[私の生徒会履歴書 #009 五十嵐誠] 自分のために始めたことが全体の幸福を目指すきっかけに
「私の生徒会履歴書」。今回は一般社団法人 生徒会活動支援協会理事の五十嵐誠が、高校時代の内務活動について振り返ってお話ししたいと思います。
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経歴 五十嵐誠(元 東京都立八王子東高等学校生徒会会計、多摩生徒会協議会第9期議長)
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生徒会総務になったきっかけと実際
2016年、高校に進学した僕は、中学校で3年間ずっと学級委員をやっていた経験から、さらに自分を生徒会で成長させたいと思い、5月の選挙に出馬しました。
人前で話をするのは得意でも演説となると気後れしていた僕にとっては、競争選挙だったことも相まってとても大きな挑戦だと感じていました。長年母校にいらした先生曰く、全ての役職が競争選挙となったのは約15年ぶり。その中に名を連ねられるというだけで挑戦してみてよかったと思いました。翌日登校したとき、当選と貼り出された掲示を目にした時の感動は今でも忘れられません。
僕が会計を役職に選んだのは、集中的にお金の管理やデータ整理がトレーニングできる仕事だと思っており、そのような内容が得意だと思っていたからです。実際には、様々な生徒や顧問の先生などとのコミュニケーションも強く求められる仕事であり、やりがいを強く感じるものでした。
しかし、日常的に大変なこともありました。母校は公立ですが、年20回ほど土曜日にも授業がある関係で、先生が全員毎日来ているわけではなく全員が揃うのは週2日だけ。そのため、全団体の顧問教諭が揃う日に会計処理日と職員会議が重ねて設定されていました。それは「提出された会計書類に不備があれば、職員会議が終わって顧問の先生が会議室から出て訂正してくれるまで帰れない」ことの裏返しでもありました。最終下校を超えても残ることも少なくなく、通気性の高い廊下で30分以上待つことや、帰りのバスで多くの先生方とご一緒することも珍しくありませんでした。ただ、こうした機会も逆に顔を売る良い機会だったかもしれません。
情報処理とにらめっこしていた1年目
役員1年目で主に取り組んだのは、翌年度以降の金額管理の電算処理領域の拡大準備でした。要はPCがやれることは全て任せてしまおうというものです。以前はExcelで会計執行を管理するシートで提出から額面の管理までを行い、別のシートで経営企画室(事務室)の執行処理が終わったものから団体ごとの予算執行状況を手打ちで管理していました。
これでは年間200を超える書類があるためミスが生じやすいままであると考えました。そこで関数を導入した自動化システムを試作し、本運用に繋げました。特にIF関数とVLOOKUP関数の使い方や論理を学んだ1年間だったように思います。
他には会計処理のカレンダーを書類へ記載する試みも行いました。母校では年度初めに各団体の会計担当者に対し、会計処理や予算申請・折衝に関する手引書を作成して配布していました。以前は定期考査や長期休業など、会計処理日の変更などを学校中に掲示・周知していましたが、分かりづらかったようで多方面から問い合わせが多く来ていました。それを予め手引書にカレンダーにして提示しておくことで問い合わせが減り、学校での可処分時間を増やすことができました。
さらに副次的な効果として、掲示に使用していた用紙は生徒会費で購入したものだったため、結果的に印刷量を削減でき、事務用品費の圧縮につなげることができました。もともとは業務効率化のためにやったことが、回りまわって生徒会費の支払額に対する生徒の受益額を拡大することにつながるという思わぬメリットがあったのです。
当時作成した手引書。このカレンダーのおかげで余裕が生まれました。
放置される「ルール」と無関心の狭間にあった2年目以降
役員2年目は「有名無実化していた会計規定を改正してみないか」という会計顧問の提案を受け、生徒手帳の記載を実態のワークフローに近づけるべく、内容精査と改正案作成を主導しました。
本来は生徒会として民主主義的プロセスに則り、生徒手帳に記載された手順を遵守した流れに戻してから対応すべきだったのかもしれません。しかし、当時創立から約40年間1度も見直されず、記述内容も曖昧で、誰にも馴染みのない運用にするよりも、現状に沿った形で整備し直す方が現実的でした。改正案は翌2018年の生徒総会で後輩に議題として取り上げてもらい、2019年度からの変更が可決されました。達成感はとても大きく、僕たちの代の生徒会総務メンバーや生活指導部の先生はもとより、担任団をはじめ多くの先生方にも広く認めていただけたのは嬉しかったです。
一方で、生徒にとって重要な変更でも周囲からの反応はあまり無く、少々寂しかったのも事実です。「自分達はもう卒業するから関係ない」というような空気を感じていたので、これに対してはある種の諦めもありました。また前述の通り改正案が適用されたのは2019年度からで、僕はもう卒業していました。そのため、生徒手帳で改正内容を確認できなかった悔しさがあり、今でも時々それを思い出しています。

中央委員会に会計規定の改正案をスライドで対応させて提出しました
また、この年は多摩生徒会協議会(以下、多摩恊)の議長(代表)になり、外務活動にも力を入れました。様々なテーマで定例会を開催したり、第6回全国高校生徒会大会(NSCC6)の映像配信企画「NSCC TV」に出演させていただいたりしました。こちらについては、機会があれば振り返ってみたいと思います。

多摩協議長としてNSCC6の議論番組に出演したこともありました@衆議院第一議員会館
自分たちの学校でのルールを見つめ返すことは、誰にでもチャンスはある一方で、なかなか実行に移されにくいものです。きっかけは何でもかまいません。ぜひ「自分ならこう変えてみたい」、「自分と先生とで解釈がどう違うのか」などと問うてみてください。そして、身近な人と話し合ってみてください。そこに対して「なぜ?」と興味を向け、自分なりに論を立ててみること、そこから道が開けてくるはずです。誰よりも『生徒にとっての生徒会』を知っている生徒の皆さんのご活躍を祈念しています。

校内の会計業務や多摩協での活動から日本生徒会大賞2018で奨励賞受賞

