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ドイツやスウェーデンを見習い日本の主権者教育も自治と参画を合わせた「新しい生徒会」を柱にすべき


スウェーデンには生徒会の全国組織がある

スウェーデン及びドイツにおける生徒会組織・支援イメージ

スウェーデン及びドイツにおける生徒会組織・支援イメージ

欧州における若者参画先進国では生徒会の全国組織や地域連合体、支援組織などが整備されている。
その形式は、国や地域においても異なるが、ここでは視察調査を行ったスウェーデンやドイツの事例を紹介していこうと思う。
スウェーデンには生徒会についても全国組織「全国生徒会(Sveriges elevråd(SVEA))がある。全国生徒会は、6年生~9年生の学校の生徒会のための共同組織であり、1994年に設立し、全国規模の若者団体でも最も大きな団体の1つである。
全国生徒会の最も大きなプロジェクトは、年3回行う生徒会役員を教育するための全国規模の大会(National gathering)の開催だ。この大会には全国から会長副会長200~300人が参加する。
2つ目が、生徒の権利に関する情報をFacebookやSNSなど様々なメディアでの提供だ。スウェーデンでは、学校内で生徒会が生徒の権利について話し合うことも多く、教科書や授業の中でも触れられている。
スウェーデンの全国生徒会では、政治家、国会議員、政府、国会などへのロビー活動も重要な要素であり、会の代表自らが行う仕事でもある。
ロビー活動は学校現場の中にもあり、学校の中で校長に対して要望するロビー活動などを行うことで、アイデアを実現するためには何が必要かを知るとともに、メディアや年上の人との接し方などの訓練にもなるなど教育の一環にもなっている。
ロビー活動にはステークホルダーと話す方法と、メディアを通じて行う方法があるが、全国生徒会では自分たちの要求の実現性を高めるため、2ヶ月に1度は7党の国会での教育担当者に会うようにしているほか、学校教育庁の長官や各省にも学期に1度会うと言う。
全国生徒会の代表は、こうした活動を通じて政府関係者や政治家と個人的な人間関係をつくり上げていくことがロビー活動において重要であり、いくつかの党の人と話をしてまとめることが大事だと話していた。
若者の声を政策形成過程に反映させる現場は国政レベルばかりではなく、自治体レベルの政策やまちづくりに若者の声を反映させる仕組みもある。その一つとして、スウェーデンにはもう一つの生徒会である「若者会(Youth Council)」がある。
若者会は13〜25歳の会員によって構成されており、それぞれの地域に若者会があり地域の政策に若者の声を反映させること、若者をエンパワメントすることを目的としている。
各自治体における若者会の運営形態も活動レベルも様々であり、市の公的機関として積極的に自治体の政策形成に関わっている若者会もある。若者会は地域で要望があると設置でき、スウェーデン国内の半分以上の自治体に何らかの若者会が設置されている。
このことについてはまた別の機会に詳しく触れたいと思う。
※スウェーデンの若者参画については、以前書いた『「世界で最も若者の声を聞かない国」も来年からは新成人だけでなく18歳から選挙権の新時代に』(http://blog.livedoor.jp/ryohey7654/archives/52008372.html )なども参考にしてもらえればと思う。

ドイツにおける生徒会支援協会の取り組みと、州生徒会連合

ドイツには、生徒会を支援するための「生徒会支援協会(Schülervertretung-Bildungswerk =SV)」という組織も存在する。
生徒会役員約20名が5日間プロジェクトマネジメントなどについて学ぶ「生徒会コンサルタント養成研修」を年1回実施しているほか、この受講した生徒たちが「生徒会コンサルタント」として登録され、他の学校で講師として20~60名を対象に「生徒会コンサルタントセミナー」を年間50〜150回程度開催し指導できる仕組みを作っている。
こうした同年代で対等な関係で学び合う仕組みは「ピア・トゥ・ピア(Peer to Peer)システム」と言われ、非常に高い効果を生んでいるという。
生徒会役員たちは、生徒会の権利と義務、プロジェクトマネジメント、コミュニケーションレトリック、ディスカッション、チームビルディング、弁論技術、司会進行に必要なスキル等について学ぶ。
生徒会支援協会自体も生徒会役員経験者などを会員にしており、生徒会役員が卒業後も生徒会活動に関われるシステムにもなっている。
ドイツは連邦制を取っており教育については州ごとの分権化が進んでいるためスウェーデンのような全国生徒会は存在しないが、州ごとに生徒会の連合が存在する。
その具体的な取り組みについて、訪問した際の様子も紹介しておきたい。
選挙権年齢が16歳に引き下げられて初めての州議会選挙を控えていたブランデンブルグ州では、スーパー選挙イヤーと呼ばれる2014年を「参画の年(The Year of Participation)」と位置づけ、様々な参画の取り組みを進めていた。
単に選挙権年齢を引き下げるだけでなく、それに合わせて若者への政治的知識や関心を高め、参画する機会を増やそうという狙いからだ。
投票日の10日程前、ブランデンブルグ州生徒会連合と啓発キャンペーン「選挙の目覚め(Wahlwecker)」の共同主催で州の政府官邸を会場に若者による参画フェア「Participation fair “Ready for Democracy“」が実施されていた。
企画・実行が全て州生徒会連合メンバーによって行われ、若者による若者の為のフェアとなっていた。
州全土から約150名の生徒が参加し、当日のイベントには20を超える若者団体や政党青年部がブースを構え、参加した高校生が自由に意見交換をして回っていた。
※様子については、動画で是非。 NPO法人Rightsドイツスタディツアー報告<高校生による16歳選挙キャンペーン版>( http://www.youtube.com/watch?v=r__-x8a7PJ8

投稿者プロフィール

1976年生まれ。明治大学理工学部建築学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会理事。他に特定非営利活動法人Rightsや一般社団法人日本政治教育センターの代表理事も務める。市川市議、松戸市政策担当官・審議監、中央大学特任准教授など経て現職。国民投票法改正案につき衆議院法制審議会で参考人を務める。著書に『世代間格差ってなんだ』(PHP新書)、『20歳からの社会科』(日経プレミア新書)、『18歳が政治を変える!』(現代人文社)ほか。