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「交流と防災」の両輪で生徒会連盟の新たなモデルを提示する:第9回日本生徒会大賞受賞者インタビュー


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連続企画でお送りしている「第9回日本生徒会大賞(2025年開催)」受賞者インタビュー。今回は、団体の部で大賞を受賞された「新潟県生徒会連盟」の皆様へのインタビューをお届けいたします。

受賞理由

近年、各地で生徒会連盟が発足し、学校間の意見交換が活発化するなか、「交流」のみならず、地域における「防災」に力を入れた活動を行っている点は全国的にも珍しい。複数の私立高校の生徒会役員が主体となりつつ、防災を専攻する大学教授の監修や、日本防災士会・新潟県支部との連携を通じて、専門性の高い「防災部通信」の発行や防災イベントなどを継続的に開催している点を高く評価した。防災はどの地域においても重要な課題であるからこそ、他の高等学校生徒会の外務活動として新たなモデルケースとなる好事例である。今後は、県教育委員会や公立高校との協働を模索し、より多くの学校における生徒会役員が参加できる仕組みづくりに挑戦するなど、県内全域、ひいては北陸地方にも広がる活動となることを期待している。

インタビュー参加者

<インタビュイー> ※役職はインタビュー当時
滝澤 瑠美さん(新潟明訓高等学校 生徒会執行部)
滝澤 空さん(東京学館新潟高等学校 生徒会長)
桑山 未夢さん(北越高等学校 生徒会長)

インタビュー

新潟県生徒会連盟として第9回日本生徒会大賞「団体の部」を受賞した感想を聞かせてください。

「2年生の時に新潟県生徒会連盟に加入して以来、1年間の活動が認められて嬉しいです。これまで取り組んできた先輩方の思いを受け継ぐことができました。」(滝澤瑠美さん)、「高校に入学して、生徒会副会長と会長を務めていました。その生徒会活動と新潟県生徒会連盟の活動を2年間両立できたので、嬉しい気持ちです。」(滝澤空さん)、「1年生の時に他校の友達に声をかけられて新潟県生徒会連盟に加入しました。普段の生徒会活動以外をこのように評価していただいて嬉しいです。」(桑山未夢さん)

新潟県生徒会連盟の設立の経緯を教えてください。

新潟県生徒会連盟は、新潟県内の高校生徒会が連携し、情報交換や交流を深めるなかで、防災情報の発信や防災啓発の活動を共同で行うことを目的に設立された団体です。防災意識の向上を重要なテーマとし、地域社会への貢献を目指しています。設立のきっかけは、2022年10月に開催された「世界津波の日」2022高校生サミットin新潟に新潟明訓高校の生徒が参加し、同サミットの議長を務めたことです。その後、公立・私立の高校を問わず生徒が募集され、2025年6月時点で県内8つの高校が加盟しています。

新潟県生徒会連盟はどんな活動をしていますか?

新潟県生徒会連盟には「交流部」と「防災部」が設置され、それぞれが異なる役割を担っています。交流部は、新潟県生徒会連盟に加盟している各校の生徒会役員が、自校の取り組みや学校行事に関する情報共有を行い、学校間の交流を活性化しています。防災部は、防災知識の普及と啓発を目的としており、地域社会に向けた貢献活動を展開しています。

様々な地域で生徒会団体が設立されつつあるなか、新潟県生徒会連盟では、学校間の交流だけではなく、「防災部」を立ち上げたことが非常にユニークです。「防災部」について教えてください。

新潟県生徒会連盟の「防災部」が行う活動は多岐にわたっています。まず、SNSやウェブサイトを活用した防災情報の発信があります。加盟校の生徒が協力し、防災の最新情報を提供することで、より広く防災意識を浸透させることを目指しています。たとえば、新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志教授の監修を受けて「防災部通信」を発行しています。「防災部通信」では、実際の災害事例や対策方法を紹介することを通じて、防災意識の向上を目指しています。新潟県防災局の公式X(旧ツイッター)でも紹介されています。
 
また、日本防災士会・新潟県支部などの防災関連団体と連携し、防災啓発の活動も行っています。新潟県生徒会連盟にいる生徒会役員の中には、こうした防災啓発の活動を機に、実際に防災士試験に挑戦して防災士の資格を取った人もいます。

今後、「新潟県生徒会連盟」としてどんな活動を目指していますか?

全国規模の防災イベントに参加したいと思います。2025年9月に開催される「ぼうさいこくたい」(防災国民推進大会)が代表例です。新潟県の高校生による防災活動を全国に広めることを目指しています。また、新潟県生徒会連盟の加盟校は、2025年7月現在、私立高校にとどまっているので県内の公立高校の生徒会にも参加を呼びかけていきたいです。できるだけ多くの新潟県の高校生が関わることができる生徒会連盟にしていきたいと思っています。ありがとうございました。

新潟県生徒会連盟は、生徒会の情報交換の場にとどまらず、防災意識の向上を目的とした社会貢献活動を積極的に展開しています。加盟校の拡大とともに、より多くの高校生がこの活動に参加し、地域社会に貢献することが期待されます。第9回日本生徒会大賞を受賞したことを契機に、新潟県生徒会連盟の活動が全国の「生徒会団体」のモデルケースとして広まっていくことを祈念しています。

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