11.5回目の「あつ文」、文化祭団体Reと協働したオンラインイベントを開催
5月24日、集まれ文実!と文化祭団体Reの共催で開催されたオンラインイベント。今回、集まれ文実!は昨年に第11回を開催し、今回を11.5回と位置付けた。また、文化祭団体Reはこのイベントが初めての開催となった。これまで、集まれ文実!は、首都圏を中心に毎回100名の生徒会役員や文化祭実行委員を集めて討論イベントを開催してきた。文化祭団体Reは、桐朋と東京都市大付の2校でスタートした男子校文化祭協働団体とのこと。
Re代表の河野新平さん(都市大付属・高2)は、開始前のインタビューで「世の中があおられている中で高校生ができることは何かを考えた時に、まずは話すことが必要かと考えた。」といい、集まれ文実!代表の松永汰区磨さん(獨協・高2)は、「今回のイベントで、いろいろな視点・意見を吸収していただきたいと思って企画した」と開催の意図を語った。
1班「文化祭で社会問題をどう組み込めるか」では、環境問題をトピックとして挙げ、その中でも「ごみ問題」「エネルギー問題」に焦点を当てた。ごみ問題では、プラスチックごみ、食品ロスに着目し、再利用できる容器の工夫や、前提として紙などを使用量の削減を目指すこと、余った食材はフードバングに寄付するなどが意見として上がった。また、エネルギー問題では、企画として自転車発電で体験してもらい、発電した電気で電車を走らせてみるなど、電気エネルギーを身近に感じてもらう企画が出された。その上で、プリント配布で啓発してもあまり効果がなかったため、動画やお客様に見てもらい、削減を学校として義務化する。そのあと、クラスのリーダーに削減を伝えること、最終的に工夫したことを伝える必要性がある。
2班「引き継ぎとは何か」では、理想的な引継ぎを追求したいとして、各校の引き継ぎの課題点を挙げた。具体的には、膨大な量をまとめている学校もあれば、A4判用紙でまとめている学校もあった。
年度によって作る人がどれくらいの技量を持っているかがわからない。全体総括の総評がないと分かりづらい。それらを踏まえて、いい引継ぎとは何かを考えたところ、反省点や改善点などがちゃんとまとめられている必要があるなどの意見があった。見てわかりやすい引継ぎ、内容も要点を押さえられている引継ぎが必要。もらう側としては、紙として残しておく必要がある。全部の総評ではなく、それぞれの委員・部門ごとでまとまっていることが大事、迅速に作って迅速に渡すこと、新しく導入した機材の使い方、課題・反省がまとまっていれば問題ないのではないか。
3班「スペース、来客者対応の工夫」では、整列の誘導、体育館の活用、限られたスペースの工夫、来場者一人一人への対応、チケット配布ミスなどレスを少なくできるのかを中心に議論した。列の並ばせ方を委員会で考えるのではなく、出展団体から出してもらい、ベストアイディアに対しては表彰をする。体育館でのソーシャルディスタンスを確保するために、人数制限やラインを引くなどの対策も議論された。現在の社会情勢を鑑みると、来場者一人ひとりには、消毒への啓発、文化祭委員の配置、人と人とが接触する可能性があるものは、実施を取りやめる。マスク着用をお願いすることが必要である。
4班「広報のあるべき姿とは」では、校内向けと校外向けの双方に議論を分けた。教員に提出してチェックとなると生徒の意見発信が難しくなるので、インターネットを活用する案が浮上した。当日や前日までにパンフレットを作成してプロモーションビデオや写真を利用して当日の雰囲気を伝えることが可能。近隣の飲食店などを模擬店として入れるなどの対応も可能という意見が出された。
5班「生徒全員が楽しめる文化祭」では、課題として規制が多い、教員とのいざこざが多い、文化祭に代わるイベントを作るということを考えた。文化祭に代わるイベントを立てることは、教員も反対しにくいのではないか。またトラブル対応として、管理班を設定する。出し物を考えたり、予算の問題は大きく、生徒会本部と連携したり、「自由な新しい文化祭」を作ることに議論が集結した。
6班「他校との交流に向けて」では、他校文化祭と連携する経験がなく、アイディア出しを主に行った。広報活動を共同で行う、共同開発メニューをつくり模擬店において販売・投票してもらう、文化祭アプリを共同で開発する、部活同士の交流があったり、お互いの装飾画材を共有化する、ピストンバスの共同運行などのアイディアが出された。
7班「オンライン文化祭は可能なのか」では、そもそも開催のメリット・デメリット・問題点を考えた。メリットとしては、マンネリ化企画を見直すきっかけになる、遠くに住んでる人(親戚)でも参加しやすい、天候に左右されない、コロナの影響で中止となる影響は避けられる点。デメリットとしては、ネット環境が必要もしくは十分な回線が必要、目玉企画がすたれてしまう、オンライン企画の限界、セキュリティやプライバシー・著作権上の限界、ネット環境については、Youtubeに限定公開、校内校外で配信を分ける、学校ページのみURLを掲載する、引継ぎや学校を納得させられるかを考える必要などがあがった。
8班「文化祭の質を上げるには」では、様々な質を出し合うところから議論が始まった。文字のみではなく、体験コーナーや直接プレゼンを行う方法が必要「展示の質」、クラスメイトのやる気が必要「クラス企画の質」、:企画に計画性を明確にすれば準備も有意義となると同時に来客対応、文化祭実行委員だけではなく一般の方から質問を受けても誰でも回答できるようにする「パフォーマンスの質」。最終的には、インフォーメーションブースなどを設置し、どこに何があればよいのかをわかりやすく明示する必要があるとした。同時に外部から見た質、元気・若さ・ポスターなどひきつける魅力も必要だとした。
【文】荒井 翔平/一般社団法人生徒会活動支援協会 理事長
投稿者プロフィール
- 1991年東京都生まれ。東京都市大学環境情報学部環境情報学科卒業。一般社団法人生徒会活動支援協会代表理事、一般財団法人国際交流機構理事、私立大学環境保全協議会運営委員などを務める。2009年に生徒会活動支援協会を立ち上げ、生徒会活動に関わる様々な支援に取り組む。2010年に幅広い分野で社会的活動を行う、一般社団法人日本学生会議所を設立。
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