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学校のルールとの向き合い方を生徒会から考える:NCRCイベント


5月13日、早稲田大学戸山キャンパス(東京・新宿)で、子どもの権利条約ネットワーク(NCRC)主催のイベントが「学校のルール・きまり どう変える?どこを変えたい?」をテーマに開催された。その中で、現役の生徒会役員もしくは生徒会役員経験者が、テーマにまつわる経験を発表し、それに基づいて会場内で意見交換が行われた。

冒頭の約1時間が発表に当てられ、千島洸太さん(獨協・高3)、遠藤貴也さん(関東学院六浦・高1)、五十嵐誠さん(東京都立八王子東・高3)が順にスライドを用いて発表を行った。今回は、この3名の発表内容に関して詳報する。

千島さんは、「学校内の喫煙禁止に関する学校側への働きかけ」及び「生徒会選挙におけるルールの策定」に関して発表を行った。「教職員による喫煙が学校の長年の課題になっていた」と話す千島さん、実際に生徒からの投書などを基に、生徒会執行部や評議会で議論を重ねた。そして生徒総会の場で「学校内での段階的な全面禁煙」を求める要望を可決、学校と折衝を重ね、今年度から実際に学校内が全面的に禁煙になったそうだ。また、生徒会選挙に関しては、それまで選挙活動のルールが一切定まっておらず、「単なる人気度投票になっていた」と振り返る。そこで千島さんは、公職選挙法を基に、生徒会選挙立候補者が行うことが出来る選挙活動を明文化、また、選挙事務に関わる物品も実際に選挙管理委員会から借用することで、生徒会選挙の「リアリティ」が高まり、選挙へのより積極的な参加が生徒に見られるようになったとのことだった。

遠藤さんは「文化祭における生徒の携帯使用」をテーマに発表を行った。遠藤さんが通う関東学院六浦高校では、文化祭準備期間及び文化祭期間中に生徒が携帯を使用することが出来ないそうだ。一方で、遠藤さんを始めとする生徒会側は、携帯を用いた様々な施策を展開しようとしており、学校側と今後交渉を行っていくつもりであるという。遠藤さんは同時に、様々なIT機器を用いた効率的な生徒会活動運営を考えていると言い、こちらも注目であると言えそうだ。

そして五十嵐さんは、「”意見郵便”と名付けられた生徒間・生徒教職員間のコミュニケーション施策」と、「生徒会則会計規則の改定」に関して発表を行った。”意見郵便”はそれまで八王子東高校に存在していた「生徒会目安箱」を代替する施策として2016年度に開始された。生徒から、生徒会総務(執行部)のみならず、各ホームルームや各種委員会、加えて生活指導部に質問や意見を投げかけることが出来る施策である”意見郵便”だが、現在では月に2~3通の投書があるそうだ。また、五十嵐さんは生徒会会計として自らが取り組んだ、「生徒会会則会計規定の見直し」についても発表を行った。

昨今は様々な生徒会団体の誕生により、学校内から学校外へと活動がシフトしている生徒会も少なからず見受けられる。一方で従来の通り、生徒会役員には「学校内の事柄に関する生徒の利益代表」としての役割が求められることは変わりようがない。学校のルールや教職員のスタンスが、生徒会役員のスタンスと相反することは時として起こる話ではある。ただ、それらに真摯に向き合い、安易な対立を招かず交渉を重ね、妥結を図ろうと行動を続けた先にこそ、真の価値を持った『共感』や『変革』が存在すると筆者自身は考えている。

そういった意味合いで、今回の発表は、本来の「生徒会」が持つべき視点で考えた発表でだと感じた。純粋なボランティア活動や奉仕活動とは一風違った、「生徒会活動らしい生徒会活動」が見直される時期が来ているのではないだろうか。

編集部注・スペシャルサンクス

今回の投稿内で、試験的にLinkedin Slideshareを用いた発表スライドの公開を行いました。なお、スライドデータに関して著作権を含む全ての権利は各発表者に帰属します。

今回のイベントは、2017年5月に開催されたNCRCイベント「生徒会の可能性とこれから」のセカンドイベントとして企画して頂きました。末筆ではありますが、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

【文・写真】栗本 拓幸/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事

投稿者プロフィール

栗本 拓幸
1999年生まれ、慶応義塾大学総合政策学部在学。一般社団法人生徒会活動支援協会理事、一般財団法人国際交流機構理事、日本シティズンシップ教育フォーラム会員など。公職選挙法改正に伴う「主権者教育」に関して、高校における生徒会活動に着目。各種研究・コンサルティングの他、文部科学省に対する提言発出等を実施。また、若者の政治・社会参加を進める「若者政策」のアドボカシーにも参画。