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生徒会交流会〜新入生をどう歓迎するか?・目安箱について~(寄稿)


2023年4月29日、首都圏高等学校生徒会連盟が主催する「生徒会交流会」がオンライン上で開催された。当日は、8名が参加し、「新入生をどう歓迎するか?」、「目安箱について」という2つのテーマに分かれ、グループディスカッションを行った。

開催目的

 各学校の生徒会役員たちが、テーマに沿った学校の現状と解決すべき問題について話し合う。生徒会活動の話はもちろん、それぞれの学校事情(校則やコロナ禍の学校行事など)に関する情報共有も気軽に行えるよう企画された。また他の学校の生徒会活動を知ることで、自分の学校の生徒会活動を見つめなおす機会となり、より良い学校づくりを目指すきっかけにもなる。

開催までの流れ

 本交流会の企画の話し合いは2022年秋ごろから始まった。日程・議題の候補・募集方法・当日のタイムテーブルについて何度か検討を重ねていき、2023年4月中旬にポスターが完成した。参加者募集の際は、首都圏高等学校生徒会連盟のSNS公式アカウントや外部の生徒会団体のメールのグループチャットにて宣伝を行った。

議題について

 今回は「新入生をどう歓迎するか?」、「目安箱について」という二本柱で、話し合いを進めた。

 まず「新入生をどう歓迎するか?」という議題に関して、本交流会の開催時期が学校の新学期と重なっていたこともあり、定例会にて新入生歓迎会の話が持ち上がった。運営者の中で「それぞれの学校は新入生をどうやって歓迎しているのだろう」という疑問が浮上し、今までの生徒会交流会でもあまり触れられてこなかった議題だと考え、この議題が設定された。

 一方で、「目安箱について」は度々生徒会交流会で話題になっている。現在、いくつかの高等学校で生徒会活動の効率化を図るべくデジタル化が進んでおり、目安箱もその一例である。そこで、それぞれの学校における今日の目安箱の現状や改善点を共有し、更に現状を踏まえ、目安箱の必要性や今後の目安箱はどうあるべきかについてディスカッションを行いたいと思い、議題を設定した。

当日の流れ

 交流会当日は、応募フォームに記入してもらったメールアドレスを基に、参加者をオンラインミーティング(zoom)に招待し、参加してもらった。最初、本連盟の代表を務めている安藤氏による代表の挨拶がされ、パワーポイントを映しながら当日の流れを説明していた。その後、ブレイクアウトセッションでは2つのグループ(ファシリテーターと書記も含めた4人で構成)に分かれ、アイスブレイクを行った。私のグループでは、自己紹介と学校の近況報告について話した。次に、それぞれの議題について20分程話し合った。発表と広報タイムの後、余った時間を使って再度ブレイクアウトルームに分かれ、お互いの生徒会活動を紹介したり、質問し合ったりする時間が設けられた。

〈タイムスケジュール〉   

14:45~15:00 ZOOM 入室開始
15:00~15:10 代表より挨拶・諸注意
15:10~15:20 アイスブレイク
(議題ごとにブレイクアウトルームに分かれる)
15:20~16:00 グループセッション
16:00~16:10 休憩
16:10~16:20 発表(グループで代表者1名)
16:20~16:30 各団体による広報タイム
16:30~16:40 代表より挨拶
16:40~17:00 自由交流
17:00 閉会

         

グループディスカッション

 今回は交流会ということだったので、テーマに対する結論は出さず、「自分たちの学校では…」というように、各学校事情に関する情報共有を行い、コミュニケーションの活性化を図った。

 新入生の歓迎について共有するグループでは、今年度の新入生の歓迎会についてどのような形式で行ったかということを中心に話し合われた。一方でもう一つの班では、目安箱の現状と、今どのくらい機能しているのかという話題で盛り上がった。それぞれの参加者の学校の生徒会では、多くが目安箱を使用していない、あるいはディジタル化によってSNSを活用した意見募集が行われているとのことだった。箱に書きに行くよりも生徒会役員に直接声をかける人も多いので、なかなか従来の目安箱というのは使用されにくいようだ。

