Slackを活用した生徒会組織における情報共有(寄稿)
Slackは、2013年に公開されその直後から24時間で約8,000ユーザーの登録数を獲得することから始まり、急速に世界中で普及し、利用者を増やし続けているアメリカ発のコミュニケーションツールである。また公式サイトでは、「人々と組織、そしてツールを一元化することで、多様でシームレスな『働き方』を実現するコラボレーションハブ」であると明記している。Slackは世界中に普及しており、会社などの「チーム」でコミュニケーションを図るための一つの手段として活用されている。身近であれば、学校などの教育機関でSlackが活用されている学校もある。
SNSを活用した生徒会活動の悩み
生徒会活動というのは、放課後の活動時間で活動が終わることは少なく、会議等の連絡や会議資料の共有などは、LINEをはじめとしたSNSでコミュニケーションをしている学校が多い。だが、SNSを用いる際には、「プライベート」と「生徒会活動」の連絡が混同してしまい、話の行き違いや既読スルーなどが発生するのも事実だ。実際、地方・地域連盟での外務活動にて「LINEでの連絡で生徒会役員が反応してくれない」といった議論が良くある。自身、関西で活動をしている身である為、関西の状況しかわからないが、このような悩みは関西に限らず生徒会役員共通の悩みであるのではないかと考える。
ここで、1つ言っておきたいことは、LINEではなくSlackを生徒会活動に取り入れて活用すると、活動が活発になるのか。ということだ。これは連絡や情報共有の効率が上がるだけで、活動の活発化とは比例しないと考える。今回の寄稿で執筆しながら、生徒会活動におけるSlackの運用には理想と現実があり、日々試行錯誤している。
Slackの活用方法 -京都府立南陽高等学校生徒会を例に
チャンネルを分ける
Slackにはチャンネルというものがあり、「#○○」というように、名称を設定できる。南陽生徒会では。本部内に分掌や学校行事等を分けているので、以下のようになる。
また、鍵マークがついているチャンネルはプライベートチャンネルといい、限られたメンバーで話すことができる。そして、チャンネルを分けることでLINEのデメリットである「話が混同する」ということを解消できる。
リアクションを使う
Messengerでも使われるが、相手のコメント・メッセージに対し、以下のようにリアクションができる。既読はSlackではわからないので、「了解」などの確認の意味を込めて「リアクションをつける」ということを、運用当初からのルールとして決めておけば、生徒会内での意識統一を図ることができる。
非通知時間を設定する
生徒会役員の「活動改革」のため、通知される時間を決める。「おやすみモード(iPhone)」「非通知モード(Android)」のように、端末自体で通知をオフにすることもできるが、Slackで非通知時間を設定しすることもできる。例えば、24時(0時)~6時はオフにするという設定ができる。これにより、メリハリをつけ活動ができる。
コメントやメッセージにインデックスをつける
コメントやメッセージの前に、インデックスをつけることで、連絡なのか。緊急なのか・採決なのか。が一目でわかる。また、検索をかけることで情報が一目でわかるようになる。ここでは、【○○】のような形で表記している。
おわりに
半年以上、Slackを使ってみて一番思ったのは、「Slackは使い慣れないと上手に活動できない」ということである。活用できなければ、逆効果で生徒会活動に悪い影響を与えると考える。しかし、LINEとSlackを併用運用することで互いの良いところを使い、悪いとことを補いながら運用していくことで、生徒会内における連絡や情報共有が一層良くなるのではと考える。
実際に、京都府立南陽高等学校生徒会ではLINEとSlackを併用運用しており、以前課題で挙げられていたことは改善されている。しかし、併用運用することにより新たなデメリットが生じ、日々試行錯誤しながら活動をしている。生徒会活動というのは日々進化し続ける。その時の運営体制や人数、学校行事ごとに連絡や情報共有に使用するツールを使い分けることが大切なのではと私は考える。
【文・本文中の画像】新谷 涼太朗(京都府立南陽高等学校・附属中学校 高等学校生徒会本部)
【タイトル画像】Slack:メディアキットより
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