江東区立全24中学校の生徒会役員が集う「江東区立中学校生徒会交流会」に参加し、教員向け研修を実施してきました
2026年2月4日、江東区立深川第八中学校にて、令和7年度第19回江東区立中学校生徒会交流会が行われ、参加してきました。
この交流会は、江東区中学校教育研究会特別活動部の主催、江東区青少年委員会の後援で毎年行われているもので、この日は、江東区立中学校全24校から各3名程度の生徒会長など生徒会役員が集まり、実施されました。開催にあたっては「① 他校との情報交換などを通して広く交流の機会をもち、リーダーとしての資質や態度を育成する。」「② テーマを設定し、そのテーマについての他校の生徒会代表生徒や青少年委員の方々との話し合い活動を通して、より良い集団を作ろうとする態度を育成する。」「③ 特色ある生徒会活動の実践報告等に学び、各校の生徒会活動の充実を図る。」を目的としており、これまでも毎年1回開催されていました。
こうした中学校の生徒会役員による交流会は、全国の自治体で実施されている例がありますが、長年実施してきたことで形骸化してきてしまっている自治体も多くあります。そんな中、より良い形で実施することができないかと、昨年末に、主催する江東区中学校教育研究会特別活動部の部長で江東区立深川第八中学校の齊藤 泰弘 校長より今年度から生徒の意見交換会と並行して実施することになった教員研修会での講師のご依頼を受けました。また、事前打合せでは、意見交換会で予定されていたテーマや話合いの基になる生徒会実態調査の調査項目や、ワールドカフェ形式について、会がより充実したものになるように助言させていただきました。
交流会自体のタイムテーブルは以下のような形で実施されました。
- 開会式 14:00〜14:05
- 意見交換会 14:10~15:35
- 14:10~14:20(10分)開会の言葉、説明、進行役選出
- 14:20~14:40(20分)第1ラウンド:対話
- 14:40~14:45( 5分)席替え、進行役の選出
- 14:45~15:05(20分)第2ラウンド:対話
- 15:05~15:10( 5分)席替え、進行役の選出
- 15:10~15:30(20分)第3ラウンド:対話
- 15:30~15:35( 5分)各班で全体発表準備
- 15:35~15:55(20分)各グループの発表
- 15:55~16:00( 5分)閉会の言葉、まとめ、講評
- 各グループの発表 15:35〜15:55
- 閉会・まとめ(講評)・事務連絡・記念撮影 15:55~16:00

今回の意見交換会は、14テーブルに分かれてワールドカフェ形式で議論され、ラウンドごとに参加者がバラバラに別のグループに移動していくことで、少人数でのグループディスカッションを繰り返しながらも、参加者全体のアイデアや議論を共有しながらディスカッションできるという形で実施されました。そして最後のラウンドのグループでまとめの議論を行い、全体共有の発表時間となりました。その際に各グループから出た「めざすべき生徒会活動」についての意見を紹介します。
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班 |
意見 |
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A |
Aグループで決めた「めざすべき生徒会活動」は、目安箱の設置などによって、生徒の意見を聞き、全学年で居心地の良い学校にしていく。また、任期が終わるまでに公約を達成させていく |
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B |
先生や学年との壁をなくし、意見をどんどん出し、盛り上がれる行事を学校の中で創る |
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C |
目安箱の活用やボランティア活動を活発にして、学校全体や地域とのつながりを大切にする |
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D |
校則を守らない、意見が出ない、挨拶をしない生徒がいるという学校があり、その中で、校則を守らなかったらそれを全校生徒で共有したり、意見が出なかったら時間を置いて後日聞いたり、挨拶をしない人には挨拶をポイント制にするなど、生徒会から学校をより楽しくする |
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E |
2つのアイデアが出て、1つ目が、意見箱を活用して生徒の意見を取り入れて、たくさん学校に反映して楽しくしていこう。もう1つが、新しいことに楽しみながら挑戦するというところは、なかなか活動が忙しくてできないこともあると思うんですけど、それでも1つずつ楽しんでやっていこうというものだそうです。生徒会活動は、生徒の意見を反映して、新しいことに楽しみながら挑戦していく |
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F |
生徒会本部だけで孤立せず、学校全体を巻き込んで、生徒全員が楽しく、生徒が学校生活を送れる生徒会 |
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G |
生徒全体からの意見が出ておらず、生徒会役員だけの意思で動いている。生徒全員がやりたいことができるような生徒会活動にしていきたく、そのために、意見箱には、アナログデジタルの両方を活かして実施して生徒会主催の活動を盛り上げていきたい |
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H |
生徒会の活動を通して、役員以外の生徒との距離が遠いという意見が出たので、生徒中心の生徒会にするために生徒と学校をつなぐ懸け橋のような生徒会活動 |
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I |
