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データ調査をしたら「生徒会長選挙実施はわずか7%」だった。千葉市の先導的取り組み


生徒総会も22%の仕事を教員が担うなど教員依存の現実


学校の中での生徒会活動における生徒会役員と役員以外の生徒、教員のそれぞれが関わる割合についても調査した。千葉市における生徒会の主な役割の中で、生徒会役員の関わる割合が最も大きかったのが「新聞発行」の87%だった。次いで「ボランティア」と「挨拶運動」の70%、「募金」の68%、「評議会」と「目安箱」の65%と続いた。逆に、「生徒会役員選挙」については役員の割合が25%なのに対して役員以外の生徒の役割が53%、「体育祭」においても役員24%に対して生徒53%、「部活動走行会」も役員39%に対して生徒45%、「文化祭」も役員32%に対して生徒43%と、イベント的な行事においては、役員だけでない生徒も一定の役割を果たしていることが分かった。委員会についても役員45%に対して生徒が40%を担っている。

教員が担っている割合については「小中交流」が役員55%・生徒5%に対して教員40%と最も高く、次いで「文化祭」の26%、「体育祭」23%となっているほか、「生徒総会」についても役員56%・生徒23%に対して教員が21%、「生徒集会」も役員55%・生徒22%・教員23%、「生徒会役員選挙」においても教員が22%を担っており、自治の部分においても教員に依存している現状も見えた。

学校規模による予算規模は17倍、一人当たり生徒会費は20倍

生徒総会と生徒集会の実績

予算ベースで見るとまた生徒会活動の割合も変わってきた。千葉市の中学校生徒会で見ると、生徒会予算の平均は約50万円なのだが、最も予算の多い学校が116万円なのに対して、最も少ない学校は7万円しかない。一方で生徒一人当たりの生徒会年会費の平均は1,106円だが、最も生徒会予算の少ない学校の生徒一人の年会費が2,400円と最も高く、最も安い学校の125円とは20倍近くの差がついた。こうした予算ベースで見た場合、学校規模の影響を強く受けることも分かった。

決算ベースで、生徒会予算の使い道を割合で見ていくと、最も多くの予算が使われているのは「行事の企画・運営」の26%で、次いで「本部運営」の17%、「専門委員会・学年生徒会等の運営」と「卒業記念品・新入生記念品」がそれぞれ14%、「生徒手帳」が12%、「部活動の運営」9%、「生徒会だよりの発行等広報」2%と続いた。「生徒手帳」の購入については、生徒会費購入している学校とそうでない学校があるなど、生徒会費の使い道も学校ごとに違いも見ることができた。また、活動面での割合と、予算から見た割合が大きく異なる結果にもなった。

投稿者プロフィール

高橋 亮平
高橋 亮平
1976年生まれ。明治大学理工学部建築学科卒業。一般社団法人日本政治教育センター代表理事、株式会社メルカリ経営戦略室政策企画参事。中央大学特任准教授、明治大学世代間政策研究所客員研究員、市川市議、松戸市政策担当官・審議監、神奈川県DX推進アドバイザー、千葉市アドバイザー、熊本市生徒会・校則見直しアドバイザーなどを歴任。国民投票法改正案につき衆議院法制審議会で参考人を務めるなど18歳選挙権実現の第一人者。AERA「日本を立て直す100人」や米国国務省から次世代のリーダーとしてIVプログラムに選出。著書に『世代間格差ってなんだ』(PHP新書)、『20歳からの社会科』(日経プレミア新書)、『18歳が政治を変える!』(現代人文社)ほか。