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変化を起こせ、中高生が考える未来:生徒シンポジウム2021


3月28日、オンラインにて「生徒シンポジウム 2021 Online」が開催された。2019年度は新型コロナウイルスの影響により、開催中止となったが、2020年度は去年の運営委員もサポーターとして参加し、オンラインにて開催した。

今回のテーマは「Change」とした。2020年から21年にかけて、新型コロナウイルスの影響で社会情勢から日常生活まで大きく変化した。そんな状況下であっても、予測できない未来に対して中高生が今できることを考える機会をつくり、行動したいと考え、今回のテーマとなった。

〈小討論議題〉

  • 九月入学はあり?なし?
  • 全日制高校の意義
  • これからの日本語教育を考える
  • ジェンダーレスに対応するには?
  • お金持ちの才能
  • 考えてみよう、環境問題
  • ほんとにSNSって大丈夫?~誹謗中傷やフェイクニュースに扉動される私たち~

午前の小討論では6人程で各班に分かれ、参加者の興味のある議題を選択し、教育やジェンダーなどについて話し合った。政次優吾さん(桐光学園高等学校・投稿時高3)は食品ロスの課題解決を軸に「考えてみよう、環境問題」という議題を話し合った。まずは、食品ロスに関する情報を集め、その廃棄物によって及ぼす悪影響を考えた。可燃ごみとして処分することで二酸化炭素の排出に繋がり、生態系が変化することに繋がると推測した。次に、その課題をもとに「国」「個人」単位でできる行動・対応を議論した。国の政策を考える以外にも、市民の意識を変革する仕組み作りなど話し合った。

午後は「僕たち・私たちの理想の会社を作ってみよう」を議題に各班で話し合った。「働き方改革」が注目される中で、中高生にとってどのようなことが課題であり、自身にどのような影響を与えるのかが分からないのが現状である。そんな状況においてまずは現状を知り、次に中高生からの視点で“理想の働き方”について考える機会を作り上げたいと考え、大討論の議題として設定された。事前資料で社会状況や制度を確認した上で、中高生が考える企業での課題について議論した。ジェンダーギャップや労働時間、新型コロナウイルスによる影響など、ニュースで見かける問題も挙がっただけでなく、充実した福利厚生内容や質の良い労働環境など課題以外にも多くの要望が挙がった。最後に各班で課題解決を含めて、企業の理想の制度を作った。

5班(グループ名:学校法人 生徒シンポジウム学園)では、教員の労働環境を改善するための制度作りを行った。リモート授業の導入など以外にも、職員室でのお昼寝時間の導入や校長室の撤去など斬新的なアイデアがみられた。

 

 

今年度の代表を務めた、塚紗里依さん(日本大学第二高等学校・投稿時高3)は「自分自身の興味のあるテーマや社会問題に対して、他の中高生の意見を知ることができた。代表としても多くの人出会い、考えに触れられる機会となり、楽しみながら活動できた。」と語った。最後に「長い歴史のある団体であり、これからも愛される団体であってほしい。」とこれからの生徒シンポジウムの在り方についても述べた。

今回初めて参加した山本暖さん(武蔵野大学附属千代田高等学院・投稿時高1)は「議長を努めて、自分の意見を伝えることや雰囲気づくりをすることが困難だった。しかし、社会問題に対して意見共有し合える機会を経験できたことはよかった。」と語る。イベント終了後、達成感を感じるとともに、改善点もみつかり、「今後もこれらの経験を糧に、様々なことに挑戦したい」と話した。

 

今回のイベントでは、Googleが提供するGoogle JamboardやGoogle Formsを使用して、議論を円滑に進めた。対面でなくても意見を可視化できる要素を取り入れたことにより、議論しやすい環境づくりに繋げることができた。オンライン開催は初めての試みであり、成功した部分もあれば改善すべき部分も多く見られた。機械トラブルなどへの対処はもちろん、対面でなくても話しやすい雰囲気をつくるにはどうすればよいのかなど、団体の質を向上するための議論が更に必要だ。今回のイベントのテーマは「Change」で変化という言葉をキーワードに議題作成を行った。オンライン開催をし、全国の中高生を議論に取り入れることができたのは、大きな成果で生徒シンポジウムにとっても変化の年であった。新たな試みと改善点を次の機会につなげ、今後の活動と更なる発展に期待する。

【文・写真】菊池 隆聖/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員

投稿者プロフィール

菊池隆聖
菊池隆聖
2002年東京都生まれ。一般社団法人生徒会活動支援協会運営委員。早稲田大学社会科学部。武蔵野大学附属千代田高等学院に在籍し、生徒会長を務めた。生徒シンポジウム2020・2021 副代表や多摩生徒協議会 第11期副代表、日本生徒会代表者会議 共同代表などを歴任。学生プロジェクト Doersを設立後、1・2期代表を務めた。