【生徒会選挙】全校生徒の心を動かす立会演説会スピーチの組み立て方:PREP法の活用例
立会演説会は、公約だけでなく、立候補した理由や人柄を全校生徒へ直接伝えられる機会です。一方で、限られた時間の中で何をどの順番で話すか迷う人も多いでしょう。
どれだけ素晴らしい公約や想いを持っていても、スピーチの組み立て方が乱れていると、聴き手には届きません。
そんなときに使いやすいのが、結論から話す「PREP法」です。この記事では、PREP法を立会演説会に合わせて使う方法と、原稿の組み立て例を紹介します。
原稿を書く前に演説のルールを確認する
学校によって、立会演説会の進め方は異なります。原稿を書き始める前に、選挙規程や選挙管理委員会の案内で次の点を確認してください。
- 演説の制限時間
- 応援演説の有無と持ち時間
- 原稿の事前提出や内容確認の有無
- フリップ、画像、動画などの使用可否
- 投票の呼びかけに関する決まり
- 当日の会場、マイク、配信方法
制限時間を超えた場合の扱いも確認しておきましょう。時間内に収まるかどうかは文字数だけで判断せず、実際に声に出して測ります。
PREP法で話の筋道を作る
PREP法は、次の順番で話を組み立てる方法です。
- P(Point/結論・メッセージ): 一番伝えたいビジョンや公約。どのような学校にしたいのか
- R(Reason/理由・背景): なぜ、その課題に取り組みたいのか
- E(Example/具体例・エピソード): 実体験や具体的なアクションプラン。何を、どのように実行するのか
- P(Point/結論・熱意): 目指す学校の姿と決意を改めて伝える。最後の決めゼリフと投票のお願い
最初に結論を示すと、聞き手は「何についての話か」を理解したうえで、その後の理由や公約を聞けます。
ただし、PREP法にすべてを無理に当てはめる必要はありません。伝えたいメッセージを一つに絞り、理由と具体策が自然につながっていることを優先してください。
3分間の演説なら公約を1つか2つに絞る
3分間の演説を想定する場合、次の配分が一つの目安になります。
構成 | 時間の目安 | 話す内容 |
P:結論 | 30秒 | あいさつ、氏名、立候補する役職、目指す学校の姿 |
R:理由 | 40秒 | 現状の課題、立候補を決めた理由 |
E:具体例 | 80秒 | 公約、実行までの手順、自分の経験 |
P:結論 | 30秒 | メッセージのまとめ、決意、投票のお願い |
時間配分は、話す速さや間の取り方によって変わります。公約を増やしすぎず、最も伝えたい1つか2つを具体的に説明しましょう。
PREP法を使った原稿例
次の例は、そのまま読むための完成原稿ではありません。学校の課題、自分の経験、実際に取り組める内容に置き換えて使ってください。
P:目指す学校の姿を最初に伝える
皆さん、こんにちは。○年○組の○○○○です。私は、生徒の声に対する回答が見える学校をつくりたいと考え、生徒会長に立候補しました。
氏名と役職に続けて、演説全体の中心となるメッセージを一文で伝えます。「学校を変えます」だけで終わらせず、どのような状態を目指すのかを示しましょう。
R:課題と立候補した理由を結び付ける
皆さんは、学校生活について意見を出したものの、その後どうなったのか分からなかった経験はありませんか。私も学級委員として意見を集めたとき、回答や進み具合を伝える仕組みが必要だと感じました。
課題を挙げるだけでなく、自分がなぜその問題に取り組みたいのかを話します。「多くの人が困っているはず」と決めつけず、自分が見聞きした事実や経験を使うと伝わりやすくなります。
E:公約と実行までの手順を示す
当選したら、まず各クラスを対象に、意見の集め方についてアンケートを行います。その結果をもとに、オンラインでも意見を送れる仕組みを学校へ提案します。寄せられた意見については、生徒会での検討状況や学校からの回答を、月に一度掲示します。
私は学級委員として、クラスの意見を整理し、先生と話し合ってきました。その経験を生かし、意見を集めるだけで終わらせず、回答まで届ける生徒会を目指します。
学校や先生の承認が必要なら、「実現します」と言い切らず、「調査する」「提案する」「協議する」など、自分が実行できる行動を示します。期限や報告方法を加えると、公約の進め方が伝わります。
P:最初のメッセージに戻って締めくくる
生徒の声を集め、その後の回答まで伝える。
私は、この当たり前を続けられる生徒会をつくります。○○○○に、皆さんの一票をお願いします。ご清聴ありがとうございました。
冒頭で示したメッセージを、最後にもう一度伝えます。新しい公約を追加せず、決意と投票のお願いを簡潔に述べましょう。
話し方は声量よりも聞き取りやすさを優先する
原稿が完成したら、内容だけでなく、聞き取りやすさも確認します。
最初の一文を落ち着いて話す
話し始めは、会場がまだ静かになっていない場合があります。マイクの位置を確認し、最初のあいさつと氏名を、普段より少しゆっくり話しましょう。とくに一言目は大きな声で話すことを意識すること、また、一語ずつを明瞭に発音することを意識してください。
大事な言葉の前後で短く間を取る
公約の名称や中心となるメッセージの前後では、短く間を取ります。すべての文で間を取ると不自然になるため、強調したい箇所に絞って入れると効果的です。
原稿を読み続けず、聞き手へ顔を向ける
原稿を一文ごとに覚える必要はありません。段落の要点を把握し、文の区切りで顔を上げるだけでも、聞き手に伝わりやすくなります。配信形式の場合は、画面ではなくカメラを見る時間も作りましょう。カメラを見ているように見える位置に原稿を置くのも効果的です。
短い文で話す
書いて読む文章よりも、耳で聞く文章のほうが内容を追いにくくなります。一文を短くし、難しい熟語や長い説明は、普段使う言葉に置き換えてください。
録画と時間計測で仕上げる
練習では、毎回時間を測ります。動画や音声を記録し、次の点を確認してください。
- 制限時間内に収まっているか
- 氏名、役職、公約を聞き取れるか
- 早口になっている箇所はないか
- 原稿ばかり見ていないか
- 同じ言葉を何度も繰り返していないか
- 約束できない内容を言い切っていないか
原稿の内容を知らない人にも聞いてもらい、「何が一番印象に残ったか」を尋ねます。返ってきた答えが自分の中心メッセージと違っていたら、構成や言葉を見直しましょう。できるだけ幅広い人の意見をもらうと効果的です。
本番前のチェックリスト
- 学校の選挙規程と演説のルールを確認した
- 最初の30秒で氏名、役職、目指す学校の姿を伝えている
- 公約を1つか2つに絞った
- 公約を実行する手順を説明している
- 自分では決められないことを断定していない
- 実際に声に出し、制限時間内に収まることを確認した
- 原稿を印刷し、必要であれば予備も用意した
型を使って自分の言葉を届けよう
PREP法は、演説を立派に見せるためのものではありません。伝えたいことを整理し、聞き手が話の筋道を追いやすくするための型です。
型に頼り過ぎず、自分が経験したこと、実際に取り組めること、自分の言葉で伝えられることを原稿に入れましょう。それが、候補者の考えと人柄が伝わる演説につながります。自信を持ってステージに立ち、あなたの熱意を全校生徒へ届けてきてください!
