還元できる活動に取り組んでいって欲しい。

また、今回は生徒会交流会復活後の第一回であったこともあり、多くの1年生の参加を呼びかけた。その結果、喜ばしいことに参加者の9割が1年生であった。今後、中心となって活動していく各校の1年生が活発な議論を繰り広げ、他校の生徒とワクワクした笑顔で話し合う姿や、今後も交流会を規模を拡大しながら継続して開催していきたいという強い意志を感じることができたのは非常に嬉しいことである。この生徒会交流会が今後の倉敷市内・岡山県内の生徒会活動のますますの発展に大いに期待できるだろう。

その他メディア

ダイジェスト動画

岡山県立倉敷青陵高等学校 生徒会執行部 公式インスタグラムより
https://www.instagram.com/reel/Cp7qjZJBrOa/?utm_source=ig_web_copy_link

メディア等による取材

  • 山陽新聞社 コラム/滴一滴 2023年03月24日朝刊掲載
    https://www.sanyonews.jp/article/1377941
  • TSCテレビせとうち株式会社 2023年03月18日放送
  • 株式会社倉敷ケーブルテレビ(KCT) 2023年03月21日放送
  • 玉島テレビ放送株式会社
  • 岡山県立倉敷青陵高等学校 公式ホームページ weekly seiryo
    https://onl.bz/SZbUj9i
  • 岡山県立倉敷青陵高等学校 新聞部

 

【文】小野日向汰・小玉花菜(倉敷青陵高校)
【写真・ダイジェスト動画】西坂優那・渡邊うた(倉敷青陵高校)