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組織の発展と増す責任:関西連盟が第5回総会


12月23日、東大寺学園高等学校(奈良・奈良)雑華ホールにて平成29年度第5回関西生徒会連盟総会が開催された。今回は計32校から約100名の参加があり、高知県など非常に幅広い地域からの参加があったことが特徴的であった。冒頭、副代表の山本航平さん(東大寺学園・高1)から、参加者に関するデータを用いた説明があり、参加者属性の多様性、そして初めての参加となる生徒が多いことが示されていた。

今回の連盟会は2部構成で実施された。午前の部においては各班が設定された4議題から1つを選択し、その議題に関して議論を深めていくという形式で展開をされた。(1)役員の選出方法、(2)勧誘と引き継ぎ、(3)議論の進め方、(4)生徒会の悩み、以上4点の議題が設定されていた。参加者のうち、初めての参加が多かったこともあってか、生徒会の『基本』を見直す様な意見交換が各班で行われた。

特に、”勧誘と引き継ぎ”の議題を選択した班においては、秋冬期に世代交代が行われる参加校が多かった為、『引き継ぎ資料は紙媒体を用いて行うべき』『日誌をつけると良い』などと言った具体的な意見交換が行われていたことが強く印象に残った。

午後の部では、生徒会長を中心とした”生徒会組織のあり方”に関して議論が行われた。各班に1名ずつ生徒会長を配置した後、生徒会長を含めての議論、生徒会長を一時的に除いた議論、再び生徒会長を含めた議論を順に展開することによって『生徒会長の存在意義』に関して実感を伴った議論を行っていたことが特徴的であったと言うことができるだろう。議論内容を共有する時間に於いては、各参加者の『生徒会長に対する諫言』から具体的な提案まで、多種多様に渡る内容が発表されていた。

関西生徒会連盟代表の大山竜也さん(神戸大付属・高2/写真右)と副代表の栗林寿樹さん(西大和学園・高2/写真左)に関西連盟の特徴に関して話を聞いた。「関西生徒会連盟は参加校の幅の広さが魅力」と語る大山さん。それに合いの手を入れるように「関西連盟はアットホームであるのが何よりものいいところ」と栗林さんも語ってくれた。運営の仲の良さが垣間見える瞬間であった。更に、関西生徒会連盟の将来について栗林さんは『10年、20年先も続いていってほしい。また帰ってくることができるような場所で有り続けてほしい』と話す。一方で大山さんは『代表という仕事は全体のことを考慮して話を進めなければならないのが難しいところ。』との本音が垣間見せた。(大山さん・栗林さんへのインタビューは後日別記事で詳報する。)

参加者にも話を聞いた。宮地凌央さん(高知県立高知追手前・高2/写真)は関西生徒会連盟への参加が2回目だという。『高知にはこのような団体がないので大きな刺激を受けた』そうだ。加えて、高知県内にも関西連盟の様な団体があれば良いと考えているそうだ。その理由としては『横のつながりを広げ、情報交換をできることは重要』であると感じているそうで、今後の展開に期待したい。

三重県からの参加者である松林由起さん(三重県立津・高2/写真)にも話を聞いた。東海生徒会連盟の代表である松林さんは、関西生徒会連盟の特徴は『議論の豊富さと学校への持ち帰りやすさ』であるという。『規模の大きさが議論の豊富さを生み、それが学校への持ち帰りやすさに繋がる』という松林さんは『東海生徒会連盟も頑張っていきたい』と抱負を語ってくれた。

関西生徒会連盟というと、他地域の団体との接触が薄い様な印象を持たれているかもしれない。しかし、実際には、12月26日に行われる生徒会大会(首都圏生徒会連盟 主催)には多くの議長・参加者を派遣する他、2018年3月に開催が予定されている第6回全国高校生徒会大会では、栗林寿樹さんや松林さんが副実行委員長を務めている他、実行委員を多数送り込むなど、非常に大きな組織へと発展を遂げているのである。

最近、生徒会大会や全国高校生徒会大会など、異なる地域から参加者が集う外務イベントが増えて来ている。生徒会活動の発展という観点を考えた際に、関東や東海、関西のそれぞれの文化を”上手く融合”させた先に、新しい「価値」が創出される事が明らかである。だからこそ、関西生徒会連盟に求められるものが増々大きくなっているという事ができるだろう。関西生徒会連盟の今後の活動に心から期待を寄せている。

投稿者プロフィール

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栗本 拓幸
1999年生まれ、東京都出身。浅野高校卒、慶應義塾大学総合政策学部在学。統治機構改革、若者の政治参画、憲法改正などが主たる研究・関心領域。他、キャリアに関する授業登壇、AO入試対策など多数。Podcast「この○○の片隅から」配信。2019年度限りで理事を辞任。