生徒会.jp(一般社団法人生徒会活動支援協会)では、このたび日本生徒会大賞2019を開催いたしました。多数の応募から審査委員会を開催し、日本生徒会大賞を個人・団体・学校に各1点、優秀賞・特別賞を個人・学校に各1点、奨励賞を個人に1点・学校に3点を授与することが決定いたしました。ここに審査結果をお知らせいたします。なお、その他応募された皆様にも生徒会活動賞が授与されます。

受賞者のみなさま

受賞者(敬称略・順不同)
日本生徒会大賞2019 (個人の部) 今池 陸晃(穎明館)
(団体の部)
  • 日本生徒会代表者会議
(学校の部)
  • 学校法人山崎学園 富士見高等学校生徒会
優秀賞 (個人の部) 菊池 隆聖(武蔵野大千代田)
(学校の部)
  • 海城高等学校生徒会執行部
奨励賞 (個人の部) 宮島 凜(山崎学園 富士見)
(学校の部)
  • 福島県立平工業高等学校生徒会
  • 福岡県立朝倉高等学校生徒会執行部
  • 滋賀県立河瀬高等学校生徒会執行部
特別賞 (個人の部) 新谷 涼太朗(京都府立南陽)
(学校の部)
  • 東京電機大学高等学校生徒会総務会

評価に際して

本大賞については、募集要項に基づき応募したすべての団体・個人の書類・添付資料を評価者が確認し、審査委員会において賞の対象者を決定した。

総評

昨年度に引き続き、ただ単に活動の成果のみを報告するものが目立った。無論、生徒会大賞の評価にあたっては、活動の成果の有効性も評価対象としているが、生徒会活動の教育的価値は、活動の成果そのものにあるというよりはむしろ、それに取り組む中で獲得される諸々の知識・技能・態度にある。生徒会は、全校生徒を会員として成立する組織である。その組織の活動が真に教育的価値をもつためには、限られた役員によって構成される生徒会執行部内の活動ではなく、全校生徒を巻き込んだ「生徒会」としての活動を行う必要がある。生徒会大賞は「生徒会執行部」大賞ではない。こうした認識を踏まえれば、優れた生徒会活動とは、前提として全校生徒を巻き込んだ活動でなければならず、全校単位で諸々の知識・技能・態度の獲得に繋がるような活動を行う必要がある。しかし、全校生徒を巻き込むことは、実際的には極めて困難な側面があるので、せめてその志向性だけでも忘れないことが重要である。

評価理由

(1) 日本生徒会大賞2019

個人の部:今池 陸晃(穎明館)

⽣徒会活動における「リーダー」として、学校内の活動のみならず、校外における枠組みにおいても、明確なビジョンに基づいて積極的に⾏動を積み重ねた点を⾼く評価した。積極的に活動や施策を展開したとしても、それらが⽣徒のニーズに応え得るもの、あるいは⽣徒の理解を得られるものでなくては、⽣徒会役員の「独りよがり」になってしまいかねない。また、⽣徒会執⾏部内の改⾰についても、「改⾰とされるもの」が実際に他の役員に波及し、良い⽅向への変化を⽣み出さない限りは、本質的に改⾰としての意味を成す事はない。受賞者本⼈が、積極的に各種施策を展開した事はもとより、それらのアウトカムに対して意識を向けていた事は、⼗分に評価に値するだろう。受賞者本⼈が展開した様々な施策が、今後に向けて持続的なものとなることに期待したい。

団体の部:日本生徒会代表者会議

昨年度は初回ながら首都圏問わず日本各地から生徒会活動に志す学校や生徒会団体の代表者を集め、最終的に議論内容を反映して生徒会・学生団体におけるリーダーのあり方について「共同宣言」という形で残しており、今まで見られなかった形式を取っている点、そして全国規模で活動を展開していこうという活動意欲がある点を大きく評価した。一方で団体としてどれだけ意思決定の拘束力を持つのか、採択された共同宣言が今後適切に機能するのか不明瞭であった。そして全国各地から参加者は集っていたが地域に偏りがあったこと、「日本」という全国規模の会議を謳っているがそれ相応の雰囲気が感じられなかったことは指摘したい。今後は「日本生徒会代表者会議」という団体名に適した持続可能な活動を盛り込み、公立校の参加数も拡充できるよう健闘してほしい。今後の活躍に期待したい。

学校の部:山崎学園富士見高等学校生徒会

学校内活動において工夫を凝らした生徒会活動に多く取り組んでおり、アイディアペーパーを活用し生徒から幅広く意見を募集、学校運営の向上に生かしている。さらに、それらを生徒全員で共有するための公開会議や座談会を実施し、一般生徒の当事者意識の向上ができている点を評価した。また解決策の立案・実行までで終わってしまう学校が多い中で、運用ルールの曖昧さ・参加率の低さといった反省から、より効果的な施策へ改善を図っている点は特に高く評価される。地域内外や受験生に対しても積極的な活動を行なっている点を含め総合的に判断し、大賞を授与するに至った。今後はこれらの経験を生かし、より高いレベルへの昇華を期待する。

(2) 優秀賞

個人の部:菊池 隆聖(武蔵野大千代田)

