【生徒会とは】全員が発言できる!盛り上がる「クラス討議」の進め方
「生徒会」は「生徒会役員の会」だと思われがちですが、本来は全校生徒を構成員とする組織です。特に全校生徒の意見を学校運営に反映し、「生徒会」を学校における民主主義の実践の場とするうえで、「クラス討議」は非常に重要な場になります。
生徒総会や学校行事の前に行われる学校も多い「クラス討議」。全校生徒の声を学校作りに反映させるための大切な機会ですが、現場では悩みを抱えている生徒会役員や学級委員(司会者)も多いようです。
この記事では、しんと静まり返った空気をほぐし、クラス全員が当事者意識を持って発言できる「盛り上がるクラス討議の進め方」について紹介します!
1. クラス討議で意見が出ない3つの理由
対策を考える前に、まずは「なぜ発言が出ないのか」という原因を知っておくことが大事です。大きく分けて以下の3つが原因です。
何を話せばいいのか分からない
質問が抽象的すぎると、考える手がかりをつかめません。「学校を良くするための意見はありますか?」と聞かれても、範囲が広過ぎて誰も答えられません。
間違った発言をするのが怖い
「変なことを言ったら浮くかも…」という不安や、周囲に合わせなければならないという空気が、発言のハードルを上げます。
「どうせ言っても変わらない」と思っている
意見を出した後のフィードバックがないと、生徒は「話しても意味がない」と感じ、当事者意識を失ってしまいます。
クラス討議を活性化するには、これらの原因を取り除く事前準備と当日のファシリテーション(進行術)をセットで導入することが成功の鍵です。
2. 【事前準備】「特にありません」を滅らす3つの仕込み
討議の成否は、当日までの準備に大きく左右されます。
テーマは「具体的」かつ「身近」なものにする
生徒会執行部から提示するテーマは、具体的にイメージできるものに言い換えましょう。
- 抽象的な問い: 「校則の改正についてどう思いますか?」
- 具体的な問い: 「登下校中の防寒着(コート・セーター)の指定について、どう変えたらより過ごしやすくなると思う?」
事前アンケートやワークシートを用意する
当日、突然考えるように求められると、意見をまとめられず黙ってしまう生徒もいます。前日までに、「選択肢から一つ選ぶ」「一行だけメモを書く」などの事前課題を出しておくと効果的です。シートは事前に回収しても、当日に各自が持参しても構いません。
安心して話せる約束を共有する
討議を始める冒頭で、司会から次の3つを伝えます。
クラス討議の 3つの約束
- どんな意見も否定しない。「無理でしょ」と決めつけない
- 人の意見に乗っかってもOK!「〇〇さんと同じで……」から始めてもよい
- 「正解」を探すのではなく、「アイデア」を出す
3. 全員が話しやすくなる4ステップ
全体でいきなり「意見ある人?」と挙手を求めても、発言できる人は限られます。まず一人で考え、次にペアや班で話し、最後に全体へ広げる順番にすると、発言のハードルを下げられます。
【Step 1】個人で考える(1〜2分) ▼ 【Step 2】ペア・班で共有する(3〜5分) ▼ 【Step 3】クラス全体で共有する(5〜10分) ▼ 【Step 4】司会がまとめ、お礼を伝える(2〜3分) |
Step 1: 個人で考える(1〜2分)
各自、ワークシートに自分の考えをメモします。「何も思いつかない人」のために、選択肢(例:A案・B案・現状維持)を用意しておくと親切です。これは事前にやっておくと当日話し合いの時間を多く取れます。
Step 2: ペア・班で共有する(3〜5分)
隣の人、または4人班で「自分はこう書いたよ」と共有します。人数が少ない場所なら、シャイな生徒でも発言しやすくなります。
- コツ: 「一番面白いアイデアを出した人を班の中で決めてね」とミッションを与えると盛り上がります。
Step 3: クラス全体で共有する(5〜10分)
指名する際は「〇〇さん、どう?」ではなく、「第3班では、どんな話が出ましたか?」と班単位で尋ねます。個人の意見ではなく「班の意見」にすることで、発言者の精神的負担が大幅に減ります。
Step 4: 司会がまとめ、お礼を伝える(2〜3分)
出た意見を黒板(またはプロジェクター)に整理し、「たくさんの意見をありがとう!生徒会に責任を持って届けます」と締めくくります。
4. 司会(学級委員・ファシリテーター)が使える相づちの例
司会や学級委員は、ただ発言者を指名するだけではありません。意見を受け止める一言があると、次の発言が出やすくなります。
- 「それ、とても新しい(重要な)視点ですね!」(意見の価値を認める)
- 「〇〇さんの意見に付け足すとしたら、どんな案がありますか?」(アイデアを拡げる)
- 「なるほど。違う立場の人は、どのように感じますか?」(対立意見を穏やかに引き出す)
- 「〇〇さんの意見は、黒板のここに書いておきますね」(意見が受け止められたことを示す)
無理にすべての意見の内容を評価しようとするのではなくまず受け止めましょう。
5. 討議後のフィードバックを忘れない
クラス討議を次につなげるうえで、特に大切なのは「事後のフィードバック」です。
意見を出した生徒が一番冷めてしまうのは、「頑張って話し合ったのに、その後どうなったか分からない」という状態です。
- 集計結果を全校に知らせる:「クラス討議でこんな意見が〇〇件出ました!」を生徒会だよりや掲示板で即日〜数日以内に報告。
- 評議会や生徒総会での議論につなげる: クラス討議であがった意見をまとめて、評議会での議論や、生徒総会でも討議の場をつくり、生徒会全体での議論につなげる。
- 先生・学校との話し合いの進捗を伝える:「出た意見をもとに、来週校長先生と話し合ってきます」などの進捗をこまめに伝える。
すべての意見を実現できるとは限りません。実現できない場合も、その理由や今後の対応を伝えることが大切です。「自分たちの発言が生徒会に届き、学校を動かす材料になった」と実感できれば、次のクラス討議にも参加しやすくなります。
クラス討議は「民主主義の練習場」
クラス討議は単なる事務作業ではではありません。対話を通して、全員で学校をよりよくしていくための場です。
- テーマを具体的・身近なものにする
- 「個人→ペア・班→全体」の順で、発言のハードルを下げる
- 出た意見の「その後」を絶対にフィードバックする
まずは次のクラス討議から、「班ごとの共有」を取り入れてみてください。雰囲気がガラリと変わります。ぜひ、あなたの学校でも試してみてください!
