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生徒会だからできる文化祭での取り組みは:多摩協定例会


6月23日、東京都立小平高等学校(東京・小平)にて、今年度2回目となる多摩生徒会協議会の定例会が行われた。参加者は、多摩地域に限らず神奈川県や東京都心部からも含めて30人が集まった。今回の定例会は「文化祭」をテーマに「生徒会が文化祭にどのように関わっているか」「生徒会だからできる文化祭での取り組みは何か」を6人グループに分かれて議論した。

はじめの議題「生徒会が文化祭にどのように関わっているか」では、生徒会本部と文化祭実行委員会が行う、それぞれ活動の区切りがどの点にあるのかという点から議論が始まった。あるグループでは、後夜祭の実施状況を互いに確認した後、特徴点を見出した。ディズニーリゾートのようなキャストとして文化祭実行委員や生徒会役員を位置付けている学校もあった。その上で、来場者の減少や内容についてどのように改善していくかの議論が必要との結論に至った。

つぎの議題「生徒会だからできる文化祭での取り組みは何か」においては、前段の議論を踏まえた形で進行した。化粧やスマートフォンの利活用など、現在校則では認められていない点について、文化祭期間中の臨時校則(ルール)を策定・運用してはどうかとの意見が上がった。学校執行部側としては「風紀が乱れる」という懸念からできたものだと考えたが、実際のところ授業でもICTが使われているのにも関わらず禁止とする理由が不明確との意見も出された。

別の班では「生徒会が文化祭という場において活躍する」という着眼点から、生徒会執行部が持つ特徴を考えた。地域や他校との連携が取りやすい、役員が選挙で選ばれている、広報力の強さなどが上がった。その上で、すでに行なっていることを参加者に尋ねたところ、学校紹介ビデオの製作、生徒による授業、ガイドツアー、生徒による学校説明会がそれぞれの学校から提示された。
これら他の班の議論も踏まえ、生徒会だからこそできることとして、地域との連携、SNSによる宣伝活用、各発表における宣伝や来場者に対するinstagramやtwitterなどのSNSを用いた直接広報などが提示された。

今回初めて参加したという、芦川拓真さん(高2・東京都立東大和)と仲野想太郎さん(高2・工学院大附)に、定例会から考えた今後の取り組みたいことや展望について、話を聞いた。議論の内容をどう生かしていきたいかという点について、芦川さんは「文化祭の関わり方において、生徒会本部の積極性をもっと考えたいと思った。他の学校では、クラスに限らず生徒会でもオリジナルスタッフTシャツをつくっている学校もあり、出来ることはまだ多い」という。仲野さんは「スマートフォンの持込問題などで前年度の役員任期が終わってしまった印象が否めない。公約も果たせていないのが現状であり、生徒会への関心度低下と役員(人手)不足が負のスパイラルに陥っている。その点を早急に解決したい」と語った。今後の協議会において取り組みたい事項について、芦川さんは「ボランティア活動の意義は理解しているのだが、その組織体制を考えるディスカッションがしてみたい」といい、仲野さんは「現在環境活動の一環として足尾銅山への植樹ツアーを取り組んでいるが、価値が見いだせていない状況になっている。新たな価値を創造する手立てを探す場にしたい」と今後への期待感を口にした。

【文・写真】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長

投稿者プロフィール

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荒井 翔平
1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会代表理事、一般財団法人国際交流機構理事、私立大学環境保全協議会運営委員などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。