[私の生徒会履歴書 #005 川名悟史] 「縁の下の力持ち」的な存在が各地の高校で生まれることを期待
高校1年の11月から大学卒業までの4年強、生徒会活動支援協会に所属していた筆者が、そもそもなぜ生徒会活動にここまでの長い年月関わってきたのか、そして、そこから何を思うのかを読んでくださる皆様に共有できればと思い、10年前の中学校における生徒会活動から振り返ってみます。
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経歴 川名 悟史(元 埼玉県立春日部高等学校 生徒会会計、文化祭実行委員会 会計局長兼ホームページ局長) |
中学時代から始まった生徒会活動
私が本格的に生徒会活動(以下、生徒会)に携わるようになったのは、中学1年生にさかのぼります。地元の公立中学校における「総務」という役職に立候補した私は、主に生徒会員である全校生徒の声を汲み上げることを公約に意見箱の改良や、熊本地震が発生した際には募金活動を生徒会の活動として行うなどしていました。中学2年後半から3年前半にかけては生徒会長に就任し、そこで徐々に生徒会の面白さにはまっていった私は、単年度の活動になりがちな生徒会活動に限界を感じ、複数年に跨いだプロジェクトを試みましたが、様々な障壁により実行段階に移すことはできませんでした。その際、漠然と他校との交流の機会の必要性や、生徒会顧問の生徒会活動に対する理解の乏しさなどを痛感するとともに、生徒会の意義についても考えるようになりました。また、会長時代には、組織におけるエンパワメントに関するビジネス書を読み漁り、私自身のスキル向上も含め、役員の特性やスキルを可視化し、それぞれの役員に適した役割やタスク分担を実施しました。しかし、この構造は生徒会長が一方的に仕事を押し付ける形にもなりかねず、今振り返ると、もう少しタスクの振り方を含めて「民主的な」プロセスを踏めばさらに良い生徒会活動になったのではないかなとも思います。
様々な幅が広がった高校時代における生徒会活動
中学3年で見学に行った高校の文化祭(通称:春高祭・カスコウサイ)にいわば一目ぼれ状態で高校に入学し、文化祭実行委員になりました。私の高校では文化祭実行委員会幹部と呼ばれる生徒がいわゆる文化祭実行委員会における執行部の存在であり、かつ、実質的な生徒会役員として活動していました。高校1年生の時から生徒会全体と文化祭の予算・決算の作成に携わりました。特に、生徒会活動全体の予算は1,000万円強だったこともあり、文化祭や各種委員会、部活動にどのように割り振るのか、どう折衝対応をするのかなどを考えていました。文化祭実行委員会では、生徒会から割り振られた予算をどのように増やすのかということで、各企業からの協賛を募ったり、オリジナルグッズの収益を増やすことで対応していました。
しかし、2年目の文化祭が終わった際、その当時のままの収支が続くと、繰越金が減り続け、文化祭はもとより生徒会予算がひっ迫していくことが分かりました。そこで、過去4年分程度の生徒会の支出全てを見直し、結果、部活動遠征費が大きなウェイトを占めていたことが分かりました。その遠征費の支出を同窓会から一定程度負担していただくことが可能なのかを同窓会の担当者と、高校の担当教員との間で調整を行いつつ、それが規則的にも可能なのかを埼玉県事務要項を確認しながらロジ業務を行いました。他にも文化祭時の新たな収入源として、大学の食堂でよく見かけるような食堂のおぼんに企業の宣伝用紙を挟んだり、ステージ規格の名前を「○○会社presents(企画名)」のような協賛方法を運用しようと考えておりました。
しかし、結果的にこれらを実行段階に移す前に新型コロナウイルスの感染が拡大し、全ての計画が頓挫してしまいました。
様々な幅が広がった高校時代における生徒会活動
結果的に、コロナの影響等々で高校最後の文化祭などは行うことができませんでしたが、予算作成のプロセスにおいてGoogle Classroomで予算申請や予算の折衝、予算公開等を行った点は、これまで以上にロジ業務を丁寧に行うことの重要性を学ぶとともに、私のスキル向上にも大きくつながりました。また、実行委員会の経理部長として参画していた「第8回全国高校生徒会大会」では、たくさんの会社や大学から協賛をいただくことができ、さらに当時の外務活動としては初めてオンライン開催をするなど、様々な経験をすることができました。
こうして振り返ってみると私の生徒会活動は「順風満帆で、完全に成功した!」と胸を張って言えるようなものではないことに気が付きました。しかし、その都度、ステークホルダー間の調整を十分に行い、ロジ業務を徹底している点は、現代の生徒会活動を担っている方にも参考になるのではないでしょうか。生徒会活動といえば、華々しく活動をしている人や外務活動で活躍している人が注目されやすいですが、そうした人と同じくらい、ロジ業務をつつがなく行うことのできる「縁の下の力持ち」が必要です。生徒会活動をより民主的で、サステナブルな活動にするためにも、「縁の下の力持ち人材」が増えて、強力な生徒会活動の基盤が各地の高校で生まれることを期待します。