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[私の生徒会履歴書 #013 小笠原洋至]中編:1学年だけの生徒会

[私の生徒会履歴書 #013 小笠原洋至]中編:1学年だけの生徒会


経歴

小笠原 洋至(芝浦工業大学柏高等学校第33期生徒会長など)

  • 2011年3月 芝浦工業大学柏中学校生徒会会計就任
  • 2012年12月 芝浦工業大学柏高等学校33期生徒会長就任
  • 2013年4月 第2回全国高校生徒会大会実行委員就任

 

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1年生は役員になれない!?

前編では、蔓延る学校への不満感に一石を投じるべく生徒会会計として本部入りをしたものの、その実効性の無さに落胆。ビジネス書という武器を手にして高校生徒会への下準備をしていた、というお話をしました。
そんな私は晴れて高校に入学し、早速生徒会本部で活躍――とはいきませんでした。
というのも、高校の生徒会任期は12月からの1年間。たとえ中学からの内部進学者でも生徒会役員となるには原則1年生の12月に行われる選挙で選ばれるしかありません。選挙によらず活動できる「補助役員制度」も一応ありましたが、募集すらされない年もあるなど、形骸化しており適切に機能していませんでした。また母校では3年生は早々に部活なども引退するため、2年生の12月に立候補するような人はいません。よって、1学年のみで構成された生徒会本部が1年間だけ活動をするという、およそまともな引き継ぎも、それによる長期的な課題解決もできない制度的な問題があったのです。

そんなわけで一旦空白期間を挟みつつも、選挙に至ります。中学では本部役員すべてについて選挙が行われますが、高校では会長及び副会長2名の選挙のみ行われ、残りの役員については会長による指名制という形です。すでに会長選に中学生徒会を共にした同級生が出ることは分かっており、彼が私を役員に任命するわけがないと考えたこと、なにより自らが描いていることをより多く実現するために会長に立候補しました。

「生徒会長」は優秀である必要はない

一般に生徒会長というとどのようなイメージでしょうか。成績優秀で品行方正で先生からの信頼も厚い人物…。役員経験者はあまり偏見はないかもしれませんが、漫画などの影響もあり、生徒会に疎い方からはこういった見方をされることが多いような気がします。
しかしながら私は大きな問題を起こすタイプではないものの、たとえ先生であっても自分が間違っていると思うことには従いませんし、成績も下から数えるほうがだいぶ早く、当選後にも会長として自分で招集した会議に数学の補習で出席できなくなりそれを未だに友人に笑われる、そんな人間です。ゆえに生徒会長として適格者であることをアピールするのではなく、「この人に任せたら学校が良くなりそう」というイメージを持ってもらうことを意識して選挙に臨みました。
「顧客が欲しいのはドリルではなく穴である」という格言がありますが、生徒たちは別に優秀な生徒会長がほしいのではなくて、より良い学校生活を求めていると考えたためです。実際に演説では「学校のあるある」として皆が小さな不満を抱えているような課題を例示しながら、教員や保護者、ときには他校を交えながら解決を目指しますのでぜひ私に任せてほしいという趣旨で「お願い」をしました。
また、時代はちょうど生徒にもスマートフォンが爆発的に普及し始めた頃。元来、母校は2000年代から全員がPCを持つような情報教育に力を入れている学校でもありました。そこで、各種情報発信や招集、申請資料の提出などをインターネット上で行えるようにする――いまでいうDXの草分けのような改革も提案しました。ただDXとは逆に、他の候補者はPCで書いてくる選挙公報をあえて手書きで提出して、人柄や信頼感を演出してみたりといった手も意図的に使ったりしましたが。
結果これらの作戦は功を奏し、生徒会長に当選。ここから高校編がやっとスタートします。

引き継ぎがないのはチャンス

前述の通り、制度的な問題から上の代からの引き継ぎ・連携は望み薄で、実際「リーダー研修会」と呼ばれる、年間活動を上からなぞって説明する引き継ぎ会を半日実施しただけで、基本的にはそれきりでした。ただ私はこれを旧来のやり方にとらわれないで済む好機と捉え、ずっとやってる伝統だから…みたいなことは一切気にせずに業務を見直します。
例えば環境意識の啓発や福祉施設などへの寄付を目的としてペットボトルキャップの回収を行っていましたが、定期的に回収と洗浄が発生し、業者の引き取りまでに大量に長期間保管しなければならないため、時間的にも物理的にも活動を圧迫していました。もっとやるべきことがあるし、もっとタイパ・コスパの良い仕事をするべきだと思い、このペットボトルキャップの回収は廃止に。今思えば福祉委員会や美化委員会に業務を移管することが一番だったのかもしれませんけど。

一方で、すべてを一から設計し直すのはとてつもない労力がかかります。先代がそこまで参考にならない中、モデルケースを他に求めた私は学校外に目を向けます。ちょうど私が生徒会長になった年度、あるイベントが行われます。それは現在も名前を変えて続いている全国大会の初回に当たる、「全国高校生徒会大会2013」でした。この全国大会を始めとした各種外務活動に参加する中でたくさんのモデルケースや知見を得ます。そこから先々代の生徒会役員や先代の高校会長、あるいはPTAや一部教員との個人的なつながりで学校固有の事情をヒアリングしてチューニング、新しい生徒会運営の形として還元していきました。こういった外務活動の話はまたどこかでいたしましょう。

ちなみに前編でお話した生徒会室の環境の悪さですが、回収した一部で先代までに作られたペットボトルキャップアートで窓に目隠しをしつつ、掃除や整理整頓で誤魔化していました。とはいえ吹奏楽部の騒音などはどうにもならないので、放課後に行う会議やら書類作成の大半はみんなでスタバに通い詰めて閉店までずっとわいわいやっていました。土曜の午後にスタバで後輩含めて会議していたら、実はそばに先生がいて会話内容聞かれ笑われるなんてことも。良い子のみなさんは不用意に学外で会議しないようにしましょう。

後編に続く……