“実践”の追求:神奈川第33回生徒会会議が開催
2月11日、神奈川県高校生徒会会議の「第33回生徒会会議」が横浜市青少年育成センター(神奈川・横浜中区)で開催された。今回の生徒会会議は「広報紙を作ろう」をテーマに、プログラムの中で実際に広報紙を作っていくことが特徴となった。午前中のワークショップで、広報紙に必要なことに関する議論を展開し、午後からは、実際に各班が運営から与えられた題材を使い、模造紙サイズの広報紙を作成するワークの後、各班の広報紙が完成した後に全体発表、フィードバックが展開された。
今回の会議は運営・参加者混合で3班が設定され、合計21名で議論が進められた。開会冒頭は各班で緊張した雰囲気もあったが、昼食の時間が近づいていくにつれて次第に会場に活気が生まれ、午後の広報紙の作成の際は初対面とは思えないような活発な意見の交換が見られた。
発表の際には各班がプレゼンテーション形式で作成した広報紙の特徴や配慮した点などを説明した(写真)。また、その後のフィードバックの時間においては、参加者が各班の作成した広報紙に対してポジティブ・ネガティブの両面を付箋で貼り付けていった。その際に参加者が特に集中してコメントを書いていた様子がとても印象的であった。
会の終了後、参加者と代表を交えて感想を聞いた。まずは参加者である渡邉秀紀さん(獨協・高1/写真右)と西尾奈津実さん(田園調布学園・高1/写真下)に話を聞いた。参加したきっかけを尋ねると、渡邉さんは「先輩に誘われて」、西尾さんは「外務活動の経験がなく、何から初めて良いか分からない際に、偶然インターネット上で見つけた」であったそう。次に運営側に今回の会議に込めた思いを聞いた。代表の千島洸太さん(獨協・高2)は自身が生徒会会議に初参加した際の議題も”広報紙を作ろう”であったことから、それをインスパイアして今回の議題を設定したと話す。「特に今回の生徒会会議は外務活動の経験がない方が多い。だからこそ広報という身近なテーマを取り上げ、今後の活動の糧にして欲しいと考えた」とも教えてくれた。
この思いは参加者にも伝わっていたようだ。渡邊さんは「広報活動は如何に人に効率よく伝えるかが課題となる。だからこそ自分自身の視点だけではなく、他人の視点を取り入れることが出来た今回の会議は面白かった」と言う。また西尾さんは「外務活動自体が初めての経験であったが、生徒会という同じ立場で高め合うように話し合い、自分自身も成長できた。自分自身の学校の中で活かしていきたい」と話してくれた。
最後に渡邉さんと西尾さんに今後の神奈川県高校生徒会会議に期待するものを聞いた。渡邊さんは「議題を運営から与えられて議論するのではなく、会の中で参加者自身がテーマを設定し、それを議論する機会が欲しい」、西尾さんは「もう少し大きな視点から、生徒会が社会に貢献できることは何があるかということを議論したい」とのことであった。2人の意見を踏まえ千島さんは「様々な外務活動を見てきたが、話されている議題はどれも近しいもの。神奈川県高校生徒会会議が率先して今後求められるものを取り上げていきたい」と今後の抱負を述べた。
次回の生徒会会議は3月第3週のいずれかの日程で開催を調整中とのこと。各種生徒会団体で議論されている内容は理論ベースのものが大半である。一方で神奈川県高校生徒会会議は理論・実践の双方を議題に取り入れてきた実績がある。これからの神奈川県高校生徒会会議にもぜひ期待したい。
【写真】栗本 拓幸・荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会
投稿者プロフィール
- 1999年生まれ、東京都出身。浅野高校卒、慶應義塾大学総合政策学部在学。統治機構改革、若者の政治参画、憲法改正などが主たる研究・関心領域。他、キャリアに関する授業登壇、AO入試対策など多数。Podcast「この○○の片隅から」配信。2019年度限りで理事を辞任。
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