⽣徒会役員であれば誰しもが抱える「漠然とした課題感」に対して、明確な施策を講じ、解決に向けて学校内外で⾏動を積み重ねた点を評価した。特に、昨今のいわゆる教育改⾰の⼀環として、授業等への端末の導⼊、ないしはICTインフラの整備は全国各地の学校で展開が進んでいるが、その流れの中で⽣徒会活動にICT インフラを活⽤した事例は稀有であり、先進的な事例として社会的に⾼く評価されるべきであろう。また、SDGs といった社会的・国際的なゴールと⽣徒会活動を紐づけて、活動を展開した点も、これまでにない活動の形として、先⾒的なものであったと⾔っても過⾔ではない。総合的に個々の施策の練度が⾼かった他、その前提としての受賞者本⼈の課題発⾒・解決に向けた思考や⾏動を考慮し、優秀賞の授与を決定した。

学校の部:海城高等学校生徒会執行部

学校内を超えて地域さらには世界を視野に入れた社会貢献活動など、高い意識と広い視野を持った生徒会活動に取り組んでいる点に好感が持てる。また既存の学内活動に関しても、ICTの活用によって資源や労力の無駄を排除し効率良い運営を目指すなど、現状に甘んじることのない姿勢は評価に値する。全体として昨年の奨励賞からさらに工夫・発展させた姿が見られたことから優秀賞を授与するに至った。今後も継続的な活動を期待する。

(3) 特別賞

個人の部:新谷 涼太朗(京都府立南陽)

⽣徒会副会⻑として、⾃治的な活動を学校内で広く展開した他、「⽣徒会活動の在り⽅」といった俯瞰的な視点を探究し続けた姿勢を⾼く評価した。⽣徒会活動は、学校内の⽣徒や教職員、地域住⺠といった多種多様なステークホルダーと協業しながら営まれるものであり、本来は⾃治的な要素が強いものである。他⽅、様々な背景を基に、学校内で⾃治的な活動を展開する事は、今⽇においては困難さが⾼まっている事は⽬を背けることのできない事実である。そうした困難な状況においても、受賞者が公⽴校において積極的に活動を展開してきた事は、特別賞の受賞に値すると判断した。また、こうした活動が中学校における⽣徒会活動の経験に基づいていることも、注⽬すべき点である。受賞者本⼈の役職そのものは「副会⻑」であるものの、明確な課題意識に基づき、課題の発⾒と解決を試みてきた。この姿勢は全国で⽣徒会活動に取り組む⽣徒会⻑を含む⽣徒会役員の範となり得るものであると考える。

学校の部:東京電機大学高等学校生徒会総務会

生徒会役員一人ひとりの政策に対する意識が高く、地域の課題について自発的にヒアリングを含めて検討し、最寄り駅と協力した歩きスマホ防止のキャンペーンを実施するなど独自の特色ある取り組みは高い評価に値する。漫画美術同好会や放送部なども巻き込み、より多くの生徒が参加する形に工夫されている点も評価できる。今後も継続的に活動を行い、地域との関係をより強固なものにしてもらいたい。

(4) 奨励賞

個人の部:宮島 凜(山崎学園 富士見)

⽣徒会役員として、学校外で多様な活動に積極的に参画し、それらの活動や経験を学校内への還元を志向してきた点を評価した。受賞者の活動そのものは、「従来の⽣徒会役員像」とは異なるものではある事は否めないが、「学校の環境改⾰」そして「⽣徒の意識改⾰」を受賞者本⼈が強く意識していた点は、⼗分に考慮すべきであろう。受賞者本⼈の課題意識に基づいて、枠にとらわれずに多様な活動を展開してきた事は、「これからの⽣徒会役員像」として、評価を受けるに値すると指摘できる。こうした活動を基に、既存の学校内の⽣徒会活動についても、活性化に向けた動きを展開することを期待したい。

学校の部:福島県立平工業高等学校生徒会

国内外に対する社会貢献活動を積極的かつ継続的に長年取り組んでいる点について評価した。場当たり的な活動が多い中、活動理念を持って取り組んでおり、また広い協力関係を築いた質の高い活動に取り組むことができている。ただ一方で現状では生徒会役員による活動という印象が強く、一般生徒の巻き込みが今後の課題と言える。一般生徒の当事者意識に働きかけ、さらに有意義な活動となることを期待したい。

学校の部:福岡県立朝倉高等学校生徒会執行部

前年度まで行われていなかったアンケートでの意見回収や教職員との意見交換による学校環境の改善にあたっている。決して特異な活動ではないが、課題分析を行いながら新しい活動に積極的に取り組んでいる点について評価した。今後は福岡生徒会連盟なども活用しつつ、施策効果の検証なども行うと良いだろう。学校内・外の両面においてさらなる活躍を期待する。

学校の部:滋賀県立河瀬高等学校生徒会執行部

学校行事の運営において、計画から実行まで綿密に行い、生徒のみならず地域を巻き込みながら運営できている点について評価した。多くの課題に対して、解決案を模索しながら工夫して対処することができている。また資料が非常に見やすく、生徒に対し分かりやすく伝える工夫が見られることは好印象である。今後は全体の目的設定と現場の課題解決との両側面から改善を図っていくことが期待される。

日本生徒会大賞とは

日本生徒会大賞は、全国各地の学校生徒会・生徒会団体・生徒会役員を対象としています。生徒会の活動内容やシステムなどを評価することによって、生徒会活動が持つ本来の意義を再確認し活性化させることを目的とした賞です。今回多数の審査対象から受賞が決定いたしました。

今後も継続して日本生徒会大賞の開催を計画しております。詳細が決定いたしましたら、生徒会.jpにてご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。