【寄稿】衆議院第一議員会館にて生徒会会談とNSF PROJECTsが「全国生徒会防災サミット2026」を開催
3月23日、衆議院第一議員会館(東京都千代田区)にて、生徒会団体である「生徒会会談」と中高生防災団体である「NSF PROJECTs」の主催、共催「内閣府」で 「全国生徒会防災サミット2026〜その判断を、想定していたか。You, Ready or Risky?~」が開催されました。このイベント報告記事をNSF PROJECTsのメンバーである保田 雄亮さんが「生徒会.jp」に寄稿してくれました。
以下、寄稿記事になります。
今回開催した「全国生徒会防災サミット2026〜その判断を、想定していたか。You, Ready or Risky?~」は、全国の中高生を対象にした防災イベントとして、主に関東地方の生徒会役員たちが集まり、互いの学校防災の取り組みなどを振り返りながら、意見交換を通じて新たな活動の可能性を探る場となりました。
主催した「生徒会会談」は、2017年1月に設立された「内務に還元できる外務」を掲げ、オンライン、オフラインに問わず多数の企画を行っている首都圏を中心に活動している生徒会団体です。
もう一つの主催団体である「NSF PROJECTs」は、2024年1月の能登半島地震の直後に全国の中高生が被災地を支援するための募金活動のために立ち上がった学生ネットワークです。「中高生の防災意識向上」「能登の復興」を掲げ、北海道から沖縄まで全国450人以上が参加しています。近年は募金活動の他にも、「能登うまいもん再発見プロジェクト」や「Mamoneruプロジェクト」など、様々な活動を展開しています。
開催概要
「全国生徒会防災サミット2026〜その判断を、想定していたか。You, Ready or Risky?~」は、生徒会による主体的な防災・復興活動のあり方を探ることを目的として開催される全国規模のイベントです。地域や学校の枠を超えた交流を通じて、新たな防災アクションを創出する機会としています。今後も継続的な対話と実践を重ねることで、防災を“文化”として社会に根づかせていくことが狙いとなっています。

名称
全国生徒会防災サミット2026
主催
NSF PROJECTs / 生徒会会談
共催
内閣府
日時
2026年3月23日(月)10:00〜15:00
会場
衆議院第一議員会館
Zoom(オンライン同時開催)
テーマ
「その判断を、想定していたか。」
You, Ready or Risky?
当日のスケジュール
| 10:00 | 開会 |
| 10:15 | 講演 |
| 11:10 | 意見交換 |
| 11:30 | 防災体験 |
| 12:20 | 昼休憩 |
| 13:20 | ディスカッション |
| 14:10 | 成果提案 |
| 15:00 | 閉会 |

(総務部防災危機管理課 防災・震災対策専門員)(大正大学地域構想研究所 研究員 (防災・減災プロジェクト)) 佐藤 和彦氏 講演
参加者は講演に耳を傾け、熱心に質問を行っていました。

参事官補佐 細野 蔵(ほその おさむ)防災担当) 参事官(普及・防災教育・NPOボランティア連携担当)
学校防災にどのように備えるのかを熱心に質問している参加者が印象的でした。
また、大臣をはじめ現役の国会議員にも参加いただきました。
- 内閣府大臣政務官 衆議院議員 金子 容三 氏
- 内閣府特命担当大臣(防災) あかま二郎 氏
- 前内閣府特命担当大臣(防災)坂井 学 氏
参加者の声をお聞きしました!
全国から中高生が集い、防災について議論を深めたサミット。参加者たちはどのような気づきを得て、今後にどう活かそうとしているのか。それぞれの声も紹介しておきます。
張替 滉河さん(中2)茨城県 下妻第一高等学校
たまたま自分の学生団体の繋がりでこのイベントを知って、いい機会をもらえたなと思います。全国規模のイベントに参加できたこと自体がすごくいい経験でした。もっとたくさんの人と交流したいです。こういうイベントがあるということ自体を、もっと周知していきたいです。
木村 瑠希さん(中2)茨城県 下妻第一高等学校
災害に対しての知識があまりなかったのですが、企画に参加して、できるだけ対策しようという皆さんの熱い想いを感じました。自分は生徒会ではないのですが、いざ災害が起きたときに、今回の学びを活かしたいです。
キヌさん(中1)埼玉県 さいたま市立大宮国際中等教育学校
人命が失われるのは国としても悲しいことだと思うので。防災について考える機会をもらえて、光栄でした。
私は生徒会本部には所属していないのですが、この1年間で企画やキャンペーンを起こして、防災意識や対応を学べる講習などを実施していきたいです。
美玖さん(中1)埼玉県 さいたま市立大宮国際中等教育学校
“自分の命は自分で守る”ということを強く感じました。クロスロードでは、相手が違う意見を持っていて、それをぶつけ合うのがすごく楽しかったです。そういう機会に参加できて嬉しかったです。
生徒会に所属していなくても、自分で団体を立ち上げたり、生徒会に入ったりして、防災に積極的に関わりたいです。防災訓練も、よりリアリティのある形で自分の意見を反映させていきたいです。

