8月29日、「高校生徒会オンラインリーダー研修2021 with 松下政経塾」が開催された。昨年度に引き続きオンラインでの開催で、全国から80名を超える参加者が参加した。研修では、今年度の日本生徒会大賞受賞者のプレゼンと生徒会活動支援協会理事長である高橋亮平の基調講演の後、「理想の生徒会」をテーマに参加者同士がディスカッションを行った。そして、最後には松下政経塾の金子一也塾頭より「理想のリーダー」についての特別講演があった。

日本生徒会大賞2020 大賞受賞者プレゼンテーション

学校の部で大賞をとった渋谷教育学園渋谷高等学校生徒会のプレゼンでは、自校の取り組みである、生徒会組織体制の見直しや企画書のテンプレート作成について紹介した。そのうえで、生徒会活動では「問題意識を強く持つこと」と「粘り強く交渉すること」の2つが大切だと述べた。

団体の部で大賞の多摩生徒会協議会も同様に団体の活動紹介を行った。同協議会では、生徒会が学校内で無力である現状を踏まえて「生徒会の外務団体を活性化して生徒会に対する社会の信頼を上げることで生徒会の力を示す」という理念をもとに活動しているという。

個人の部で大賞を受賞し昨年度の多摩生徒会協議会議長としても活動した章子昱さん(桐朋学園高校・3年)は、生徒会と教員の立ち位置や現在の生徒会の課題について話した。国民と政治の関係を全校生徒と生徒会の関係に見立て、学校現場では生徒や生徒会の上に教員が立つというヒエラルキーがあることが問題だとした。また、生徒会活動の課題として生徒の政治への無関心や生徒会活動に主体性がないことをあげ、民主主義教育や選挙の重要性を話した。

基調講演

基調講演では、欧州の学校協議会や青年協議会を中心に、海外の生徒会活動の事例や若者が与えている社会への影響の紹介があった。
例えば、ドイツでは、生徒が、保護者代表や教職員、地域住民との会議に出席して、生徒会に関する事柄だけでなく、学校生活全般のテーマに関して話し合いを行う制度が確立しているという。
日本でも18歳選挙権引き下げなど多くの若者がかかわっていることで実現している事例があることから、今の時代は若者の力が大きくなっていると強調した。

グループディスカッション

ワールドカフェ方式でのディスカッションでは、「理想の生徒会」について生徒会の現状や課題を交え、意見を出し合った。あるグループでは、「生徒の要望や意見を実現できる」ことや、「学校全体を活性化できて、より大勢が楽しいと思える学校作りができる」ことが理想の生徒会像だとした。しかし、課題として生徒会役員と役員以外の生徒で生徒会活動へのやる気に差があることや生徒会役員と教員が対立をしてしまうことがあげられた。そこで、生徒会の説明会やお昼の放送をして生徒会に関心を持ってもらう機会を設けたり、他校生徒会との情報交換を活発にして他校の事例を集めることでより説得力のある企画書を提示したりすればいいのではないかと考えた。

特別講演「松下幸之助とリーダーシップ」

松下政経塾の金子塾頭による特別講演では、”経営の神様”とも言われた故松下幸之助氏の理念や言葉をもとに、リーダーに求められることについての解説があった。松下氏の教えではリーダーに求められることとして「リーダーシップ」「マネジメント」「徳」の3つが必要だという。しかし、多くの経営学校では「徳」の代わりに批判的思考を意味する「critical」を含めた3つが大切だと教えている。ここで、あえて「徳」を大切にするのは、批判するだけではなくそれを受け入れる素直さや人間力も必要だという考えからだ。また他には、素直さと人へ感謝すること気持ちから生まれる「運の良さ」、笑顔で人から好かれる「愛嬌」、学校における教科書での勉強だけでなく学校を出てからも独自の修行を続けられるという意味での「勉強ができる」、夢や理想を語れるような「説得力がある」ことなどがリーダーに必要だという。

 

今回のリーダー研修は、学校のリーダーとして、またこれからの日本リーダーとしてどのような心持ちであるべきかを考えさせられるものだった。この研修を通して、各学校での生徒会活動がさらに活発になることを願う。

【文】桐田 理央/一般社団法人 生徒会活動支援協会 運営委員
【文】土 明良/一般社団法人 生徒会活動支援協会 運営委員