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『理想の文化祭』って?:第11回集まれ文実!


12月22日、成城高等学校(東京・新宿)にて「第11回集まれ文実!(あつ文)」が開催された。今回のあつ文では、関東圏の高校生をはじめとして計120名が参加した。今回は、前回までの形式から方法を変え、討論グループの議長・書記を廃止し、全グループ共通の議題を話し合った。

開会式の後に、獨協高校(東京・文京)の文化祭実行委員長・生徒会長の2名が今年の文化祭の反省を参加者全体で共有した。その後あつ文運営から参加者に向けて、文化祭を成功させる上でのポイントなどを発表した。ポイントとしてあげていたものは以下の通り。

  • 生徒ー生徒/生徒ー教員などの関係各所との情報・イメージ共有
  • 「こだわり」を持つ
  • 計画性を持って活動をする
  • 他校との連絡を密にし、ノウハウを共有する
  • 文化祭を誰のためにやるのかを意識して活動をする(お客様?それとも生徒?)
  • 実行委員会内やクラスでの人間関係を大切に

反省点を共有した後、グループに分かれ、「理想の文化祭」という議題のもと話し合った。議長がいない中、率先して議論のイニシアチブをとっている人も多く見られた。また、理想の文化祭ということで現在行なっている文化祭はどのようなものがあるかを共有する班も見られ、グループの特徴が議論の進め方に色濃く出てたように感じる。約5時間の討論を終え、発表会を3つ場所に分かれて行った。
ある班では、『東京ドームを1週間貸切って行う文化祭』を考えた。東京ドームはスペースが広く確保でき、また雨天時でも問題無く開催できると考えた。ただし、コスト面では、1億5,000万円という費用が算出されたが、1人あたり8,000円、7日間で35万人が来場すれば賄える額だそうだ。また、別の班では、地域の商店街とのコラボ商品の発売や近隣校との合同企画を「ワンチーム」のテーマのもと開催することを提案した。目玉企画として、小学生向けに生徒会役員ないしは文化祭実行委員による中学入試解説の模擬講義、チームラボによる昼夜祭・後夜祭などを計画した。

あつ文代表の原田泰地さん(暁星・高2/写真)は、年度内でやれることが少なかったり、モチベーションの低下を悩む文化祭実行委員は少なくないということに目をつけ、プログラムを見直したという。その中で、「モチベーションの低下」に焦点を当て、企画した。討論の形式を変えた理由のもう一つに「外務活動の衰退」を挙げた。中でも、運営のマンネリ化に対して危惧しているといい「運営が団体について常に客観的に考え、変化していくことがこれからの外務運営に求められていると思う」とこれからの外務への展望を語った。

今回のあつ文では参加者個人の『理想』を語る良い機会になっただろう。しかし、理想といってもある程度実現できるものと完全にできないものがある。理想論を述べることも大変重要であるが、限度を考慮するかどうかで各班の討論内容が異なっていた。事前に運営側が理想のレベル感を参加者全員と共有した上で討論に臨めば“より実現性のある”文化祭が開催でき、自校に還元することができるだろう。

【文・写真】川名悟史/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員

投稿者プロフィール

川名 悟史
川名 悟史
2002年埼玉県生まれ。一般社団法人生徒会活動支援協会専務理事。埼玉県立春日部高等学校卒、上智大学総合人間科学部教育学科に在学。高校在籍中は、生徒会会計、文化祭実行委員会会計局・ホームページ局長として活動。第8回全国高校生徒会大会経理部長を務めた。現在は、教育社会学や教育行政学を領域に研究している。