 ディスカッションでは、始めのアイスブレイクの時間や交流会が終わってからフリーディスカッションの時間が設けられていた。そこでは、現在の各学校の校則や自販機・お菓子の販売・コロナ禍の学校行事についても触れた。校則の話では、女子のスカート丈や生徒の髪型の規制など、生徒会が問題視していたり、学校と協議段階にあったりする項目が頻繁に上がった。学校によって規制・緩和している部分が異なるので、聞いていて面白かった。

 また、今の時代ならではのテーマ(BYOD端末の使用の可否、コロナウイルス感染対策の緩和における生徒のマスク着用の割合)も話題になった。スマートフォンの使用に関しては、授業はもちろん登下校中においても使用が規制されている学校がある一方、授業では許可された範囲で電子機器を使用できたり、登下校中も特に制限がない学校もあったので、それぞれの生徒の様子や課題について気軽に話し合うことができた。

発表・共有

 ブレイクアウトルームでそれぞれ40分ほど話した後、全体のミーティングに戻り、各グループで話し合った内容を2分程度で代表者が発表した。前述の通り、設定された議題のほかに参加者が他の学校について知りたいことがあればそれを共有することもできたため、その結果も説明してくれた。その後交流会の運営に携わった者の挨拶があり、最後はフリートークの時間を当初の予定より少し長く設けて話し合うことができた。そして、以上をもって今回の交流会を無事終えることができた。

反省点・参加者の感想

 今回の交流会を終えて、その後のミーティングではいくつかの反省点が上がった。それをもとに、運営側で改善策を考えた。

①準備期間が普段よりも短かった。

 交流会を開催するまでに何度か定例会を重ね、当日の要項を決めてきたが、開催時期や広報の期間が少し遅れてしまった。それによって参加者募集の期間も短くなってしまったので、こまめに参加できる人たちで話し合い、準備も分担しながら行っていこうと考えた。

②当日、設定した議題で話し合う時間があまりなかった。

 交流会によっては全体が見れるzoomミーティングだとなかなか話しにくい環境もあり、話し合いが長く続かないケースがあった。しかし、今回はブレイクアウトルームに分かれて少人数で話し合える環境が整っていたので、どちらのグループも活発に話し合うことができた。そのため、オンライン上の交流会でも議題について、じっくり話し合う時間を設けたほうがいいのではないかという結果になった。

 また、交流会について参加者から以下のような感想が寄せられた。

・オンライン形式だったので、気軽に参加できるし、話し合うことができるので、これからも続けてほしい。その反面、やっぱり対面で話せた方が、交流しやすいし、皆がいる雰囲気が良い。

・協議会だと、設定された議題を中心に話すので、なかなかフリートークが出来ないが、交流会だと、それぞれの学校の情報を共有できるので、そのコミュニケーションも楽しかった。

・宣伝の手段をより大々的にやるのはどうか。メールのグループチャットやInstagramなどのSNSを使っていない人にも、情報が行きわたると、より多くの首都圏の学校の人たちを巻き込めるのでは?

最後に

 今回開催された交流会では、短い時間の中でよりたくさんのコミュニケーションを重ねることができました。設定された二つの議題(新入生の歓迎方法・目安箱の現状や課題)について話し合えたことはもちろん、そこから派生して様々な学校事情を各々共有したようなので、それこそが交流会の在り方なのではないかと思います。新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以降、我々のような生徒会団体もオンラインミーティング形式を採用してきました。オンラインだと指定の場所に集まらなくても家から参加できるため、簡単に話し合うことができます。しかし、対面で話し合う時ならではの空気はなかなか画面上では生み出せません。今後の生徒会交流会ではオンラインミーティングも活用しつつ、参加者のみなさんと直接会ってお話出来る機会を少しずつ増やしていきたいです。

 参加してくださった皆さん、この度は交流会にお越しいただき、本当にありがとうございました。運営の方々もお疲れさまでした!


【文】片桐夏菜(第17代首都圏高等学校生徒会連盟 運営/東京大学教育学部附属中等教育学校)