安川 結月さん(高2)島根県 島根県立隠岐島前高等学校
一番驚いたのは、生徒会活動の規模感の違いです。
自分の学校は防災教育への意欲が高いとは言えないので、他校の生徒会の方々と関わりながら、自分たちのやり方が本当に良いのか確かめていきたいです。そのためにも交流を深めていきたいです。
臼井 武夫さん(高2)茨城県 茨城県立古河中等教育学校
集まった高校生のレベルが高いと感じました。特に、話し方が上手で、相手に訴えかける力があるところです。
自分の学校では防災訓練が年に1回程度で、内容も火災や地震に限られています。ただ、近くに利根川があるので、水害なども含めた多様な災害への対策を考えていきたいです。訓練の内容ももっと充実させていきたいと思います。
遠藤 翼さん(中3)東京都 葛飾区立青戸中学校
出身が岩手で、防災教育を手厚く受けてきましたが、生徒会同士が集まって防災について話すのは初めてでした。行政の方のお話もとても印象的でした。
防災は全国的に重要ですが、それぞれの地域に合った取り組みが必要だと感じました。今回の学びを自分の自治体に持ち帰り、還元していきたいです。例えば、豊島区の耐震率は9割なのに対し、葛飾区は5割なので、そういった課題にも目を向けていきたいです。

代表・副代表コメント
今回のサミットについて代表、副代表に話を聞きました。※ 役職、肩書はサミット開催時のものです。
NSF PROJECTs 4期 5期 代表 久保壮太郎さん(立教池袋中学校・高等学校 高校3年・東京)
本サミットは、一度きりの催しではありません。ここから始まり、これから先へと広がっていく「起点」でありたいと私たちは考えています。災害は、忘れた頃にやって来ると言われます。しかし、防災は、思い出した時にだけ行うものではなく、日常の中に根づいてこそ意味を持ちます。そのためには、一部の専門家や大人だけではなく、社会の未来を担う中高生自身が主体となり、意識を変え、行動を変え、周囲を動かしていくことが不可欠です。
生徒会は、学校という小さな社会の中で制度をつくり、合意を形成し、全体を動かすことのできる数少ない主体です。言い換えれば、一校の生徒会が変われば、その学校全体の意識が変わる。そして、その変化が地域へ、社会へと波紋のように広がっていく -私たちは、その連鎖を生み出すアクターこそが生徒会であると考えています。NSF PROJECTsの目的の一つ、「中高生の防災意識向上」という目的は、この生徒会というアクターを通じて、さらに推進できると感じております。
だからこそ、この会議体を単なる情報交換の場に終わらせるのではなく、互いの実践を持ち寄り、学び合い、刺激し合いながら、次の行動へとつなげる「継続するネットワーク」として育てていきたいと願っています。ここで共有された問いや構想が、各校での具体的な取り組みとなり、やがて全国の中高生の意識を底上げしていく。その積み重ねこそが、将来の災害による被害を確実に減らす力になるはずです。
防災とは、特別な誰かが担うものではなく、社会を生きる一人ひとりの選択の総和です。そして、その最初の変化は、しばしば小さな場所から生まれます。本サミットが、生徒会から学校へ、学校から地域へ、そして社会全体へと広がる意識変革の出発点となることを、私たちは心から願っています。これからも歩みを止めることなく、この取り組みを発展させ続けていきます。未来を守る力は、すでにここにあると信じて。

2025年度生徒会会談 副代表を務める吉田 桃さん(高等学校1年)
全国生徒会防災サミット2026を無事に開催できたことを心より誇りに思うとともに、ご尽力くださった全ての皆さまに感謝申し上げます。
私は特に、「生徒会クロスロード」(生徒会役員の視点でジレンマに陥った状況を想定し判断を下すというゲーム)の企画で、参加者どうしが自分の経験や防災知識をもとに意見を交わし、楽しみながら学びを得ていた様子が印象に残っています。
また、立場や世代の違いを超えて物事に取り組むことの意義やすばらしさも改めて実感しました。本サミットの開催は、内閣府、協賛企業、主催2団体をはじめ多数の学生団体、そして何より日本全国各地から参加してくださった中高生、全ての皆さまのお力あってのものでした。このような立場や世代の違いを超えた結びつきは、地域での防災活動や、複数の立場の人の価値観を尊重しながら意思決定を行う生徒会活動でも欠かせないものだと強く感じます。本サミットがその結びつきのきっかけとしても機能していれば嬉しいです。
全国生徒会防災サミット2026で得た情報がそれぞれの地域社会・学校に還元され、そしてこの場でつながった仲間たちとの和が未来へ続いていくことを願っています。

2025年度生徒会会談 副代表を務める平松 優希さん(立教池袋中学校・高等学校 高校1年・東京)
防災は、決して「注目されるべきもの」ではないのかもしれません。防災が注目されるとき、それはすでに最悪の事態が起こってしまったことにほかならないからです。だからこそ、そうした事態に備えるために、防災について考える場が大きくなくとも続いていってほしいと感じています。
サミット中にも度々話題に上がりましたが、地域の防災訓練に参加してみることも大切な一歩だと思います。少子高齢化社会の中で、町会などの地域コミュニティは弱まりつつあります。担い手が不足する中で、そうした現状を変えていくのは、中高生の行動力や創造性だと思います。
若さは何にも代えがたい大きな価値です。これからできることは数え切れないほどある一方で、今しかできないことも多くあるはずです。今回のサミットには、多くの若者・学生・生徒会団体にもご協力いただきました。そうした中で、防災に限らず、自分がやりたいことに合う活動に出会えていれば大変嬉しく思います。
重ねてではございますが、ご参加いただきありがとうございました。ご協力いただいたすべての皆様に御礼申し上げるとともに、ますますのご活躍をお祈りしています。
おわりに
桜が咲き始め、新学期を目前に控えた中で開催されたこの防災サミットでは、学校防災と中高生の意識向上をテーマに、会場全体が一体となって議論を深めました。学校の枠を越えた対話を通して、多様な価値観や課題に向き合い、災害大国日本に生きる私たちに求められる備えについて理解を深めることができました。サミットで得た学びが、それぞれの現場での行動へとつながっていくことを願っています。

【文】保田雄亮(NSF PROJECTs)