生徒会の引継ぎで残すべきものとは:多摩協
12月20日、昭和第一学園高等学校(東京・立川)で多摩生徒会協議会定例会が開催された。オフラインとオンラインでの同時開催の形で、合計30名を超える生徒会役員が参加した。今回の定例会では「生徒会の引継ぎ」をメインテーマに据え、「引継ぎで残すべきもの」「理想の引継ぎ」の2議題を5人程度のグループに分かれて各学校の引き継ぎの状況を聞き、 良い引き継ぎと悪い引き継ぎについて議論し、まとめに向かった。
各藩の議論では、引継ぎの手法・立ち位置など、幅広い内容が展開された。この内容は、定例会の最後で各班から共有された。
- 1班
- 引き継ぎはハプニングをなくすために行うものであり、全てを受け継ぐ必要はない
- 1・2週間一緒に活動をして、フランクな感じで引き継ぎの会を設ける
- 各役職にしかわからないことが多いため、見えない部分を引き継ぐべき
- 2班
- 先輩方の失敗や、コロナ間の新たな活動を引き継ぐべき
- 守破離:先輩の型にはまり→破って→離れる
- ビデオレターなど効果的に活動を引き継ぐ
- 対面でしかできない事項をを引き継ぎで行う
- 3班
- 前年度の反省や失敗などを引き継ぐ
- 生徒どうしの引き継ぎだけではなく、先生や委員会関連の連携の引き継ぎなどを行うべき
- 4班
- 生徒会の理念の暴走を止めるストッパーとして引き継ぎは必要
- 前年度活動記録があればゼロスタートではなくなる
- スケジュールやできなかった事項、機材の使い方、企画書の書き方、先生が突っ込んでくるポイントなど
- 精神論や仕事の繰越、プレッシャーを過度に与えることなどは引き継ぐべきでない
- 顧問間の引き継ぎも必要
- 任期が終わる3ヶ月前ぐらいに新規役員が一緒に活動するインターンの期間が必要
- 先輩がフォローできるような心の余裕を持つ
- 5班
- 「温故知新」が根本として重要
- 自分たちの経験などをパワーアップして引き継ぐ
- 失敗を繰り返さないようにフィードバック
- 自分たちの色をしっかり入れて、先輩の考え方とうまく組み合わせる
- 方法として、普段から行う、イベントとして行う
- 「任せる」ということをより考えるべき
- 一緒に活動をして体感してもらう
- 顧問と生徒間での引き継ぎも行う
今回、初めて定例会に参加した漢人優凪さん(都立国分寺・高1)は、今回の定例会からすぐに実践したいこととして「先生と直接議論を交わすことができる関係、先生に直談判できる関係を作って議論したい」と語った。前半の議論では、引き継ぎの意義をまず考え、しかしながら、やはり引き継ぎは必要だという話になり、何を引き継ぐべきか、同時に活動の意味にも話が派生し、引き継ぎで“蓄積された経験”や“失敗、成功、反省点”、生徒会の心理的な部分つまり具体的な言葉では表せない意義を引き継げたら、より根本的なところに近づけて、生徒会活動としてより良いものができるのではないかという話をしたという。
次回の多摩生徒会協議会は2021年1月の開催を予定しているという。
【文】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長
【執筆協力】鈴木 莉恩/多摩生徒会協議会 第12期議長団
【写真】菊池 隆聖/一般社団法人生徒会活動支援協会 運営委員
投稿者プロフィール
- 1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会代表理事、一般財団法人国際交流機構理事、私立大学環境保全協議会運営委員などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。
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