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[私の生徒会履歴書 #012 小笠原洋至]前編:変えられない生徒会とビジネス書


きっかけは学校への不満感

経歴

小笠原 洋至(芝浦工業大学柏高等学校第33期生徒会長など)

  • 2011年3月 芝浦工業大学柏中学校生徒会会計就任
  • 2012年12月 芝浦工業大学柏高等学校33期生徒会長就任
  • 2013年4月 第2回全国高校生徒会大会実行委員就任

 

皆さんは自分の学校、好きですか?

私の中学当時、設備の不満、学費が高い、文化祭が面白くない……そうした学校に対するネガティブな言動が同級生の間で目立っていました。母校の評判のためにも述べておきますが、卒業してかなりの月日が経った今となってはとても楽しく良い学校生活であったと元同級生と話しているわけで、客観的にどうであったかという話ではなく、少なくとも生徒の間で学校に対する不満感が蔓延していたということです。

第一志望のあの学校に行けていれば…みたいな人たちの空気感もあるのかもしれません。不満感はあるけれど、「しょうがないよね」という諦めとともに学校生活に馴染んでいく。実際に不満を解消すべく行動に移す人はまず居ませんでした。このような学校は他にも意外と多くあるのではないでしょうか。

現状をただ受け入れて、あるかも分からない改善を待つというのは私の性分に合いません。特に母校は中高一貫校。基本的には6年間同じ学び舎で過ごしていくわけで、普通の中学・高校と比較して倍の時間は同じ環境にいるということです。実際に変わるかは分からない、でも一石も投じずに終わるのだけは違う、なにかできることはないのか?そうした思いが私を生徒会に向けたのはごく自然なことでした。

何も変えられない生徒会を目の当たりに

そうして中学2年生で、会計事務的なことが好きということと他の立候補状況を鑑みて生徒会会計に立候補、信任されました。初めて生徒会本部(=いわゆる執行部)というものに触れた私はその予想以上の実効性の無さに驚きます。

母校は中高一貫校では比較的珍しいのですが、中学と高校では生徒会が完全に別で構成されており、活動についてもお互いに干渉するようなことはありませんでした。ただし生徒会室は共用であり、使いたいタイミングが被って困ったり、共用しているコピー機関係の会計処理がはっきりしなかったり、それによる不都合も多々。しかもこの生徒会室がかなり異質で、廊下に対してガラス張りでカーテンなし、中で何をしているか丸見え。放課後は吹奏楽部の練習が真横で行われるという、なかなか難のある部屋です。なんとなく高校優位で使っている雰囲気はあるので大幅に部屋をいじるわけにもいかず。おそらくは透明性をもった運営をみたいな理念的な要素でガラス張りになっていて、中学増設時に生徒会室は新たに作らなかったとかそういう経緯だとは想像しているのですが。ともかく、そんな環境ではまともに放課後に会議ができるはずもなく、週一程度昼休みに集まったり、配布プリントを折るといった作業はできても、長期的な課題を話し合ったりということは結果としてほとんどありませんでした。

中高生徒会室(文化祭時撮影のため散らかっている)

また生徒会本部に入って、想定以上に事務的な内容が多いという気づきもありました。総会議案関連はもちろん、代表委員会など会議向けの説明資料、広報誌、内部の議事録……こういった仕事は生徒会執行部経験者なら誰しもが思い当たると思います。説明資料などはおろそかにできない意外と重要な業務ではあるものの、そういった平常業務に忙殺され、学校に蔓延る課題の発見・解決を図ることができなくなることは私には本末転倒にも思えました。

ビジネス書のすゝめ

ところで、当時ある本が流行っていました。その名は「もしドラ」。正式には「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本です。映画やアニメにもなりました。現役の皆さんにとっては生まれた頃の本ですので、存在すら知らないのではないでしょうか。内容を簡単に説明すると、甲子園を目指す野球部のマネージャーが、普通は経営者などが参考にするドラッカーの「マネジメント」という本を間違って買ってしまうが、読んでいくうちに野球部のマネジメントにも応用できるのではないか?と本で学んだ内容を活かして野球部を導いていくというような本です。

この本に出合った時、私と同じようなことを考える人はやっぱりいるんだ!と嬉しく感じたのをよく覚えています。先に述べたような平常業務を改善したい、あるいは自分が会長だったらもっと上手く組織を動かすためにどうすべきか。

≪わかりやすく伝えるにはどうしたら? より効率的なタスク管理はなんだろう? 効果的な広報ってどうするの? 伝わるデザインってどんなの? よりよい課題分析は?……etc≫

こうした多くの疑問を模索するうち、私が最も参考にしたのはビジネス書でした。生徒会も一般企業も、組織を動かして目的を達成するという点で業務の多くが相似しています。いまも外務活動(=学校外での役員交流など)では生徒会に限定したこの手の課題に対するノウハウ共有が多くを占めている印象がありますが、それより何十年以上もの間、多くの人々の叡智が積みあがっているビジネス書を利用しない手はありません。私は思い描いた生徒会活動ができないフラストレーションを消化するように、ビジネス書を読み漁り、ノウハウを蓄えていきました。

現役の皆さんの中には「ビジネス書って難しいものでしょ?」と感じる方もいるかもしれませんが、今は本に限らずWEBやSNSにも易しく書かれた多くの情報があるので、ぜひ学んでみることをお勧めします。とはいえ、生徒会の業務に具体的にどう活かしたら良いか分からないという方もいらっしゃるでしょうから、今後この生徒会.jp上でもご紹介していけたらと考えています。

中学を糧に高校へと挑む

一部の役員と折り合いが悪かったこともあり、結果として中学時代の生徒会活動では当初思い描いていたような不満感を解消していくことはほとんどできませんでした。成果ベースで見ても、その年の生徒総会の議題はスクールバスの本数とか、教科書のデジタル化といった学校外を巻き込むような議題ばかり扱ったということもあり、実現したことはあまりなかったと思います。
しかしながら今振り返れば、生徒会という組織の現状・課題をとらえ、ビジネスノウハウという武器を準備し、その後の高校生徒会へと挑む布石となったという点で私個人にとっては大変有意義な中学生徒会時代でした。そしてなにより、生徒会活動支援協会の一員として活動する今日に至るまで、「生徒会」にどっぷりと浸かることになる、人生を大きく変えた中学生徒会時代だったのかもしれません。

中後編に続く…

投稿者プロフィール

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小笠原 洋至
1996年東京都生まれ。芝浦工業大学柏高等学校で生徒会長を務めた後、慶應義塾大学総合政策学部に進学し同学部を卒業。全国高校生徒会大会実行委員も務めた。