日々の仕事から、生徒とのつながりや意見を活用して、新たな活動をめざしていくため、日々の仕事から、生徒とのつながりや生徒からの意見を活用することで、新たな活動をめざす |
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J |
生徒会としての活動をしているうえで、影響力が小さく認知率も低いという意見が出たことを踏まえて、影響力を持った生徒会になるべく、生徒と深く関わり、よりよい生活を実現できるようにしたい |
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K |
広報紙や意見箱、また、廊下の飾りつけなどにより、生徒中心の学校をよりよくする |
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L |
学校だけにならず、地域と協力し、生徒と関わる機会をつくる生徒会活動をめざす |
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M |
出前授業などの活動により力を入れて取り組み、学校内だけではなく、校外にも自分たちの活動を知ってもらう |
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N |
生徒全員が納得して、楽しく過ごせる学校にするための校則づくりだそうで、生徒会本部で校則を改めて確認し、それを全校生徒につなげ、どのような髪形、服装がいいのかを知ってもらいながら変えていける生徒会 |

こうしたグループからの発表を受け、閉会式でいただいた講評時間で、中学校の生徒会役員の皆さんに「Good」なところと「Motto」なところについてお伝えしました。
まず、「Good」なところについて、今日も最初の頃のグループの話を聞いているといくつも聞こえてきたのですが、「生徒会活動」とは「生徒会役員活動」ではなく、「全校生徒」を会員とした「生徒会」の活動であるということです。最後の発表の中では、多くのグループで、この生徒会役員ではないいわゆる一般の生徒をどう巻き込み、彼らのためになる生徒会にできるかというグループが多かったのは良かったと思います。
今日のグループワークを見学していても、年齢はまだ13,14歳の中学生ではありますが、それでも数百人を束ねるリーダーなんだなということを感じました。もちろん、大人ではありませんので、全てにおいて能力が満たされているわけではないかもしれませんし、至らないところもあるかもしれません。しかし、それを言ってしまえば大人も同じであり、あらためて年齢は関係なくリーダーはリーダーなんだなと思いました。
全校生徒から集めた要望も単に受け取るだけではなく、結果はもちろん、その過程についても全校生徒と共有しながら、提案したり意見を出したものがどうなっているのかを共有していくこと、また、実現までの過程を全校生徒が「自分ごと化」できるように巻き込んでいく仕組みを創っていくことが大事なのではないかと思いました。
次に、「Motto」の部分ですが、やはり多くの中学生の生徒会役員たちが、彼らの中にある「生徒会ってこんなことをやっているもの」という先入観の中で、「こじんまりと」活動をより良くしていこうと考えているところが気になりました。どの学校も「目安箱で意見を吸い上げる」「行事をどうする」という現状の生徒会に引っ張られているような印象でした。
「どうしたら全校生徒が魅力的だと思う生徒会活動になるのか」「どうすれば多くの生徒が参加したい自分も役員になりたいと思うような生徒会にできるのか」「そもそも生徒会ってなんのためにあるのか」と考えるだけでも、既成概念や枠を取り払えば、もっともっとやれることや、むしろやりたいことが出てくるのではないかと思いました。
校則改正などもそうですが、より主体的に生徒たちが主導権を持ちながら全校生徒を巻き込みながら、自分たちで自分たちのルールをより良いものに変えていく活動をしていってもらいたいと思いますし、グループ発表の中で、「学校だけにならず、地域と協力し、生徒と関わる機会をつくる」や「出前授業などの活動」など、校内に限らず校外とも連携した取り組みについて提案する役員たちもいましたが、今回のように他校の先進事例などをさらにアンテナを立てて調べながら、様々な活動に挑戦してもらいたいと思いました。
今回は、お声をかけていただいてから実施までの期間が短かったため、特に中学校の生徒会役員の皆さんに向けては、ワールドカフェ形式の進行方法や生徒会実態調査の調査項目に関わる事前打合せにしか関われませんでしたが、特別活動部からは、「来年の交流会に向けても是非関わっていただきたい」とお声をかけていただきましたので、江東区の中学校からも「新しい生徒会」の動きがつくれるように関わっていければと思っているところです。
生徒会役員たちの交流会と一部並行して教員向けに行われた特別活動部教員研修会では、事前に回答してもらった生徒会活動に関する実態調査の結果から特徴や課題を共有させてもらうとともに、海外における生徒会活動の紹介なども含めて、一般社団法人生徒会活動支援協会が出版した「『新しい生徒会』の教科書」で書いてきた「新しい生徒会」について、特に、「A:生徒主導の校則を見直す仕組みづくり」「B:生徒が生徒会予算を提案・決定する仕組みづくり」「C:生徒と教員が対等に意思決定する学校会議の設置」「D:地域の生徒会連盟による社会参画活動の推進」などについてお話をさせてもらいました。
現状の生徒会活動から一気に変革をということはなかなか難しいかもしれませんが、「本来生徒会とはどうあるべきなのか」と考えながら、先導的な取り組みなども参考にしながら、できることからでも「新たな生徒会」の取り組みについても挑戦していってもらえれば幸いです。
なお、江東区特別活動部からご提供いただいた「生徒会活動に関する実態調査」の結果などについては、また別の記事でご紹介できればと思います。